英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

“異次元の少子化対策”って、何?

2023-01-07 01:29:35 | 時事
今年は、取りあえず“1日1記事”を目標にしていたのですが(すぐ挫折する予定)、ネタが多すぎて、“1日1記事”では消化できなくなっています。

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 岸田総理は1月5日の会見で、(以下の内容は『テレ朝news』より」
「私は、本年を昨年の様々な出来事に思いをはせながらも、新たな挑戦をする1年にしたいと思います」
異次元の少子化対策に挑戦し、若い世代から『ようやく政府が本気になった』と、思って頂ける構造を実現すべく、大胆に検討を進めてもらいます」

★少子化対策のための3つの「基本的な方向性」
 1つ目は、「児童手当など経済的支援の強化」
 2つ目は、学童保育や病児保育など「子育てサービスの強化」
 3つ目は、育児休業制度をはじめとする「働き方改革の推進など」

「本年4月に発足する、こども家庭庁のもとで、今の社会において必要とされる子ども政策を体系的に取りまとめたうえで、6月の骨太方針までに将来的な子ども予算倍増に向けた大枠を提示していきます」

 予算倍増を掲げた岸田総理だが、具体的な内容や必要となる数千億円以上の財源については触れなかった。

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“異次元の少子化対策”って、何?
 会見では、“異次元”に続いて、3つの「基本的な方向性」を述べたようだが、まあそれ自体は、普通というか順当な方針。
 ただし、気になったのは“将来的な子ども予算倍増”と述べたこと。“異次元”と合わせて“将来的な子ども予算倍増”というワードが注目された。

 おそらく、年頭の会見で見栄えのするコメントを発信したかったのだろう。
 「3つの基本方針」を述べるのが主目的であったが、それでは地味でパッとしない。そこで、“異次元の少子化対策”という表現をひねり出したのではないだろうか?
 “こども予算倍増”は、もともとは“こども予算増額”だったような気がする。“異次元の少子化対策”に引っ張られて、テンションが上がったのだろう。
(上記は、私の想像、妄想、憶測です)

 思惑通り?派手な会見になってしまったが、言いっ放しで放置するわけにはいかず、小倉少子化担当大臣との対談を行い、
《少子化対策の強化に向けて、厚労省や内閣府などの関係府庁による新たな会議を設置し、検討を進め、3月末を目途に具体策のたたき台をまとめる》指示。
 その“新たな会議”では
・児童手当を中心とした経済的支援拡充
・幼児教育・保育サービスなどの充実
・育児休業制度の強化
などの議論を始める方針
  ………まあ、これは、年頭の会見で述べた方針とほぼ同じだし、従来の政府の方針とも同じであろう。
 だったら、“新たな会議”など設け」なくともいいのではないだろうか?

 さらに、岸田総理との対談後の小倉少子化担当大臣の会見
「(たたき台が)国民各層の理解を得ながら、
 社会全体での費用負担のあり方を含め、幅広く財源のあり方について議論する土台となるよう努めていきたい」

 ……こちらが“新たな会議”の真の目的か?
 また増税? 
 財源云々を議論するなら、まず、余分な税金の使い方や無駄な予算を精査・検証するべきだ。
 例えば、政党交付金とか国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)、コロナ関連での給付金の業務を大手に委託し、その大手企業が下請けに丸投げすることによって生じる税金の無駄など、いくらでもありそうだ。
 ついでに言わせていただくと、防衛費を大幅増額するよりも、老朽化して通行不能の橋や、危険個所の補修がされないまま通行している橋……そんな橋が多々あると言う。放置されているのは、行政の怠慢ではなく、予算がないからだという。
 防衛費を増額することが国家の安全のためというが、橋や道路や水道管の補修も国土の安全のため重要な事業であるはずだ。

 “子ども予算”や“少子化対策予算”も必要であるが、本当に必要なのは、社会全体が安全で住みやすく、幸せを感じられるものにすることではないだろうか?
 理想論だと思うが、皆が今後に希望を持てる社会になれば、子どもを作りたいと思うのではないだろうか?



 さて、岸田総理の“異次元”会見と小倉少子化担当大臣との対談の間(6日夜、BSテレ東「日経ニュースプラス9」)に、とんでもない発言をした議員がいた。
 自民党の税制調査会で幹部を務める甘利氏(前自民党幹事長)
「“岸田総理が少子化対策で《異次元の対応をする》と言うなら”、
 例えば児童手当なら財源論までつなげていかなければならない」
「子育ては全国民に関わり、幅広く支えていく体制をとらなければならず、
 将来の消費税も含めて、少し地に足を付けた議論をしなければならない」
「少子化対策を進めるための財源として、将来的な消費税率の引き上げも検討の対象になる」


 いやあ…これは論理の飛躍!
“岸田総理が少子化対策で《異次元の対応をする》と言うなら”→“例えば児童手当なら財源論までつなげていかなければならない”
 《のどが渇いたので水を飲む》ならば順当だが、甘利氏の理屈は「のどが渇いたので、将棋を指す」という訳の解らないものになっている。
 “異次元”という派手な言葉を隠れ蓑にして、好き勝手な理屈を展開している。“異次元の対応”というのは、論理を無視した異次元の論理のことなのだろうか?


「子育ては全国民に関わり、幅広く支えていく体制をとらなければならず
 ”子育て”が本当に全国民に関わっているのだろうか?まあ、間接的に将来的には関わりはあるが、こういう理屈なら、何だって理由付けできる。
 孫がいない私には、“子育て”は少し距離がある。それよりは、橋の安全、コロナ対策(医療)、物価高の方が重要度が高い。

「地に足を付けた議論」
 いや……あなたこそ地に足を付けた思考をしていただきたい


政府幹部の修正が入った
 この甘利氏の発言について鈴木財務大臣
「甘利氏の発言についての報道は承知はしている。
 将来の消費税のあり方について、政府として具体的な検討を行っているわけではない」

“財源を確保するため、将来的な消費税の引き上げも検討になるかどうか?”問われたのに対し、松野官房長官
「消費税については、社会保障の財源として今後も重要な役割を果たすべきものであるが、当面触れることは考えていない」
コメント (2)
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