英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『うちの弁護士は手がかかる』 最終話(第11話)

2023-12-30 16:42:56 | ドラマ・映画
少し前に、『うちの弁護士は手がかかる』 第9話他を書いたが、一応、最終話まで観たので、その感想を。


 ……キャラは面白かったが、
 ストーリーには全く納得できないことが多々あったドラマだった


1.天野杏の弁護士資格の件
 杏の異母姉・さくら(江口のりこ)が、あれだけ何度も「杏には弁護士資格がない」と言い切ったのに、嘘だった……"嘘”かよ!
 しかも、その理由についても、納得できないが、後述。
①杏の恩師・椿原(野間口徹)
 第4話からしか観ていないので、詳しい人物関係がよく分からないが、杏の恩師らしい。しかも、回想シーンでは杏の父(山崎一)の部下だったらしい。巷では、椿原は"謎の人物”だったらしく、「椿原は野間口徹が演じる」とYahoo!ニュースの記事にもなっていた。
 杏の父の部下であったとは言え、《自分が教えた杏が「弁護士資格がない」》というさくらの嘘に口裏を合わせるものなのだろうか?
 真っすぐに弁護士を目指し、その道を歩もうとしている杏を、崖から突き落とすような嘘をつく。しかも、杏は自分の教え子(らしい)なのに。杏の弁護士への真っすぐな気持ちや、彼女の性格を知る彼なら、弁護士の道を奪う所業に加担するとは考えられない。あり得ない。

 それでも、今日子(戸田恵子)が、司法試験時の杏の答案用紙を、椿原に採点させ、合格のお墨付きを引き出したのはナイス! 感心した。

②さくらが嘘をついた理由……これは納得できない
 嘘をついた理由というのが、《杏に"父が医療過誤を隠ぺいした”事実を知られたくなかったから》。
 でも、《杏が弁護士でいること》と《父の不正が知られること》との因果関係は薄いよね。(どこかの記者がスクープして隠ぺいが明るみに出ることがあるかもしれないが、その場合は、杏が弁護士であるかどうかは関係ない)
 確かに、今回のように再び医療過誤が起これば、杏が弁護士として関わり、事実を知ってしまう可能性はある。
 しかし、杏が弁護士になった時点で、その可能性を考え、嘘をついて弁護士を辞めさせるというのは、論理が飛躍し過ぎ。
 父を奪った女の娘の杏への"逆恨み”としか思えない。

2.青海医大病院の医療過誤
①詳細が全く不明……看護師・大橋いずみ(志田未来)が気づいていないような…
 病院内の箝口令があるにしても、亡くなった患者の身内や辞めた看護師が突破口になるのではと思ったが、ほとんどスルー。
 前話(10話)に於いても、病院を辞めるいずみに対して詳細を聞かず、周辺調査から医療過誤の可能性が浮上。いずみ自体は気づいていなかったような気がしたが……私が見落とした?
 杏の弁護士資格の件もそうだったが、即究明しなければならないことを後回しにする…その後、解決の歯車が回り出すと、一気に展開。さらに、弁護士事務所の連中も、いろいろ調査などをしていたことを、後出し披露……このパターンが多かった。

②医療過誤?医療事故?
~予期できる結果が発生したときのみ、そして結果発生の回避を怠った 時にのみ「過失」があるとして、責任追及がなされます。 これが医療過誤であり、予期でき ない結果の発生は、医療事故とされている~
 武藤医師(浅香航大)の場合、医療事故だと思うが……
 もちろん、医療事故も発生は避けるべきだが、隠ぺいするよりも、誠実に謝罪、補償した方が良いのは間違いない。良識があったと思われる杏の父が隠ぺいに動いたのは不自然。まあ、人間なので選択のミスはあり、そのせいで、ずっと苦しんでいたようだ。武藤医師も同様に苦しんでいた。

 今回、隠ぺいに加担したさくらこそ、弁護士の資格はない。
 院長に至っては、隠ぺいどころか、カルテ改ざん(いずみの投薬ミスにした)は、医師失格どころか、人間失格である。師長も同罪。亡くなった患者の遺族にはどういう説明をしたのだろうか?
 
 結局、《終わり良ければ、ストーリーの破綻は流れてしまう》ドラマだった。

【ストーリー】番組サイトより
 天野杏(平手友梨奈)は、蔵前勉(ムロツヨシ)や香澄今日子(戸田恵子)たちからの信頼に応えて『香澄法律事務所』に復帰する。だが杏は、蔵前たちが総出で川の中から見つけ出してくれた弁護士バッジをつけていなかった。まだ自分に弁護士資格があるかどうか、はっきりしていないからだという。
 杏は、事務所の仲間たちに頭を下げ、青海医大病院による看護師・大橋いずみ(志田未来)の不当解雇の件に力を貸して欲しいと頼んだ。人に頭を下げてお願いできるようになった杏の成長した姿に感動する蔵前たち。そんな杏の思いに応えて、山崎慶太(松尾諭)、辻井玲子(村川絵梨)の両弁護士もやる気を見せる。
 山崎は丸屋泰造(酒向芳)と、辻井は岩渕亮平(日向亘)とともにそれぞれ情報集めを開始する。だが病院内には完全に箝口令が敷かれているようで、思うようには進まなかった。
 一方、蔵前は杏とは別行動をとり、彼女の恩師・椿原(野間口徹)に会いに行く。そこで「天野先生に弁護士資格がないというのは本当なんですか?」と問う蔵前。するとそこに突然、今日子が現れ……。

脚本:中園勇也
演出:相沢秀幸
コメント
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