今シリーズで、一番面白かった。(第4話「最後の晩餐」が次点)
多少、登場人物の性格や行動が極端のような気がするが、"笑う死体”の意味……右京が犯人に目星をつけた理由、そして、何よりもオチが秀逸!(私は好きです)
脚本の瀧本智行氏は、《人生の悲哀》をテーマとすることが多いようだ。(やはり、登場人物の性格や行動がやや極端か?)
過去には、「詩集を売る女」(season20 第18話)、「操り人形」(season20 第8話)、「人生ゲーム」(season19 第16話)、「オマエニツミハ」(season19 第11話元日SP)、「三文芝居」(season19 第6話)を担当している。
ちなみに、「詩集を売る女」「操り人形」「オマエニツミハ」には批判的レビュー、「三文芝居」は評価、「人生ゲーム」は絶賛している。
笑う死体
”笑う死体”と言っても、目の前の死体が「はははは」とが笑っているわけではない(当たり前)。死ぬ間際まで笑っていた、あるいは、笑いながら死んでいった……あとは、何らかの科学的反応・物理的力が表情筋に加わり、笑う表情になったのか……
科捜研なら後者をも視野に入れるが、まあ、普通は前者を考える。なぜ笑いながら死んだのか?
その死体の当人・伊藤は、元漫才師で最近は詐欺まがいのセールスをしていたらしい。
人を笑わす漫才師だったが、普段は全く笑わず、気難しい男だったという。漫才師時代も同様で、面白いネタを思いついた時だけ、にやける……ついたあだ名が「ネクラ」。
紗矢との夫婦漫才で新人賞準優勝したが、17年前に解散。新たな相方と新コンビを結成したが、うまくいかずコンビ解消。相方への借金を踏み倒したという話もある。
勤めていた会社から、300万円を盗んだらしいが、その後、河川敷で殺害された模様(1か月前、300万円が盗まれたのもその頃)
しかし、その300万円の行方が分からない。→紗矢の息子(伊藤の息子でもある)に伊藤が渡していた(後に判明)
犯人は?……右京曰く、漫才で言う“出オチ”
ドラマ冒頭で、右京たちが捕まえた“泥酔者から財布抜き取り犯”が、その手口で伊藤の財布を抜き取ったと見られていたが、実は、伊藤の元相方で、踏み倒された金の返済を巡っての殺害だった。
その借金を返すため会社の金を盗んだが、気が変わって息子に渡してしまい、それに腹を立てた男が掴みかかり、突き飛ばした時に、頭を強打したのだった(伊藤は紗矢にも金を渡そうとしていた。その時点では、息子の存在を知らず)
その後、息絶えた時、伊藤は笑っていたのだが、男が死に顔については何も語っていなかったのを、右京は不審に思ったのだ。
笑いながら死んだ理由
絶命の間際、伊藤の目に入ってきたのは「ヨネクラシステム」のネオンサイン。「ヨ」の字は故障していて点灯せず、「テム」の部分はビルに隠れて、伊藤からは見えなかった……伊藤には「ネクラシス」と見えていた。……「ネクラシス」→「ネクラ、死す」と読んで、そのオチに伊藤は笑ったのだった。……出オチの犯人、オチの被害者……題材が漫才ということで、見事な構成だ
その笑える心境になるよう後押ししたのは、準優勝した時の漫才が「ものすごく面白かった」という息子の言葉だった。
極端な人物設定
伊藤真琴
・《普段は笑わず、面白いネタを思いついた時、にやにや笑う》→あだ名「ネクラ」……脚本上「ネクラ」というあだ名が必要だったのだが、ちょっと、不自然なキャラ設定。(《笑わない漫才師が、笑って死んだ》という奇妙さの狙いもあった)
・《笑わない漫才師》《気難しい》の為、彼の人生(何を思って生きているのか)が見えてこなかった(←個人的な感想です)
千葉県警の刑事
縄張り意識が強く、非常に感じ悪かった。
都内の事件でよいと思ったが、おそらく、刑事部長、参事官、捜一トリオの活躍?の場を与えるため
【その他の感想】
・目撃証言は多かったが……
「男女が言い争っていて、"サヤ”と呼ぶのが聴こえた」
「金髪の男を見た」
という有力証言はあったが、それなら、殺人前後の目撃があっても良いような気がしたが……ハイ、どうでも良いツッコミです
・伊丹の笑う死体の画は面白かった
・亀山と美和子の夫婦漫才は、面白いような気がする……
第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」(初回SP)
第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」
第3話「逃亡者 亀山薫」
第4話「最後の晩餐」
第5話「眠る爆弾」
【ストーリー】(番組サイトより)
その撲殺遺体は笑っていた…
元芸人の最期の瞬間に何が!?
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、泥酔して路上で寝込んだ男性から財布を盗んだ中年男(有薗芳記)を逮捕。男は、のらりくらりと素性を隠すが、所持品から思わぬ物が。それは1か月ほど前、河川敷で他殺体となって見つかった、伊藤(阿南健治)という男性の財布だった。
捜査を担当していた県警によると、遺体の身元が分からず、捜査が行き詰まっていたという。右京はそこで気になる情報を耳にする。死因は、頭部殴打による脳挫傷だったのだが、伊藤の遺体はニヤッと笑っているように見えたという。好奇心を刺激された右京は、薫と越境捜査を開始。
すると、詐欺まがいの寝具会社に勤めていた伊藤が、夫婦漫才でステージに立つ元お笑い芸人だったと判明。しかし、伊藤は、愛想笑いのひとつもできない気難しい男で、17年前まで相方だった紗矢(池谷のぶえ)と決別。ますます興味がわいた右京だったが、“縄張り”を荒らされた県警からストップが掛かる。
笑えない男は、なぜ笑いながら死んだのか?
越境捜査で本庁と県警が対立する中、
関係者たちの意外な過去が明らかになる!
ゲスト:阿南健治 池谷のぶえ 有薗芳記 おぼん・こぼん
脚本:瀧本智行
監督:権野元
多少、登場人物の性格や行動が極端のような気がするが、"笑う死体”の意味……右京が犯人に目星をつけた理由、そして、何よりもオチが秀逸!(私は好きです)
脚本の瀧本智行氏は、《人生の悲哀》をテーマとすることが多いようだ。(やはり、登場人物の性格や行動がやや極端か?)
過去には、「詩集を売る女」(season20 第18話)、「操り人形」(season20 第8話)、「人生ゲーム」(season19 第16話)、「オマエニツミハ」(season19 第11話元日SP)、「三文芝居」(season19 第6話)を担当している。
ちなみに、「詩集を売る女」「操り人形」「オマエニツミハ」には批判的レビュー、「三文芝居」は評価、「人生ゲーム」は絶賛している。
笑う死体
”笑う死体”と言っても、目の前の死体が「はははは」とが笑っているわけではない(当たり前)。死ぬ間際まで笑っていた、あるいは、笑いながら死んでいった……あとは、何らかの科学的反応・物理的力が表情筋に加わり、笑う表情になったのか……
科捜研なら後者をも視野に入れるが、まあ、普通は前者を考える。なぜ笑いながら死んだのか?
その死体の当人・伊藤は、元漫才師で最近は詐欺まがいのセールスをしていたらしい。
人を笑わす漫才師だったが、普段は全く笑わず、気難しい男だったという。漫才師時代も同様で、面白いネタを思いついた時だけ、にやける……ついたあだ名が「ネクラ」。
紗矢との夫婦漫才で新人賞準優勝したが、17年前に解散。新たな相方と新コンビを結成したが、うまくいかずコンビ解消。相方への借金を踏み倒したという話もある。
勤めていた会社から、300万円を盗んだらしいが、その後、河川敷で殺害された模様(1か月前、300万円が盗まれたのもその頃)
しかし、その300万円の行方が分からない。→紗矢の息子(伊藤の息子でもある)に伊藤が渡していた(後に判明)
犯人は?……右京曰く、漫才で言う“出オチ”
ドラマ冒頭で、右京たちが捕まえた“泥酔者から財布抜き取り犯”が、その手口で伊藤の財布を抜き取ったと見られていたが、実は、伊藤の元相方で、踏み倒された金の返済を巡っての殺害だった。
その借金を返すため会社の金を盗んだが、気が変わって息子に渡してしまい、それに腹を立てた男が掴みかかり、突き飛ばした時に、頭を強打したのだった(伊藤は紗矢にも金を渡そうとしていた。その時点では、息子の存在を知らず)
その後、息絶えた時、伊藤は笑っていたのだが、男が死に顔については何も語っていなかったのを、右京は不審に思ったのだ。
笑いながら死んだ理由
絶命の間際、伊藤の目に入ってきたのは「ヨネクラシステム」のネオンサイン。「ヨ」の字は故障していて点灯せず、「テム」の部分はビルに隠れて、伊藤からは見えなかった……伊藤には「ネクラシス」と見えていた。……「ネクラシス」→「ネクラ、死す」と読んで、そのオチに伊藤は笑ったのだった。……出オチの犯人、オチの被害者……題材が漫才ということで、見事な構成だ
その笑える心境になるよう後押ししたのは、準優勝した時の漫才が「ものすごく面白かった」という息子の言葉だった。
極端な人物設定
伊藤真琴
・《普段は笑わず、面白いネタを思いついた時、にやにや笑う》→あだ名「ネクラ」……脚本上「ネクラ」というあだ名が必要だったのだが、ちょっと、不自然なキャラ設定。(《笑わない漫才師が、笑って死んだ》という奇妙さの狙いもあった)
・《笑わない漫才師》《気難しい》の為、彼の人生(何を思って生きているのか)が見えてこなかった(←個人的な感想です)
千葉県警の刑事
縄張り意識が強く、非常に感じ悪かった。
都内の事件でよいと思ったが、おそらく、刑事部長、参事官、捜一トリオの活躍?の場を与えるため
【その他の感想】
・目撃証言は多かったが……
「男女が言い争っていて、"サヤ”と呼ぶのが聴こえた」
「金髪の男を見た」
という有力証言はあったが、それなら、殺人前後の目撃があっても良いような気がしたが……ハイ、どうでも良いツッコミです
・伊丹の笑う死体の画は面白かった
・亀山と美和子の夫婦漫才は、面白いような気がする……
第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」(初回SP)
第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」
第3話「逃亡者 亀山薫」
第4話「最後の晩餐」
第5話「眠る爆弾」
【ストーリー】(番組サイトより)
その撲殺遺体は笑っていた…
元芸人の最期の瞬間に何が!?
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、泥酔して路上で寝込んだ男性から財布を盗んだ中年男(有薗芳記)を逮捕。男は、のらりくらりと素性を隠すが、所持品から思わぬ物が。それは1か月ほど前、河川敷で他殺体となって見つかった、伊藤(阿南健治)という男性の財布だった。
捜査を担当していた県警によると、遺体の身元が分からず、捜査が行き詰まっていたという。右京はそこで気になる情報を耳にする。死因は、頭部殴打による脳挫傷だったのだが、伊藤の遺体はニヤッと笑っているように見えたという。好奇心を刺激された右京は、薫と越境捜査を開始。
すると、詐欺まがいの寝具会社に勤めていた伊藤が、夫婦漫才でステージに立つ元お笑い芸人だったと判明。しかし、伊藤は、愛想笑いのひとつもできない気難しい男で、17年前まで相方だった紗矢(池谷のぶえ)と決別。ますます興味がわいた右京だったが、“縄張り”を荒らされた県警からストップが掛かる。
笑えない男は、なぜ笑いながら死んだのか?
越境捜査で本庁と県警が対立する中、
関係者たちの意外な過去が明らかになる!
ゲスト:阿南健治 池谷のぶえ 有薗芳記 おぼん・こぼん
脚本:瀧本智行
監督:権野元
フォローしていただきありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
ご丁寧に、ありがとうございます。
>今後ともよろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。
今回、リアルタイムで見ることができなかったため、録画視聴でした。
オチの種明かしをする前に、巻き戻してみて、「ヨネクラシステム」か鍵だというところまでは読めましたが、答えは分からず。なるほど、そういうことでしたか。
今回のメインゲストは阿南健治さん。かつては、帝都新聞で美和子の上司役でセミレギュラー出演していましたね。
阿南さんは『鎌倉殿の13人』に土肥実平で出演。宮澤エマさん(実衣)、矢柴俊博さん(平知康)といい、今シーズンは『鎌倉殿の13人』出演者のゲスト率が高いですね。
>オチの種明かしをする前に、巻き戻してみて、「ヨネクラシステム」か鍵だというところまでは読めましたが、答えは分からず。なるほど、そういうことでしたか。
落ちが明かされた時、私は笑ってしまいました(ドラマの3人と同タイミングで)。
> 阿南さんは『鎌倉殿の13人』に土肥実平で出演。宮澤エマさん(実衣)、矢柴俊博さん(平知康)といい、今シーズンは『鎌倉殿の13人』出演者のゲスト率が高いですね。
そうですね。
あと「月9枠」での『元彼の遺言状』での大泉洋さん、浅野和之さん、生田斗真さん(鎌倉殿では時期が違いますが)、『競争の番人』では坂口健太郎さん、小池栄子さんが共演していました。