1月から始まったドラマで初回を見たものは『トレース ~科捜研の男~』『刑事ゼロ』『メゾン・ド・ポリス』『スキャンダル専門弁護士』。この4作に『科捜研の女 スペシャル』『警視庁、捜査一課長 スペシャル』『新・浅見光彦シリーズ 天城峠殺人事件』を加えた7作の中で、一番面白かった。
Ⅰ.“源氏香の図”が暗示する連続殺人
“源氏香の図”を題材にした作品は山村美紗原作のドラマを観た記憶がある(『京都・源氏物語殺人絵巻』、確か出演:藤谷美紀、原田龍二、田村亮)が、詳しくは覚えていないが、面白かった感触は残っている。
【訂正】
『京都・源氏物語殺人絵巻』の主演や私の感想は間違っていました。
浅野ゆう子さん、遠藤憲一さんの共演で、記事で辛辣に批判していました。
焚いた5つの香の中で、同じ香だと思うものを線で結んで出来た図形を源氏物語の巻名を当てはめる。しかも、その巻名の登場人物のキャラと、事件の被害者(標的)に当てはめるという複雑さ。
でも、複雑だが、過去の事件関係者が参加した組香の会の香図に基づいて殺人が行われると判明し、途中から予告殺人めいてきて、面白かった。
ただし、ややこしくて、頭がついていかない面もあった。
そもそも、源氏香の図が52通りあると理解するのに時間が掛かった。
a、b、c、d、e の5種類の香を選ぶ場合の数は「5の5乗」あるが、例えばaabcdとccaebは異なる香の並びだが、香図としては同じものになる。
数式(計算)で求めることができるかもしれないが、私の頭では丹念に数える方が良いようだ。
ポーカーの役に例えて、数えてみると、
5カード…… 1通り(実際のトランプではジョーカーを利用しない限り不可能だが)
4カード…… 5通り
3カード……10通り
フルハウス…10通り
1ペア………10通り
2ペア………15通り
バラ………… 1通り 計52通り
役の高い順ではなく、数えた順番(この順の方が考えやすい)
更に、香図に対応する源氏物語のキャラと事件被害者を対応させなければならないので、頭がパンクしそうだった。
まあ、難しいことは、主人公たちに任せて、単純に≪おお、そうなのか≫と感心して観るのが正しい視聴方法である。
事件を誇示する香図が大きくなっていく法則も面白かった。
Ⅱ.時矢暦彦(沢村一樹)の記憶喪失の特異性
時矢刑事(沢村一樹)は刑事になってからの20年間の経験の記憶(対人関係を含む)も失っていたが、スマホなどの生活上の基本的な記憶は残っているようなので、≪刑事であってはいけない≫という防衛司令を受けて思い出せないだけで、記憶は存在している……というのが、町医者兼叔父生田目守雄(武田鉄矢)の見立て。
記憶欠落による騒動や性格の変異、記憶制御の原因など今後の展開が興味深い。
ただし、≪失った記憶の代わりに鋭い嗅覚など研ぎ澄まされた五感が備わった≫という設定はどうなのか?記憶力も強化されたようで、便利過ぎる。
Ⅲ.けっこういいコンビの時矢暦彦(沢村一樹)と佐相智佳(瀧本美織)
生活の基本的記憶は持っていても、刑事としての記憶がないのは大変で、それを補うのが佐相刑事(瀧本美織)。
以前の時矢を崇拝していたが、記憶喪失の時矢に対しては対等に近い態度。特に、記憶を失ったことで、時矢の刑事適性を問題視し、今回の事件解決後に合格判定を下すのは、上から目線過ぎる。自分も新米刑事なのに。
まあ、それはともかく、いいコンビのように感じた。
【ちょっとした疑問点】
・最初の犠牲者となった府会議員は、過去の組香の会の参加者であり、犯人が生まれた時の主治医だったという関わりはあったが、殺されるほどの因縁があったのだろうか?(私が見過ごした?)
・被害者同士の接点はないように思えたが、それでも、あんな独特な図が殺害現場に共通して存在していたら、何らかの関係があると考えるのが普通だろう
【ストーリー】番組サイトより
京都府警捜査一課刑事・時矢暦彦(沢村一樹)は“京都府警に時矢あり”といわれるほど優秀な刑事。だが、容疑者・能見冬馬(高橋光臣)を追跡中、廃工場の貯水プールに転落。病室で目を覚ましたとき、なんと刑事拝命以来の20年間の記憶を失っていることに気づく…!
時矢は見舞いにやって来た元相棒・福知市郎(寺島進)のことを暴力団関係者と誤解するばかりか、新たにコンビを組むよう命じられた新人女性刑事・佐相智佳(瀧本美織)から、深夜に女性府議会議員・椎名蒼が刺殺されたことを聞いてビビりまくり。その遺留品を見せられても、まるでピンとこない。
記憶喪失のことを周囲に打ち明ける間もないまま、新たに発生した殺人事件の初動捜査に当たることになった時矢。被害者のフリーライター・今宮賢は公園の鉄棒に吊るされていた挙げ句、鉄棒と遺体の前面には色付きの粘着テープが奇妙な形で貼られていた。このテープが示す図は、犯人からのメッセージなのか!? メッセージといえば、府議会議員殺害現場にもアルファベットなのか記号なのかわからない血文字が残されていたが、有名な府議会議員としがないフリーライターの間に接点があるとは到底思えない…。
ところが、粘着テープに顔を近づけた時矢は、「同じ匂いがする…!」と、驚愕の一言を発する。実は、失った記憶の代わりに鋭い嗅覚など研ぎ澄まされた五感が備わった時矢は、そこに議員殺害現場の遺留品と共通する匂いを嗅ぎ取ったのだ。
敏腕刑事と周囲には思われている時矢のつぶやきがきっかけとなって、あれよあれよという間に合同捜査本部が設立されることになったが、2つの事件が同一犯による連続殺人であるという根拠はほかに何も見当たらず、捜査は難航。時矢の立場は、本部内で微妙なものに…。
そんな中、時矢は2つの事件に残された図形が香りを聞き分ける遊び、“組香(くみこう)”に関係しているのではないかと直感。調べを進めるうち、事件の周辺に高名な小説家・鳴島恭三(小林稔侍)の影がちらついてくるが、その矢先、第三の事件が起きて…!?
ゲスト:富田靖子 高橋光臣 徳井優 大澄賢也 / 小林稔侍
脚本:戸田山雅司
監督:及川拓郎
Ⅰ.“源氏香の図”が暗示する連続殺人
“源氏香の図”を題材にした作品は山村美紗原作のドラマを観た記憶がある(『京都・源氏物語殺人絵巻』、確か出演:藤谷美紀、原田龍二、田村亮)が、詳しくは覚えていないが、面白かった感触は残っている。
【訂正】
『京都・源氏物語殺人絵巻』の主演や私の感想は間違っていました。
浅野ゆう子さん、遠藤憲一さんの共演で、記事で辛辣に批判していました。
焚いた5つの香の中で、同じ香だと思うものを線で結んで出来た図形を源氏物語の巻名を当てはめる。しかも、その巻名の登場人物のキャラと、事件の被害者(標的)に当てはめるという複雑さ。
でも、複雑だが、過去の事件関係者が参加した組香の会の香図に基づいて殺人が行われると判明し、途中から予告殺人めいてきて、面白かった。
ただし、ややこしくて、頭がついていかない面もあった。
そもそも、源氏香の図が52通りあると理解するのに時間が掛かった。
a、b、c、d、e の5種類の香を選ぶ場合の数は「5の5乗」あるが、例えばaabcdとccaebは異なる香の並びだが、香図としては同じものになる。
数式(計算)で求めることができるかもしれないが、私の頭では丹念に数える方が良いようだ。
ポーカーの役に例えて、数えてみると、
5カード…… 1通り(実際のトランプではジョーカーを利用しない限り不可能だが)
4カード…… 5通り
3カード……10通り
フルハウス…10通り
1ペア………10通り
2ペア………15通り
バラ………… 1通り 計52通り
役の高い順ではなく、数えた順番(この順の方が考えやすい)
更に、香図に対応する源氏物語のキャラと事件被害者を対応させなければならないので、頭がパンクしそうだった。
まあ、難しいことは、主人公たちに任せて、単純に≪おお、そうなのか≫と感心して観るのが正しい視聴方法である。
事件を誇示する香図が大きくなっていく法則も面白かった。
Ⅱ.時矢暦彦(沢村一樹)の記憶喪失の特異性
時矢刑事(沢村一樹)は刑事になってからの20年間の経験の記憶(対人関係を含む)も失っていたが、スマホなどの生活上の基本的な記憶は残っているようなので、≪刑事であってはいけない≫という防衛司令を受けて思い出せないだけで、記憶は存在している……というのが、町医者兼叔父生田目守雄(武田鉄矢)の見立て。
記憶欠落による騒動や性格の変異、記憶制御の原因など今後の展開が興味深い。
ただし、≪失った記憶の代わりに鋭い嗅覚など研ぎ澄まされた五感が備わった≫という設定はどうなのか?記憶力も強化されたようで、便利過ぎる。
Ⅲ.けっこういいコンビの時矢暦彦(沢村一樹)と佐相智佳(瀧本美織)
生活の基本的記憶は持っていても、刑事としての記憶がないのは大変で、それを補うのが佐相刑事(瀧本美織)。
以前の時矢を崇拝していたが、記憶喪失の時矢に対しては対等に近い態度。特に、記憶を失ったことで、時矢の刑事適性を問題視し、今回の事件解決後に合格判定を下すのは、上から目線過ぎる。自分も新米刑事なのに。
まあ、それはともかく、いいコンビのように感じた。
【ちょっとした疑問点】
・最初の犠牲者となった府会議員は、過去の組香の会の参加者であり、犯人が生まれた時の主治医だったという関わりはあったが、殺されるほどの因縁があったのだろうか?(私が見過ごした?)
・被害者同士の接点はないように思えたが、それでも、あんな独特な図が殺害現場に共通して存在していたら、何らかの関係があると考えるのが普通だろう
【ストーリー】番組サイトより
京都府警捜査一課刑事・時矢暦彦(沢村一樹)は“京都府警に時矢あり”といわれるほど優秀な刑事。だが、容疑者・能見冬馬(高橋光臣)を追跡中、廃工場の貯水プールに転落。病室で目を覚ましたとき、なんと刑事拝命以来の20年間の記憶を失っていることに気づく…!
時矢は見舞いにやって来た元相棒・福知市郎(寺島進)のことを暴力団関係者と誤解するばかりか、新たにコンビを組むよう命じられた新人女性刑事・佐相智佳(瀧本美織)から、深夜に女性府議会議員・椎名蒼が刺殺されたことを聞いてビビりまくり。その遺留品を見せられても、まるでピンとこない。
記憶喪失のことを周囲に打ち明ける間もないまま、新たに発生した殺人事件の初動捜査に当たることになった時矢。被害者のフリーライター・今宮賢は公園の鉄棒に吊るされていた挙げ句、鉄棒と遺体の前面には色付きの粘着テープが奇妙な形で貼られていた。このテープが示す図は、犯人からのメッセージなのか!? メッセージといえば、府議会議員殺害現場にもアルファベットなのか記号なのかわからない血文字が残されていたが、有名な府議会議員としがないフリーライターの間に接点があるとは到底思えない…。
ところが、粘着テープに顔を近づけた時矢は、「同じ匂いがする…!」と、驚愕の一言を発する。実は、失った記憶の代わりに鋭い嗅覚など研ぎ澄まされた五感が備わった時矢は、そこに議員殺害現場の遺留品と共通する匂いを嗅ぎ取ったのだ。
敏腕刑事と周囲には思われている時矢のつぶやきがきっかけとなって、あれよあれよという間に合同捜査本部が設立されることになったが、2つの事件が同一犯による連続殺人であるという根拠はほかに何も見当たらず、捜査は難航。時矢の立場は、本部内で微妙なものに…。
そんな中、時矢は2つの事件に残された図形が香りを聞き分ける遊び、“組香(くみこう)”に関係しているのではないかと直感。調べを進めるうち、事件の周辺に高名な小説家・鳴島恭三(小林稔侍)の影がちらついてくるが、その矢先、第三の事件が起きて…!?
ゲスト:富田靖子 高橋光臣 徳井優 大澄賢也 / 小林稔侍
脚本:戸田山雅司
監督:及川拓郎
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