英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『臨場』 第9話「餞~はなむけ」 【補足】追加

2009-06-19 10:56:07 | ドラマ・映画
 作ったような話(実際そうなのですが)でした。あまりに作為的なご都合主義は好きじゃあないのですが、今回はあまりにも見事なオチなので、ショートショート的な面白さを感じました。

★美人女子大生殺し
 鍵がかかっていたことで、容疑は身内や管理人に向けられた。ところが、犯人は玄関から出て行ったのではなかった。
 ではどこから?……押入れから天井裏を通って出入りした!犯人は密室とか容疑を他者に向けるとかいう意図はなく、犯人にとっては必然の経路だったのですね。
 こりゃ、一本取られた!

 しかし、被害者の切った爪が犯人の足の裏に付着して、犯人の行方をたどるというのは、少し苦しい。
 それより、押入れから忍び込んだ時点で、欲望に任せての場当たりの犯行で、天井裏の誇りなどを押入れや部屋に撒き散らしていると考えられます。爪を捜すまでもないでしょう。

★認知症老人の思い
 毎年送られてくる年賀状にまつわる小松崎刑事部長(伊武雅刀)のエピソードを語りたかったために、無理やり小松崎の生みの親に凶器を拾わせたのはかなり無理やりの展開。でも、そうしないと、倉石(内野聖陽)との接点が生じない。また、ひとつの手がかりとなる似顔絵も書かれなくなります。

 認知症の老女が森に行くわけは?
 ………ジュウイチという鳥の鳴き声を聞くためだった。

 ジュウイチはカッコウ同様に托卵の習性、つまり、他の鳥の巣に自分の卵をおいて自分の代わりに育てさせるのであるが、この托卵と、この老女が息子の小松崎を養子に出すことを重ねさせ、その鳴き声の「ジュウイチ」が小松崎の名の「周一(しゅういち)」に聞こえる。息子の名前が呼ばれるこの空間が好きだったのです。

 しかも、小松崎はその母の思いを知り、母とのカレーライスの記憶を思い出す。小松崎のカレーのルーツはこれだったんですね。

 あと、母は自殺だったのかの問いに、倉石は
「自慢の息子を持った親が自殺をするはずがない」
という言葉に、ジーンときました。


 退官云々で、特に焦りまくる立原(高嶋政伸)らは、いらない。別に退官を絡ませなくてもよかったのでは。

【補足】
 老女役の佐々木すみ江さん、ほとんど、セリフらしいセリフはないのですが、ジーンとさせてもらいました。この方も『ハンチョウ』に出演されていらっしゃいますね。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヒメジョオン | トップ | フリー女流棋士 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ドラマ・映画」カテゴリの最新記事