「その1」、「その2」 の続きです。
『週刊文春』『週刊新潮』の記事(福井は1日遅れの発売)、三浦九段の2度の反論文書を確認。
本記事はそれ以後に感じたことをまとめたもので、“三浦九段反論文書”以前の経緯は「その2」の方が詳しいです
★将棋連盟の対応……『週刊文春』やこれまで表面に現れた情報(事実と異なる可能性あり)
10月10日・七者協議
離席の多さとタイミング、指し手のソフトとの一致率(渡辺竜王、佐藤天名人、羽生三冠、佐藤九段(棋士会長)、千田五段(将棋ソフトに精通)、谷川九段(連盟会長)、島九段(理事)が三浦九段の指し手を検証)で、将棋ソフトによる三浦九段のカンニング疑惑を深める。
渡辺竜王の申し立て(連盟は「5人前後の棋士から不正調査依頼があった」と13日の会見で示唆)によるもの。告発動機は「七番勝負が始まってから、疑惑が公になり、タイトル戦が中断になること。連盟がその疑惑事実を知りながら公にしなかったことが発覚すること」
10月11日・常務会
三浦九段に聴取。
『「将棋会館内の他の部屋で休んでいた」などの三浦九段の説明に常務会が納得できないとしたのに対し、「疑念を持たれたままでは対局ができない」と三浦九段が竜王戦への出場辞退、休場の意向を示した。同連盟では12日午後3時までに休場届を提出するよう求めたが、届が出なかったため、出場停止を決めた。』(『YOMIURI ONLINE』)
10月12日・会見
三浦九段の出場停止処分、竜王戦挑戦者変更を発表。
処分理由は、休場届を期限までに提出しなかったこと。出場停止処分は年内。(不正行為を処分したのではない)
10月13日・会見
三浦九段から改めて事情を聴く考えはないことを明らかにした。
島常務理事は「(出場停止が明ける)年明けの対局で範を示してほしい」と語り、これ以上の処分は科さない意向を示唆した。「5人前後の棋士から不正調査依頼があった」「常務会に際しては、材料を十分準備して臨んだ。ここでは多くを語れない」とも説明
10月14日・竜王戦前日
対局者の金属探知機による手荷物検査を実施。
前夜祭で谷川会長が騒動について謝罪。
10月21日・棋士への説明会(非公開)、ソフト不正疑惑や処分の経緯について
「三浦九段の不正の有無について調査する」「三浦九段から提出されたパソコンについても調べる」「来週から顧問弁護士を中心とした調査チームを立ち上げる」などの方針を示した(説明会後の島理事の記者への説明による)。
★三浦九段の動き……連盟発表の伝聞、反論文書、インタビュー、取材コメントなど
10月11日・常務会
疑惑を否定。「疑惑をもたれたままでは将棋を指せない」と発言(連盟発表)
10月12日・処分発表後の取材に対して
「不正行為はおこなっていない。弁護士に任せているので、それ以上のことは言えない」
10月18日・反論文書を報道機関に公表
不正行為を否定、連盟の処分は不当と主張し、
・保有するノートパソコン2台、デスクトップパソコン2台、スマートフォンの全アプリを撮影した画像を提出したが、それを精査せずに処分を決定した
・離席が多いことやコンピュータとの一致率が高いことを示す証拠を書面による提出を求めたが、為されていない
・離席中は将棋会館内の休憩室である「桂の間」などで横になるなどして体を休めつつ次の指し手を考えていた
・将棋ソフトを活用し研究すれば、指し手の一致率は高くなる
・連盟の調査には最大限協力する。それで、嫌疑が晴れることを信じている
10月18日・NHKのインタビュー
要旨は反論文書とほとんど同じだが、竜王戦の辞退を申し出たとする連盟の説明に対し、「竜王戦は将棋界最高峰の棋戦で挑戦するだけで大変な名誉だ。辞退するわけがない」と反論。
・「決して不正はしていないので、処分を受けるいわれはない。対局中に絶対にソフトを使っていませんし、そもそもスマートフォンに分析ができる将棋ソフトが入っていません」
・席を離れた理由については、「私はもともと離席は多いほうだと思う」としたうえで、特に多かったと指摘された7月26日の対局について、「体調がすぐれなかったので、休んでいた時間が長かった」と説明。
・休場届を出さなかったことについては、「やましいことは全くないので出す必要はない。そういうことで休場届は提出しないと決めた」
10月21日・2度目の反論文書を報道機関に公表
報道されている内容の事実と異なる点を主張
・「常任会に渡辺竜王の同席を求めた」とあるが、「渡辺さん(明・竜王)はこれから戦う相手なので呼ばないでください」と伝えた(竜王戦での対局に影響が出るから)。
・「三枚堂四段が三浦九段から“スマホでパソコンを遠隔操作する方法を教えてほしい”と依頼された」とあるが、「(三枚堂四段が実際に遠隔操作しているのを見て)「私は、そんなことができるのかと驚き「どうやっているの」と聞きました。彼は、私がパソコンに疎いことを知っていたため、詳しい説明はしませんでした」「もちろん、遠隔操作するソフトをインストールもしたこともない」
・「対局中にスマートフォンを操作したことはない」
・「私はスマートフォンの提出を拒否した訳ではない。そもそも、連盟はスマートフォンのみならずパソコンの提出すら望んでいなかった」
・「スマートフォンと4台のパソコンを信頼のおける調査会社等に提出し、過去にインストール及びアンインストールされたソフトの内容や、電源のオンオフの日時などの解析を行ってもらおうと考えている。調査会社等の選定については、連盟が協議に応じてくれるのであれば、連盟と共に選定したい。家族の機器も調査対象にする」
★棋士個人の見解・意思
渡辺竜王
竜王七番勝負中の騒動や“連盟が不正を隠した”と思われるような事態を避けたいと、問題提起。
理事会の棋士への説明会では、「疑念がある棋士と指すつもりはない。タイトルを剥奪(はくだつ)されても構わない」と、連盟幹部に強く対応を求めていたことを明らかされた。
羽生三冠
文春記事では「三浦九段の処分に同調した」ような印象の記事に対して妻の理恵さんのツイッターで、『「灰色(疑わしい)」と発言したのは事実だが、白の証明も黒の証明も難しく、“疑わしきは罰せず”が大前提だと思っている』と表明(訂正)。
叡王戦の対局後のインタビューでは、「まだ現在進行形で動いている状態なので、自分なりに出来ることを…出来ないことの方が多いと思いますけど、ファンの皆さんを失望させないように棋士一同で頑張っていかないといけないと思います」と。
丸山九段
「三浦九段との対局で不審に思うことはなかった。一連の経緯には今も疑問が残っている。七番勝負の対局には、全力を尽くしたい」(説明会後のコメント)
橋本八段
「個人的にも1億%クロだと思っている。奴が除名になるかどうかは知らないけど、俺は二度と戦う気しない。以前からソフト指し、モラル、カンニング、再三警鐘を鳴らしてきたつもりだが、最悪の形になりただただ残念だ。これでも潔白を信じるという人はどうぞご自由に」(ツイッター、後に削除)
★連盟の対応の拙さについて
・近年、将棋ソフトやネット解説などによる不正行為が可能になってきている状況で、以前からその防止策を指摘されながら、何の対策も講じなかった甘さ
・離席の多さとタイミング、ソフトとの一致率の検証で疑いを深めたとしても、世間一般が納得できる証拠(スマホの使用履歴、対局中のスマホ使用の映像)なしで処分を下し、対局者を変更したのは、明らかに無理攻め。
三浦九段に「離席の多さは疑惑を生む」と注意し、スマホ持込み禁止(所持品検査)の前倒しを実施し、不正行為防止を強化すべきだった
・「“不正行為”が行われた」ことを事実として認知したくなかったのかもしれないが、「不正行為」ではなく「休場届の不提出」を処分の対象としたのは、明らかに筋違い、大局観を大きく誤っている。
三浦九段を「クロ」と断定し、≪休場届不提出による軽い処分≫で済ませておけば、三浦九段も抵抗はしないだろうという甘い読み筋。
たとえ三浦九段が「クロ」だったとしても、棋士生命を絶たれるような重大疑惑に抵抗しないわけがない。
棋士生命を左右するような嫌疑を公表したことの重大さを全く認知していなかったとしか思えない。
・13日の会見で「改めて事情を聴く考えはないこと」と述べたので、よほどの確証でもあるのかと思ったが、機器の解析さえしようとしなかったとは!
不正行為を行っている画像を握っていたが、盗撮によるものなので公表ができないだけという可能性も考えたが…
・その会見で「これ以上の処分は科さない」とは!竜王挑戦者を変更の際、「不正行為」を示唆しながら、その真偽を明らかにせず、追及しないとは!
「将棋連盟が“いい加減な組織”」であることを、自ら宣言したような愚挙!
・21日に「調査チームを来週立ち上げる」
極秘、つまり非公式の七人協議で三浦九段の不正行為と判定したのも問題だが、ようやく調査チームを立ち上げるとは!しかも“来週”!
せめて説明会で調査チームのメンバーを紹介し、総会ではない非公式な説明会ではあると言え、そのメンバーを承認を受けるくらいでないと。
・三枚堂四段の証言についても、しっかり確認したのだろうか?
★三浦九段の印象
・反論文書は説得力があった
・「スマートフォンによるPCの遠隔操作について、三浦九段に尋ねられた」という事象は、不正の為か興味本位からなのか、現情報では判断がつかない。(『週刊文春』の記事は、「尋ねた」という事実をふくらませた可能性もある)
・反論文書の公表やNHKインタビューの時期が遅い
竜王戦の開幕までの猶予がなくて反論の準備ができなかったということもあるかもしれないが、
「辞退するわけがない」と言うのなら、 「不正はしていない」 「“将棋を指せない”というのは、単に心境を述べただけで、“疑惑が解けて正常に将棋を指せる環境にならないと、将棋を指せない”という意味だった」「休場届を出すことは、不正を認めたことになる。休場届を出すわけがない」 「休場届を出すとは言っていないし、“翌日に休場届を出す意思があるか”の確認もなかった」
など、その日か翌朝のうちに声明を出し、竜王戦出場の意思を示すべきではなかったのか?
「理事会が決定的な証拠を持っているかを見極めたかったのではないか」「証拠隠滅に時間が必要だった」とも考えられる。
★渡辺竜王について
氏の危惧は当然のもので、“七者協議”での検証も同意したい。
しかし、「99.9%クロ」だと確信しても、確固たる証拠がないのだから、対局を拒否、処分の方向に走るのは、指し過ぎだった。
不正が起こらない環境を整備して、七番勝負で真の実力差を示す気概を持って欲しかった。
★橋本八段について
「1億%クロ」と言い切り、糾弾するのなら、その論拠を示してほしい。
★羽生三冠について
「“疑わしきは罰せず”が大前提」は流石の見識。
しかし、“七者協議”の場に居たのだから、渡辺竜王をたしなめ、理事会(島理事)の暴走を止めてほしかった。
もうこの際、
「渡辺竜王対三浦九段」、「渡辺竜王対丸山九段」の五番勝負を並行して行い、その勝者で七番勝負をして竜王位を争えばいい!
もちろん、対局料の半分を理事会持ち!
『週刊文春』『週刊新潮』の記事(福井は1日遅れの発売)、三浦九段の2度の反論文書を確認。
本記事はそれ以後に感じたことをまとめたもので、“三浦九段反論文書”以前の経緯は「その2」の方が詳しいです
★将棋連盟の対応……『週刊文春』やこれまで表面に現れた情報(事実と異なる可能性あり)
10月10日・七者協議
離席の多さとタイミング、指し手のソフトとの一致率(渡辺竜王、佐藤天名人、羽生三冠、佐藤九段(棋士会長)、千田五段(将棋ソフトに精通)、谷川九段(連盟会長)、島九段(理事)が三浦九段の指し手を検証)で、将棋ソフトによる三浦九段のカンニング疑惑を深める。
渡辺竜王の申し立て(連盟は「5人前後の棋士から不正調査依頼があった」と13日の会見で示唆)によるもの。告発動機は「七番勝負が始まってから、疑惑が公になり、タイトル戦が中断になること。連盟がその疑惑事実を知りながら公にしなかったことが発覚すること」
10月11日・常務会
三浦九段に聴取。
『「将棋会館内の他の部屋で休んでいた」などの三浦九段の説明に常務会が納得できないとしたのに対し、「疑念を持たれたままでは対局ができない」と三浦九段が竜王戦への出場辞退、休場の意向を示した。同連盟では12日午後3時までに休場届を提出するよう求めたが、届が出なかったため、出場停止を決めた。』(『YOMIURI ONLINE』)
10月12日・会見
三浦九段の出場停止処分、竜王戦挑戦者変更を発表。
処分理由は、休場届を期限までに提出しなかったこと。出場停止処分は年内。(不正行為を処分したのではない)
10月13日・会見
三浦九段から改めて事情を聴く考えはないことを明らかにした。
島常務理事は「(出場停止が明ける)年明けの対局で範を示してほしい」と語り、これ以上の処分は科さない意向を示唆した。「5人前後の棋士から不正調査依頼があった」「常務会に際しては、材料を十分準備して臨んだ。ここでは多くを語れない」とも説明
10月14日・竜王戦前日
対局者の金属探知機による手荷物検査を実施。
前夜祭で谷川会長が騒動について謝罪。
10月21日・棋士への説明会(非公開)、ソフト不正疑惑や処分の経緯について
「三浦九段の不正の有無について調査する」「三浦九段から提出されたパソコンについても調べる」「来週から顧問弁護士を中心とした調査チームを立ち上げる」などの方針を示した(説明会後の島理事の記者への説明による)。
★三浦九段の動き……連盟発表の伝聞、反論文書、インタビュー、取材コメントなど
10月11日・常務会
疑惑を否定。「疑惑をもたれたままでは将棋を指せない」と発言(連盟発表)
10月12日・処分発表後の取材に対して
「不正行為はおこなっていない。弁護士に任せているので、それ以上のことは言えない」
10月18日・反論文書を報道機関に公表
不正行為を否定、連盟の処分は不当と主張し、
・保有するノートパソコン2台、デスクトップパソコン2台、スマートフォンの全アプリを撮影した画像を提出したが、それを精査せずに処分を決定した
・離席が多いことやコンピュータとの一致率が高いことを示す証拠を書面による提出を求めたが、為されていない
・離席中は将棋会館内の休憩室である「桂の間」などで横になるなどして体を休めつつ次の指し手を考えていた
・将棋ソフトを活用し研究すれば、指し手の一致率は高くなる
・連盟の調査には最大限協力する。それで、嫌疑が晴れることを信じている
10月18日・NHKのインタビュー
要旨は反論文書とほとんど同じだが、竜王戦の辞退を申し出たとする連盟の説明に対し、「竜王戦は将棋界最高峰の棋戦で挑戦するだけで大変な名誉だ。辞退するわけがない」と反論。
・「決して不正はしていないので、処分を受けるいわれはない。対局中に絶対にソフトを使っていませんし、そもそもスマートフォンに分析ができる将棋ソフトが入っていません」
・席を離れた理由については、「私はもともと離席は多いほうだと思う」としたうえで、特に多かったと指摘された7月26日の対局について、「体調がすぐれなかったので、休んでいた時間が長かった」と説明。
・休場届を出さなかったことについては、「やましいことは全くないので出す必要はない。そういうことで休場届は提出しないと決めた」
10月21日・2度目の反論文書を報道機関に公表
報道されている内容の事実と異なる点を主張
・「常任会に渡辺竜王の同席を求めた」とあるが、「渡辺さん(明・竜王)はこれから戦う相手なので呼ばないでください」と伝えた(竜王戦での対局に影響が出るから)。
・「三枚堂四段が三浦九段から“スマホでパソコンを遠隔操作する方法を教えてほしい”と依頼された」とあるが、「(三枚堂四段が実際に遠隔操作しているのを見て)「私は、そんなことができるのかと驚き「どうやっているの」と聞きました。彼は、私がパソコンに疎いことを知っていたため、詳しい説明はしませんでした」「もちろん、遠隔操作するソフトをインストールもしたこともない」
・「対局中にスマートフォンを操作したことはない」
・「私はスマートフォンの提出を拒否した訳ではない。そもそも、連盟はスマートフォンのみならずパソコンの提出すら望んでいなかった」
・「スマートフォンと4台のパソコンを信頼のおける調査会社等に提出し、過去にインストール及びアンインストールされたソフトの内容や、電源のオンオフの日時などの解析を行ってもらおうと考えている。調査会社等の選定については、連盟が協議に応じてくれるのであれば、連盟と共に選定したい。家族の機器も調査対象にする」
★棋士個人の見解・意思
渡辺竜王
竜王七番勝負中の騒動や“連盟が不正を隠した”と思われるような事態を避けたいと、問題提起。
理事会の棋士への説明会では、「疑念がある棋士と指すつもりはない。タイトルを剥奪(はくだつ)されても構わない」と、連盟幹部に強く対応を求めていたことを明らかされた。
羽生三冠
文春記事では「三浦九段の処分に同調した」ような印象の記事に対して妻の理恵さんのツイッターで、『「灰色(疑わしい)」と発言したのは事実だが、白の証明も黒の証明も難しく、“疑わしきは罰せず”が大前提だと思っている』と表明(訂正)。
叡王戦の対局後のインタビューでは、「まだ現在進行形で動いている状態なので、自分なりに出来ることを…出来ないことの方が多いと思いますけど、ファンの皆さんを失望させないように棋士一同で頑張っていかないといけないと思います」と。
丸山九段
「三浦九段との対局で不審に思うことはなかった。一連の経緯には今も疑問が残っている。七番勝負の対局には、全力を尽くしたい」(説明会後のコメント)
橋本八段
「個人的にも1億%クロだと思っている。奴が除名になるかどうかは知らないけど、俺は二度と戦う気しない。以前からソフト指し、モラル、カンニング、再三警鐘を鳴らしてきたつもりだが、最悪の形になりただただ残念だ。これでも潔白を信じるという人はどうぞご自由に」(ツイッター、後に削除)
★連盟の対応の拙さについて
・近年、将棋ソフトやネット解説などによる不正行為が可能になってきている状況で、以前からその防止策を指摘されながら、何の対策も講じなかった甘さ
・離席の多さとタイミング、ソフトとの一致率の検証で疑いを深めたとしても、世間一般が納得できる証拠(スマホの使用履歴、対局中のスマホ使用の映像)なしで処分を下し、対局者を変更したのは、明らかに無理攻め。
三浦九段に「離席の多さは疑惑を生む」と注意し、スマホ持込み禁止(所持品検査)の前倒しを実施し、不正行為防止を強化すべきだった
・「“不正行為”が行われた」ことを事実として認知したくなかったのかもしれないが、「不正行為」ではなく「休場届の不提出」を処分の対象としたのは、明らかに筋違い、大局観を大きく誤っている。
三浦九段を「クロ」と断定し、≪休場届不提出による軽い処分≫で済ませておけば、三浦九段も抵抗はしないだろうという甘い読み筋。
たとえ三浦九段が「クロ」だったとしても、棋士生命を絶たれるような重大疑惑に抵抗しないわけがない。
棋士生命を左右するような嫌疑を公表したことの重大さを全く認知していなかったとしか思えない。
・13日の会見で「改めて事情を聴く考えはないこと」と述べたので、よほどの確証でもあるのかと思ったが、機器の解析さえしようとしなかったとは!
不正行為を行っている画像を握っていたが、盗撮によるものなので公表ができないだけという可能性も考えたが…
・その会見で「これ以上の処分は科さない」とは!竜王挑戦者を変更の際、「不正行為」を示唆しながら、その真偽を明らかにせず、追及しないとは!
「将棋連盟が“いい加減な組織”」であることを、自ら宣言したような愚挙!
・21日に「調査チームを来週立ち上げる」
極秘、つまり非公式の七人協議で三浦九段の不正行為と判定したのも問題だが、ようやく調査チームを立ち上げるとは!しかも“来週”!
せめて説明会で調査チームのメンバーを紹介し、総会ではない非公式な説明会ではあると言え、そのメンバーを承認を受けるくらいでないと。
・三枚堂四段の証言についても、しっかり確認したのだろうか?
★三浦九段の印象
・反論文書は説得力があった
・「スマートフォンによるPCの遠隔操作について、三浦九段に尋ねられた」という事象は、不正の為か興味本位からなのか、現情報では判断がつかない。(『週刊文春』の記事は、「尋ねた」という事実をふくらませた可能性もある)
・反論文書の公表やNHKインタビューの時期が遅い
竜王戦の開幕までの猶予がなくて反論の準備ができなかったということもあるかもしれないが、
「辞退するわけがない」と言うのなら、 「不正はしていない」 「“将棋を指せない”というのは、単に心境を述べただけで、“疑惑が解けて正常に将棋を指せる環境にならないと、将棋を指せない”という意味だった」「休場届を出すことは、不正を認めたことになる。休場届を出すわけがない」 「休場届を出すとは言っていないし、“翌日に休場届を出す意思があるか”の確認もなかった」
など、その日か翌朝のうちに声明を出し、竜王戦出場の意思を示すべきではなかったのか?
「理事会が決定的な証拠を持っているかを見極めたかったのではないか」「証拠隠滅に時間が必要だった」とも考えられる。
★渡辺竜王について
氏の危惧は当然のもので、“七者協議”での検証も同意したい。
しかし、「99.9%クロ」だと確信しても、確固たる証拠がないのだから、対局を拒否、処分の方向に走るのは、指し過ぎだった。
不正が起こらない環境を整備して、七番勝負で真の実力差を示す気概を持って欲しかった。
★橋本八段について
「1億%クロ」と言い切り、糾弾するのなら、その論拠を示してほしい。
★羽生三冠について
「“疑わしきは罰せず”が大前提」は流石の見識。
しかし、“七者協議”の場に居たのだから、渡辺竜王をたしなめ、理事会(島理事)の暴走を止めてほしかった。
もうこの際、
「渡辺竜王対三浦九段」、「渡辺竜王対丸山九段」の五番勝負を並行して行い、その勝者で七番勝負をして竜王位を争えばいい!
もちろん、対局料の半分を理事会持ち!
「文春」読んだのですが、正直
わからないことが多すぎて(苦笑)
1つ思ったのですが、
渡辺先生は、いつ?疑念を持ったのか?
ということです。
「離席メモ」があるのですから、
三浦さんとの対局前には、
疑念を持ったはずだと思うのですが、
ならば、何故に対局中に、
”ソフト指し”をあぶりだせるような
「巧妙な手順」を事前に用意できなかったのか?
が少し気になるのです。
この1局捨ててでも、全部をあぶりだして
現場を押さえてやる
といった気概が全然見えないのです。
しかも、渡辺先生、対局後は
すぐに気付かなかった・・・・
風な文春の書き方だったみたいだし。
後は、別に取り立てて書くほどでも・・・・
いやいや、ありましたよ。
島初代竜王しゃべりすぎ(苦笑)
クレームつけたら、対局者変更ありなの??
どうせなら
「勝てば問題ない」
といつもの渡辺さんでいけば良かったのに・・・・。
いやいや、変に大人になったので、
スポンサーが見えてしまったんでしょうねぇ~~~~。
タイトルホルダーとしての立ち位置も、
ただの棋士とは違いますし・・・・。
しかしねぇ~~~。竜王みずからが
離籍・・・・めもめも。
してるようにも、とられる文春の文章でしたので、
本物の将棋ファンがいたら、
興ざめものですよ。ほんと・・・・。
何やってんだろうね・・・・と。
一人の棋士の選手生命を抹殺するかも
しれない出来事なので、
慎重にも慎重を重ねてやって欲しかったのですが、
もはや手遅れなような気がして、
本当に残念に思うわたしでした。
ではではっ。
離席メモを取るという行為は、「(その時点で疑いを持っていて)離席した時刻(指し手)をチェックする」という作業と考えられます。
しかし、文春の記事「対局後に他の棋士に指摘されて、改めて検証した」とは矛盾します。
考察すると、もし、あらかじめ疑念を持って対局に臨んだのなら、現実主義でタイトル保持者の責任(間近に竜王戦が控えている)を考えて、何らかの確認作業をその日に行う気がします。
離席したのがどの指し手だったのかを記憶をだどったと考えます。
今回の渡辺竜王と連盟の先走りは非常に残念です。それと、7人による極秘検証などのいきさつを、文春から公表させたのは、大悪手です。
事実を歪められる可能性もありますし、意図的でなくとも曲解して伝わることもあります。
さらに、そんな重大事項を他者任せというのも無責任です。
渡辺竜王は自分の確信が強すぎる人だと以前ニコ生を観て感じました。将棋の手であれば盤上で何局でもかけて白黒つければ良いだけなのですが、それを盤外でまで行おうとするのは無理です。大山時代などは恐らく完全な村社会論理、最大権力者の言う通りで(有名な兄弟子を除く)周囲も動いていたのでしょう。その悪癖は残っているものの、それに反発する棋士が多くなってきた、何より情報化時代が右へ倣えでの独断処分と隠蔽を許さなくなっており、今回の惨憺たる状況になったと思います。
当初は三浦九段がカンニングしてたら残念だ、悲しい、という思いが強かったのですが、それはしかし、規制しなければ(規制しても)やがてやる人間は出るだろう、と考えていたことで、須らくあるべしとは願っても、誰一人としてやるわけがない、とはある程度大人になればわかっている筈のこと。
今はそれよりも連盟の対応が稚拙すぎてそっちの方に白けています。
棋士がね、白黒つくことに慣れすぎて浮世離れしていても、別にいいんですよ。でも浮世離れしていることくらいは自覚して、公益法人の運営には手を出さないというくらいの自制はしてください。
あ~、あと橋本八段ですが、言いたいことを言う点は好ましいのですが、発言内容が非知性的なことと、ちょっと叩かれるとツィートを削除したりと自省をする態度が見えない点で、かなり嫌悪感を覚えます。
間違いを素直に認めるというのは難しいことですが、それに失敗しても自己の発言が残っていれば冷静になってから省みて次の行動に活かすことはできます。漫然と過ごすだけでは日々の思いは泡のように消え去り、後から自省する術もないですが、残しておけば貴重な財産になる筈です、もったいないですよ。
「収拾のつかない状況になってきた」
「渡辺竜王が走り過ぎた」
「連盟の対応が稚拙過ぎる」
「橋本八段の行為は幼稚」
という点で私とかみしろさんそ主張は一致していると考えていいですよね。
私は、第三者委員会とか有識者会議とかを全く信用していません。舛添元都知事の時もそうでしたし。
連盟が設置した時点で、第三者ではありません。
確かに、但木敬一氏(弁護士、元検事総長)はなかなかの人物で、ネットでの評判も悪くないようです(「良い」というべきなのですが、捻くれています)。
ただ、今回の騒動での連盟を考えると、とても信用できないんですよ。三浦九段が潔白なのかどうかはわかりませんが、連盟が人選に関与しない人物もメンバーに入れてほしいです。
1 渡辺竜王は三浦九段に謝罪して、自発的に今回の賞金全額を連盟に託す。連盟はその資金をもとに来季の竜王戦で、渡辺対三浦の竜王位決定戦をおこなう。読売新聞社は、来期のスポンサー料を支払わない。
2 連盟は、今後、今回のような重大な案件が発生した場合、(難しいでしょうが)信頼できる中立な複数の外部顧問の意見を聞いたうえで、棋士総会に諮り物事を決定するよう規約を新設する。
いかがでしょうか?
1については、ほぼ同意です。来期と言わず、年明け早々から行うべきです。
2については、理事会を一新し、その半数を外部からの理事にすべきです。
ご提言、ありがとうございました。