漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

サムライの笛は一インチ

2013-04-25 18:32:15 | 雑記
 挑戦記は一休みして別の話題を。


 画数の多い、覚えにくい漢字のいくつかには、「覚え方」が知られていますね。

 タイトルに書いた「サムライの笛は一インチ」は、「寿」の旧字体の【壽】
 サムライ(士)の笛(フエ)は一(そのまま)インチ(吋)ということで、インチ=吋という国字を知らないとわからないという欠点(?)があるとも言えますが、逆に「壽」と一緒に「吋」も覚えられるメリットがあるとも言えます。

 他には、「リンカーンはアメリカンコーヒーを三杯飲む」などが有名ですね。
 (ちなみにこれは【鬱】。説明は省略。)

 上の二つのような文章にはなっていませんが、「讒謗」の【讒】の旁(つくり)の部分を「クロヒメンテン」と覚えたというエピソードが、どなたかの先人のサイトに書かれていました。(どなたのどのサイトだったかは失念してしまいました。スミマセン。)
 「ク」「ロ」「比」「免」「、」というわけです。「讒」の字を覚えるのに、大変役に立ちました。


 この手のもの、他にもあったら是非教えてください。



<「漢検・漢字辞典 初版」の記載ページ>

 【壽】  P.675
 【鬱】  P.75
 【讒】  P.588

挑戦記 その3

2013-04-24 06:16:21 | 挑戦記
 勉強を始めて1カ月ほどたつうちに徐々に問題集での点数が上がっていき、合格点の160点が取れるようになっていきました。勉強の成果で漢字や部首そのものを覚えていったからというのはもちろんなのですが、その頃から、私はあることを感じ始めていました。

 それは、毎日のように勉強を続けていると、まだ書く練習をしていない、つまり例の「読めるけど書けない」はずの漢字が、初めから書ける場合が出てくるということです。理由はわからないですし、感覚的なものなので本当にそうなっているのかもわからないと言えばわからないのですが、これはその後1級に取り組むようになってからも実感しているので、おそらく事実なのではないかと思っています。

 英会話学校や英会話教材などで、よく「英語脳(を作る)」という表現が使われています。英語を英語のまま感じ取る力、みたいな意味かと思いますが、それと同じで「漢字脳」とでも言うべきものがあるのでしょうか。「読めるけど書けない漢字」というのは、全体の雰囲気はなんとなくわかっているのだけれど、思い出そうとしてもピンボケの写真のようにボワっとしていて具体的な点画が出てこない、と言う感じかと思いますが、それがなぜかはっきりと浮かび上がってくることがあるのです。これは今まで感じたことのない新鮮な感覚で、ますます漢字の勉強にはまっていきました。

 それからさらに1カ月ほどたって8月になる頃には、問題集では9割の180点前後をコンスタントに取れるようになり、本番でも確実に合格できる自信がつきました。この年の次回の漢検は11月でしたので、この段階で実際の試験まではまだ3カ月あることになります。そうなると、もともと1級を取りたいと思って始めたことでもあり、欲が出てきました。漢検というのは、全部の級の試験が一斉に実施されるのではなく、いくつかの級ごとに時間を区切って行われるので、隣り合った級は同じ回に同時に受検することができます。

 そう思い立つと気がはやってしまうのが私の癖で、一旦はすぐには無理と思っていた準1級も、2級と同時に取り組んでみることにしました。漢検協会から出版されている「完全征服 準1級」「漢検 漢字辞典」「漢検 四字熟語辞典」を購入し、2級と並行して準1級の勉強を始めました。

挑戦記 その2

2013-04-23 06:32:31 | 挑戦記
 2級は常用漢字だけが出題範囲(正確には人名用漢字の読みも2級の範囲ですが、実際にはほとんど出題されません。)ですので、試験でも「見たこともない字」というのは出てきません。実際、特に読み問題に関しては、例えば「会釈(えしゃく)」「煩雑(はんざつ)」「督促(とくそく)」といった感じで、新聞や小説、ビジネス文書などを普通に読める社会人であれば、それほど難しくはないのです。

 ところが、購入した「本試験型」の問題集の第1回をやってみたところ、得点は200点満点中135点でした。2級の試験の合格点は155点ないし160点ですので、合格に20~25点も足りないということになります。なぜこんなことになるかというと、2級の試験の場合、200点の配点は次のようになっています。

①読み 30 ②部首 10 ③熟語の構成 20 ④四字熟語(書取) 20
⑤四字熟語(意味) 10 ⑥対義語・類義語 20 ⑦同音異義語 20 ⑧誤字訂正 10
⑨送り仮名 10 ⑩書き取り 50

 つまり、読み問題の配点が200点中30点分しかなく、逆に広い意味での書き取り問題が上記④および⑥~⑩で合計130点分あるのです。漢字は「読めるけど書けない」ということが良くあると思いますが、漢検に関してはそれではやはりダメなのですね。またそれに加えて、配点は10点と少ないですが、部首問題が非常に難しいのです。漢字全体から言えば、部首というのは「『体』は『にんべん』」みたいに一目瞭然のものが多いのですが、もちろんこんなものはあまり出題されず、出題されるのは例えば「亜」とか「喪」とかいった字です(正解はそれぞれ「二」と「口」)。こんなのは理屈ではわからず、とにかく●●の部首は●●と覚えるしかありませんよね。

 そんなわけで、1級が目標と思いながら準1級も難しく、一歩引いて始めたつもりの2級もこんなありさまで、「漢検手強し」を痛感しました。

 それからは、もう小中学生が漢字のテストに向けてとにかく何度も書いて覚えるのとまったく変わりません。専用のノートを一冊作って、問題集をやりながら間違えた問題は繰り返し書いて覚える、ということをひたすら続けて行きました。

挑戦記 その1

2013-04-22 20:25:58 | 挑戦記
 漢検のことは、前々から知ってはいましたが、本気で受検する気になった直接のきっかけは前に書いた通り、「Qさま」というテレビ番組です。もともと漢検的問題も含めたクイズ番組でしたが、2008年から2009年にかけて、出演している芸能人が漢検に挑戦する企画が実施されました。最終的に宮崎美子さんが1級に合格して番組も盛り上がりましたので、ご存じの方も多いかと思います。

 その番組の中で、京大卒でインテリ芸人として有名な宇治原史規さんが参加者の一人だったのですが、彼がなんと2回挑戦して2回とも不合格だったんです。ちなみに得点は1回目132点、2回目146点。そしてその次の回、宮崎美子さんが挑戦しましたが、これまた151点で惜しくも不合格。(不合格と言っても、初受験での宇治原さんの132点、宮崎さんの151点は、どちらも相当な高得点だと思います。)
 これを見て、もともと「資格試験好き」の私の心に火がつきました。上記の宮崎美子さん不合格の回の放送が2009年3月。そこから少し間をおいて、6月から本格的に勉強を始めました。

 最初に、受検級を決めなければなりません。番組での様子からは、やはり初めから1級というのは無理があると思い、準1級からかな、と当たりをつけて書店で問題集を立ち読みしたのですが、なんと準1級でも、いきなりでは半分もわからないということが判明しました。普段、新聞や書籍を読んでいてもさほど知らない漢字や熟語に出くわすこともなく、漢字の読み書きや四字熟語の知識には多少自信もあったので、準1級でも半分もできないというのは、少々ショックでした。

 ちなみに、準1級の問題というのは、例えばこんな感じです。
<読み>
1.「堆朱」の椀を揃えた。
2.筏(いかだ)を組み「急灘」を乗り越えた。
3.神社の「禰宜」となった。
<書き>
4.事の「テンマツ」を報告する。
5.お互いに手の内は「チシツ」している。
6.化膿止めの「ナンコウ」を塗った。
<正解>
1.ついしゅ 2.きゅうだん 3.ねぎ 4.顚末 5.知悉 6.軟膏

 さらに参考までに、2級、準1級、1級の出題範囲は以下になります。
2級:全常用漢字1,945字(当時の字数。その後、常用漢字は改定され、現在では2,136字になっています。)
準1級:JIS第1水準漢字集合2,965字(常用漢字1,945字を含む)
1級:準1級の範囲+JIS第2水準漢字集合3,390字=計6,355字

 しかし、ショックだと言っていても始まりませんし、これが現実なのですから、ここは一歩引いて2級から始めることにし、漢検挑戦者のブログなどで評判の良かった成美堂出版社の「本試験型 漢字検定2級問題集 '10年版」を購入し、勉強を始めました。

挑戦記を書いてみます

2013-04-22 06:05:23 | 挑戦記
 何日か前に、私が漢検に取り組むきっかけとなったのは「Qさま」というテレビ番組だということを書きましたが、そのことも含めて、そこから1級に初めて合格するまでの道のりを振り返ってみたいと思います。少しは、これから取り組む方の参考になる部分もあるかと思いますので、お付き合いください。

 私が漢検に向けた勉強に具体的に取り組み始めたのは2009年の6月でした。公開会場での漢検は年に3回ですが、2009年11月の試験で2級と準1級を同時受検で無事、両方合格。引き続き1級の勉強を始めましたがこれが予想以上に手ごわく、2010年2月の試験は準備が終わらずに受検見送り。次の2010年6月の試験では、一応一通りの準備を終えたつもりで受検しましたが、まったく歯が立たずに玉砕。(200点満点で116点でした。合格点の160点に遠く及ばず。)

 ショックも冷めない中、ちょうどその頃から英語を勉強しなければならない状況になったこともあって2010年11月の試験は受検見送り。その11月の終わりに英語の方が一段落したので12月から本格的に取り組みを再開。2011年2月の試験でようやく念願の1級に合格できました。(ちなみに163点と、まさに「ギリギリ」 ^^;)。

 勉強を始めてから1級に合格するまでの約1年と8カ月、特に1級に取り組んでからは、大学受験の時よりも勉強したのではないかと思えるほど(!)にのめり込んでしまいました。そのせいか終わってからも余韻が冷めることはなく、多少のブランクはありつつも今もなお勉強を続けていて、ついにはこんなブログまで始めてしまいました。
 
 さて、前置きはこれくらいにして、ぽつぽつと書いていきたいと思います。