Jリーグ・ディビジョン1 1stステージ 第14節
2015年5月30日(土)19:00キックオフ
ベストアメニティスタジアム(SKY)
サガン鳥栖 1 - 6 浦和レッズ
興梠
武藤 李
宇賀神 阿部 柏木 関根
槙野 那須 森脇
西川
一人少なくなったために、選択肢が絞られて迷いがなくなる。それによってチームの方向性が明確になる。これはよくあることだ。前半の鳥栖はまさにそんな感じだった。水沼のFKは文句なく素晴らしかったけど、それ以上に得点した時間が絶妙であった。チームとサポーターに勇気がよみがえった。プレスが早くハードワークを惜しまない。そういう鳥栖のスタイルに拍車がかかった。しかし、ここで浮足立たないのが、今シーズンの浦和である。
後半に入ると、いつものパス回しでテンポを整えていく。自分たちのペースを自分たちで作り出せるのは、やはり大した成長であると思う。そして、90分間で負けなければ良いという余裕が、選手に安定感をもたらしている。特に、柏木君の逆転ゴールは見事であった。ストラーカーに頼らないチーム作りにあって、お手本のような崩し方。パス、パス、パス、最後もゴールにパス。
もう良いだろうと思わないこともないが、昨年のうっぷんを晴らすにはまだまだ足りないとばかりに、終盤攻撃のパーツを交換してくる浦和。それがまたことごとく結果に結びつく。最後はシュート練習のようになって6得点の快勝で雪辱戦の幕は閉じた。完膚なきまでに叩く。まさにそんな試合であった。
森下監督もコメントしていたように、鳥栖の選手は最後の最後まで戦い抜いた。その姿勢は称賛に値する。それでも、選手層の厚さを見せつけて、勝利したのは浦和だった。これが現実なのだ。そういうシビアな光景をどのような感情を持って眺めるのか。人それぞれの価値観が浮き彫りにされる。それもまたサッカー観戦の醍醐味である。