体調不良のため部屋に引きこもっていた週末、歩いて病院に行こうとしたら、道路沿いの理髪店に安売りの看板が出ていた。今日び、医者&クスリも通い続けるとかなりの負担だ。安さに惹かれて、帰りがけふらりと立ち寄った。
店主一人に椅子二つ、の典型的な街の床屋さん。値段はカットのみ週末1250円。
2年前からその値段にしたのだという。以前は手広くやっていたが、二年前息子さんも使用人もよそにいってもらって、一人でやる低料金の店、にリニューアルしたのだそうだ。
親父さんによると、近所に出来たディスカウント理髪店も、「たぶん赤字じゃないの?」
結局根本的に、食えない。今年の市内の理美容学校の生徒数はなんとゼロ、だそうだ。個人でやっている高齢者の経営する理髪店も、今後数年で廃業が相次ぐだろう、とも。
今年の夏前に旅行したときの、弘前の喫茶店のマスターの呟きがよみがえる。
「後10年は弘前の農業も保つだろうけど、20年後は農業を支えている老人がいなくなるからね」
理髪店は、実質1/3ぐらいまで単価が下がっている。
「おれは昔のお客さんもいるからこうやって続けられるけど、これから新規投資をしては、とうてい回収できないだろう」
とも親父さんは言っていた。
「サラリーマンは早期退職すればまだ何年分かもらえるからいいよね」そういって送り出してくれた。
降っていた小雨はもう止んでいたけれど、気持ちは晴れなかった。
店主一人に椅子二つ、の典型的な街の床屋さん。値段はカットのみ週末1250円。
2年前からその値段にしたのだという。以前は手広くやっていたが、二年前息子さんも使用人もよそにいってもらって、一人でやる低料金の店、にリニューアルしたのだそうだ。
親父さんによると、近所に出来たディスカウント理髪店も、「たぶん赤字じゃないの?」
結局根本的に、食えない。今年の市内の理美容学校の生徒数はなんとゼロ、だそうだ。個人でやっている高齢者の経営する理髪店も、今後数年で廃業が相次ぐだろう、とも。
今年の夏前に旅行したときの、弘前の喫茶店のマスターの呟きがよみがえる。
「後10年は弘前の農業も保つだろうけど、20年後は農業を支えている老人がいなくなるからね」
理髪店は、実質1/3ぐらいまで単価が下がっている。
「おれは昔のお客さんもいるからこうやって続けられるけど、これから新規投資をしては、とうてい回収できないだろう」
とも親父さんは言っていた。
「サラリーマンは早期退職すればまだ何年分かもらえるからいいよね」そういって送り出してくれた。
降っていた小雨はもう止んでいたけれど、気持ちは晴れなかった。