龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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中動態の世界(4)國分功一郎の面白さ。

2014年07月30日 15時13分22秒 | 大震災の中で
精神看護という医学雑誌に連載されている『中動態の世界』という論文が4回目を迎えた。
いよいよ面白いが、ちょっと難しくなっても来た。

リード文からちょっとだけ引用すると、
(引用開始)
中動態とい文法を切り口に私たちの思考が何に制約されているかを探るこの連載、今回はそもそも「言語と思考って関係あんの?」
という問題に深く立ち入ります。
登場するのは哲学者デリダ。
なんと今まで依拠してきた言語学者バンヴェニストを悪しざまに批判します。
(引用終了)

國分先生は、デリダが批判する、

「バンヴェニストは思考を言語に還元してしまっているじゃん」

という指摘に対して、

「そうじゃない、バンヴェニストは、言語は思考を規定するのではなく、思考の可能性を規定するっていってんだよ」

とデリダのバンヴェニスト批判を批判的に検討するって展開です。

相変わらず「へえー、そうなんだぁ」と感心しながら読んでるだけですが、とにかく面白い!

その面白さは、基本的に國分先生の叙述が極めて明晰だから、ってのがあるんだけど、その明晰さが、テキスト読解のライブ中継をしつつなおも失われない、という事実に、人はもうちょっと注意深くそしてもうちょっと感激しながら読んでもいいんじゃないかな。

佳境に入ってきました。
次がさらに楽しみです。