龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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國分さん「ハンナ・アレントと哲学」③

2019年09月10日 09時41分37秒 | メディア日記
次にイントロの最後として國分さんが触れたのは、アレントの生い立ちだった。
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そんなこと知ってるよ、という方も多いと思います。しかしここは重要な点と関わってきます。

1906年ドイツ生まれ。ユダヤ人中産階級。父はギリシャ語やラテン語の本を持っていた。富裕な家だった。彼女は幼少よりギリシャ好き。
驚くべきことに14才で哲学を志す。すごくないですか?
1920年代のドイツは新カント派→現象学の時代。
アレントはハイデガー、ヤスパースに師事し、フッサールの講義も受けている。豪華なラインナップ!
まだ主だった著作を書く前のハイデガーをリサーチして、その大学を選んでいる!
彼女は終生カイデガーを(明示的には?)批判していない。関係は単純ではない。
ちなみにベンヤミンとも面識があった。「暗い時代の人々」で、ベンヤミンはいつも暗い所へ行く人だ、といった意味のことをいっている。

ちなみにわたしがパリに留学したとき、師事したバリバール先生に
「功一郎君は遅れてきた。生きているのはデリダだけだよ」
と言われた。アレントはそういう意味ではすごい時代をくぐり抜けてきた。

また、アレントは常に母語であるドイツ語を大事にしていた。著作は英語で書いたが、いつも知人にチェックしてもらっていた。
最後まで英語は彼女にとってどこかぎこちないものではなかったか。

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さて、國分さんがここからどんな「重要な点」を考えていくのか、それは第1回(今回)では明らかにされていません。これからの楽しみ、ということになりましょうか。
彼女にとっての「哲学」、ハイデガーとの関係、私的領域と公的領域の関係など、いくつかポイントは考えられるが、展開が楽しみ。

以上でイントロは終わり。
次は哲学と政治の関係について。三田のアレント学会で発表された論文の内容を踏まえたお話に。

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