去年ビデオ録画していて、評判も良かったのに、第1回だけ撮り逃しをしてしまったため、そのまま未見で一年過ぎてしまっていたのだが、今回U-NEXTで配信があったので(無料期間ぎりぎりで)昨晩イッキ見をした。
いやー、泣いた。
ケビン・コスナーの
『フィールド・オブ・ドリームズ』
がかつて男の子だった中年の男の夢物語だとするなら、『その女、ジルバ』は、いつの時代でも、その時代の女であるよりほかにない女が見る中年の女の(クドい)見る夢のリアルがてんこ盛りに詰まっている。
まあ、とにかく観るべし。
自分の生きる時代の波に翻弄されつつ、その波の中で生きるリアルをこれほどテレビドラマのエンタテインメントで描ききるとは。
女性必見、福島県民必見、描かれていないけれど、福島県の浜通りの人々が受けてきた棄民の歴史にも(ちょっとだけ)触れつつ、声高な復興など無縁な、生きてコトバを取り戻す小さなプロセスが積み重ねられている。
原作の漫画を友人から勧められて読み、号泣した記憶がかすかにのこっている。
今回もイッキ見するうち何度か泣いた。
びっくりしたのは、
映画『ジョゼと虎と魚たち』で原作:田辺聖子/監督:犬童一心/脚本:渡辺あや/主演:池脇千鶴(2003年のほう)
で観て以来の池脇千鶴がお目当てだったのに、実際に観てみると同僚役の江口のり子やママ役の草笛光子、それに品川徹などの脇役を観ている愉しいことといったらなかった。
40歳を迎えた独身女性の葛藤と再生というテレビドラマの軸はぶらさずに、こんな職場ある、というリアリティだけでなく、こんなオールドバーがあったらいいのに、と思わせる作品の力、役者の力は秀逸だ。
江口のり子も追っかけてみたくなった。
もちろん、池脇千鶴の「おばさん」役は驚異的。それあってこそ、全てが成立しているのだろう。
若いイケメンの俳優や可愛い女優が完全に徹底的に脇役なのも爽快だ。
唐突に、
『デブラウィンガーを探して』(ドキュメンタリー)
を思い出した。
20年経って、日本のドラマにはこんな作品が生まれましたよ、と言ってみたくなる、そんな素敵な作品を、一年間もほったらかしにしていたことを懺悔。
そういう意味では出会いをもたらしてくれるサブスク、恐るべしだ。
ちょっとでもアンテナに引っかかったら、ぜひ。損はさせません(払い戻しはしないけれど)。