風月庵だより

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三つ児の魂百までも

2007-04-08 23:00:23 | Weblog
4月8日(日)晴れ【三つ児の魂百までも】

今日はお釈迦様の生誕の日とされている。あちこちのお寺で、花祭りが催されていることであろう。幼い子供たちは、あまり深い意味は分からなくても、小さなお仏像に甘茶をかけたことは、長じても覚えているのではなかろうか。

さて、今日お伺いしたお家の法事で、感心してしまったことがある。その家の人々と共に法事のお勤めをすませて、法話をさせて貰う前に、皆さんにご挨拶をしたところ、3才になるという坊やが、合掌してご挨拶を返してくれた。他の人々は頭をさげただけであったので、坊やだけが、合掌低頭してくれたことになる。

後で聞いたところ、お寺の付囑の保育園に通っているのだという。私が仏名をお唱えしているときも、一緒に「ナムー(南無)、ナムー(南無)」とお唱えしてくれていたのだという。

深い意味は分からなくても、反射的に仕草で表されるほど、日常生活から身に付いている合掌や南無のお唱えごとは、素晴らしく熏習されていると言えるだろう。坊やの人生にもきっとよい影響があるのではなかろうか、と将来のことまで考えてしまう。しかしまだ分からない将来のことよりも、現に今、坊やには合掌する素直な心がある。そしてその坊やの姿を見て、周りの大人たちがどんなにか清々しい波動を貰ったことだろうか。

仏教に限らず、幼い子どもの手を合わせる姿ほど、美しい姿はないとさえ言えよう。まさに三歳の時の、この姿、百歳までも持ち続けて欲しい。三つ児の魂百までも。