風月庵だより

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高校生との道での語らい

2007-04-21 23:26:01 | Weblog
4月21日(土)晴れ【高校生との道での語らい】

今日は高校の同期会があり、新宿に出かけてきた。還暦になった記念の会である。歳をとるほどに若い時の友人達と会うことは面白くなる。今日はその話を書くよりも、新宿の道で出会った高校生たちとのちょっとしたふれあいを、一言書いておきたい。

私が歩いていく前を6、7人の高校生が横一列に歩いていた。その中の一人が私に気づいて道を空けてくれた。「ありがとう」と挨拶をすると、人なつこそうに「どこに行くんですか」と聞いてきた。「高校の同期会にいくの」還暦記念の集まりなのよ、と付け加えた。

「どこの高校ですか」と尋ねられたので、出身校の名を言い、彼らの高校も尋ね返した。「X大付嘱のY高校です」と一人が答えてくれた。「有名な高校ね」と私が言ったら、X大ですから、と卑下するように言うので、「よい大学よ。誇りを持ってよ」と私は言った。大学のランク付けの愚かしさに、彼等が毒されることはあまりに惜しい。「自分たちの大学を、よい大学にするのは、君たち自身なのよ」と私は言った。

「あの聞いていいですか」横断歩道を渡りながら、一人が言った。何?とその声の子の方に顔を向けると、「いつお坊さんになったんですか」との質問。「35歳よ」と答えると、「25年間やってるんですか。結構長いですね」などとコメントをつけてくれた。

こうして気楽に話しかけてくれる高校生は、割合に少ないかもしれない。こんな風に話す縁は一度かもしれない。別れ際に何か言いたいのが、お節介おばさんの私であるから、思いついた言葉を言った。それはよい人生とは、についての一言メッセージ。

高校生達は、復唱してくれた。そして「有り難う」と言ってくれた。なんと言ったかは内緒です。照れますので。彼等達へのメッセージとさせてください。しかし、年長者が若者たちに何かメッセージを残して、消えていけたらいいな、と私は思っている。

本当に一期一会の縁かもしれないが、素直に反応してくれる彼等に会えて嬉しかった。彼等の歳と同じ、高校生時代に出会った、それこそ四十年以上昔に知り合った、友人達との会に向かう道での、ほんのひとときのふれあいの話でした。

*「よい人生」という表現は、善悪の二元に分別するので、禅の立場からは過ちではなかろうか、とご心配下さる人もあるかもしれません。「よい人生」とはの後に続くメセージは、分別をしない世界の話ですのでご安心下さい。分かりづらいよりも、高校生に理解しやすいほうの表現を大事にしました。