風月庵だより

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印仏学会

2008-09-07 07:35:40 | Weblog
9月7日(日)曇り【印仏学会】(愛知学院大学の坐禅堂)

9月4日と5日の二日間、名古屋の愛知学院大学で、日本印度学仏教学会が開催された。今回で59回になる。

発表者は250名ほどであった。それぞれ日頃の研究の成果を、20分に凝縮しての発表なので、研究のエッセンスの発露がこの学会にあると言える。

仏教の学問的な研究と、仏教の信仰の同時進行ができると、仏教は盤石な感じがする。しかし、多くの学者の方々は、信仰の面は少ないのではなかろうか。学問的な方面からの仏教へのアプローチをすると、どうしても信仰は別物となる感じがある。

また信仰だけでも、自らの信仰を深めるには充分ではないようなこともあると思う。釈尊が説かれたことは、本当に何であったのか、学問的な面から探っている人々の話を聞かせて貰うことによって深まるものがあると、いつも法友F博士の話を聞いていて実感している。

今回も韓国の法友陳本覺法尼は、『華厳経』に関する発表をされた。「『華厳経』の光明の解釈における李通玄の特徴」という題の発表である。本覺法尼は『華厳教』で学位を取得しているので、さらに細かく『華厳経』についての研究を深めている。韓国の禅宗(曹渓宗)が基本としている経典は『華厳経』なので、それは日本の禅宗とは違う点である。

所依の経典が明確であることは、信仰を深める助けとしても、重要なことであろう。天台宗なら『法華経』、真言宗は『大日経』、浄土宗なら『浄土三部経』、日蓮宗は『法華経』、曹洞宗は坐禅が全てなので、所依の経典は持たない。しかし、『法華経』も『般若経』も大事にはしている。

さて、今回の会場である愛知学院大学は、名古屋の郊外の広大な敷地に、建物の点在するという立派な佇まいであった。勿論樹木に囲まれている。これらの樹木も植樹したものだという。その中に瓦屋根の風情ある建物が見えたので、お聞きしたところ坐禅堂だという。曹洞宗の僧である私としては、お昼休みに坐禅堂で坐禅をさせていただいた。坐禅なくして曹洞宗の僧侶ではありえないので。

箇箇の発表について、ご紹介したいところであるが、このくらいにて。