風月庵だより

猫関連の記事、老老介護の記事、仏教の学び等の記事

『南ポルトガルの笑う犬』その2

2009-06-15 21:51:39 | Weblog
6月15日(月)曇り【『南ポルトガルの笑う犬』その2】(帯:外国で暮らすことの孤独と清新さと/劇団・天井桟敷出身の著者が、ポルトガルでさまざまな人と犬に出会い、その味わい深い日々を綴った珠玉のエッセイ


皆さんにお薦めの本です。内容は、お読みになる人の楽しみを奪うといけませんので、目次のみご紹介いたしましょう。

1 プロローグ
2 バスコ・ダ・ガマ通り四十四番地
3 九十六歳のニューヨーク魂
4 この国の幸せの音
5 笑う犬のいる町へ
6 カベッサ伝説
7 フランス女の絹の下着
8 ウィーン男の贅沢な憂鬱
9 森の妖精
10 イボンヌの秘密の仕事
11 忍者のフェジョアーダ
12 カフェ・シャミネ
13 ロンドンに帰った女
14 遊び上手、遊ばせ上手
15 スイスからの絵葉書
16 ポルトガルの幸福のかけら
あとがき

世界各国で暮らしてきた著者が、行き着いたポルトガルでのちょっと楽しくそしてせつなく、ちょっと青目さんならではの贅沢な時の過ごし方、でもそこにいたるまでの孤独を充分に味わったからこそわかる哀愁の流れる、なんだかとてもいろんなことの一杯つまったエッセイ集です。ワインでも飲みながら読むのがあっているかもしれませんが、私は無粋に薬茶を片手に笑ったり、感心したり、涙ぐんだりしてこの一冊を読み終えました。

私は特に13と15のお話が印象に残りました。
青目海さんという著者と三十年以上も前の若い頃、一緒に遊んだことがあったような気がします。それぞれの人生のほんの一時の出会いでしたが、私にはセピア色の懐かしい一こまです。そんな思いのある人の書かれたエッセイを通して、その人の人生を垣間見させてもらいました。どうぞ皆さんも異国ポルトガルの情緒を味わってみてください。青目さんの感性を通して、世界が広がる感じがすること請け合いです。

書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)、定価1300円。
ご自分では、もう本を買うのは止めようと思っている方は、近所の図書館に希望図書として申し込んではいかがでしょうか。とにかくお読みになるチャンスを逃しませんように。