風月庵だより

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古井戸を埋める撥遣

2021-06-10 18:02:54 | Weblog

6月10日(木)晴れ、暑いです【古井戸を埋める撥遣】

檀家さんが家を解体するので、おはらいをしてほしい、という依頼がありました。家の解体だけではなく、古井戸を埋めること、敷地の木々を全て切り倒すので、その供養、さらにお仏壇も家に備え付けられているので、使えなくなるのでなんとかしてほしい、という話です。

老僧がいてくだされば、いろいろと教えて頂けるのですが、嗣法の折に書き写しました切り紙の中にも、それらについては書かれていません。

やはり杉本俊龍老師の『龍華』がこんな時には、頼りになります。ここに書かれていることを基本にして、自分なりに「啓白文」をそれぞれに書き上げました。

大切なことは、江戸時代から続くその家の歴史を切り替えて、子孫が新しいことにチャレンジすることにあたり、解体や伐採や井戸を埋めることを許諾していただき、お見守りいただきたい旨をお分かり頂くことであろうかと思いました。

『楞厳呪』の読誦も書いてありますので、『楞厳呪』を久しぶりに手に取りました。あちこちに書き込みがあります。僧堂修行時代に、学んだことを思い出しました。

広い敷地一杯に植えられた樹木に話しかけたり、何棟にも点在している建物の歴史を共に話しながら、感謝報恩の供養をさせて頂きました。

全て終えるまでに3時間かかりましたが、当主の檀家さんに禍が無いように、さらに新しい試みがうまくいきますようにと、願いをこめました。私の目から見ると、とても人が好い感じの青年なので、どうなるか心配があります。どうか、騙されませんようにと、祈るばかりです。

(紅枝垂れ紅葉を代表で、お寺に移植しました。すべての木々を伐採してしまいますので、なんとかこの木だけでも根づいくれますように。今は移植には不適な時期ですが、植木屋さんも祈る気持ちで移植してくださいました。)