6月15日(火)晴れ【頑固おやじを送る】
今日は仲良しの檀家さんを見送りました。新しいお檀家さんですが、お互いに言いたいことを言い合って、楽しい人でした。歯に衣を着せない人でした。私のほうも、私の言うことをわかってもらえないときには、「この頑固おやじ」とか言って、楽しんでいました。
ご家族も、彼の言いたい放題をよく聞いてくれて、本当にご家族に恵まれた一生だったと思います。引導法語の中にも「家族の理解のもとで、実に悠々とした一生をおくることができ、幸せな人生だったといえましょう」と読みこみました。
奥様も、いつも言いたい放題を言われていた息子さんも、可愛がられた娘さんも、それこそ可愛がられたお孫さんの二人も最後まで泣き止まず、特に社会人になった孫の男の子は、ずっと泣き続けの涙で御祖父ちゃんをいかに慕っているか、を教えてくれました。
頑固おやじも、向こう側で「泣くな!」と言いながら、別れを惜しんでいたと想像に難くありません。こんなに家族に愛されて、旅立つことができてよかったです。
恋愛結婚で結ばれた奥様に、「またこのご主人と結婚したいですか」と野暮な質問をお棺の傍でいたしましたら、「はい」としっかりと伝えていました。
コロナ禍でご家族だけのご葬儀ですが、終始あったかいお見送りができて、本当に良かったと思います。
思いがけない趣味を知りましたが、変体仮名の美しい筆字で、ご自作の和歌が数首書かれた短冊が飾られていました。筆字は定年後に独学で学ばれたのだそうですし、和歌も定年後にサークルで学んだのだそうです。
私は頑固おやじのこのような面は全く知りませんでした。が、引導法語の最後になぜか「風流に富めり」という漢詩を読みこんで送りました。ピタリでしたね。菩提寺の和尚と檀家さんとやはり、なにか不思議なつながりを感じました。また会いましょう。
(彼の作品です。)
*母背負い内子の町を巡り観て和蝋燭買いし彼の日忘れじ
*ひよどりの子育て終わり静かなる梅雨の晴れ間にトマト色ずく
*花冷えに心地よきかな春炬燵昼ドラ見つつうたた寝の妻
*梅雨寒を半纏はおりまどろめば雀の巣立ちか親のさわがし