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『台湾の少年』抑圧の歴史

2022-10-26 15:45:31 | Weblog

10月26日(水)晴れ【台湾の少年】

今日は気持ちのよい清々しい空気の日です。久々のよい天気です。昨日12時夜遅くまで、焼香師の折の集合写真を、送るために添付する手紙書きなど諸々の作業をしました。そして、郵便局に投函に行きました。

晴れて、これで焼香師に関するほとんどの仕事は終わりです。2,3件は、ゆっくり出してもよいものばかりなので、ルンルンの気持ちにて積ん読の中から一冊を手にしました。『台湾の少年』1「統治時代生まれ」、2「収容所島の十年」(岩波書店 游珮芸 周見信マンガ 倉元知明 訳 2020)

習近平が、躍起になって台湾を侵略したがっていますが、台湾は台湾国でよいのではなかろうか、中国は十分に領土もあり、いや、ありすぎるのだから、その領土内をきちんと統治すればよいのではないか、と私は思っています。

台湾は、第二次世界大戦のあと、蒋介石が大陸から入ってきて、かなりの反共政策をとりますが、その犠牲になった蔡焜霖少年が主人公です。

学業優秀な焜霖少年は、台中一中に入学し、教育者になることを夢見ていたのです。終戦後、日本の統治時代は終わりましたが、1949年10月中国共産党により中華人民共和国が、建国され、反共思想の蒋介石が台湾に入り、中華民国政府が樹立されます。

焜霖は役場の事務員として、平穏に働いていたのですが、ある日突然憲兵に連行されてしまいます。

中学時代に、読書会に入っていたことが、共産思想の勉強会と決めつけられたのです。全く身に覚えのない容疑で、理不尽にも、懲役10年の刑を宣告されてしまいます。

台湾島の東に位置する緑島に送り込まれ、10年の服役をすることになってしまいました。少しでも共産主義とかかわりを持ったことのある政治犯は、台北に戻され処刑されてしまったようです。

今、台湾は民主的な国(あえて国と表現します)として、理解していますが、今に至るまでには、かなり理不尽なことをした歴史もあるのですね。

「白色テロ」と言われるようです。政府に異議を唱える人々を抑圧し、共産主義及び左翼思想へのかなり暴力的抑圧を、このように呼んでいるそうです。

今ではようやく台湾の反共政策は落ち着いてきているのではないでしょうか。国内に共産党のスパイが入り込んでいないとは言えませんが、自国内の自国民は白色テロを乗り越えて、国民がこぞって反共で結ばれているのではないでしょうか。日本にもかつてアカ狩りということがありました。

やはり他国のことは、あまりよく知らない歴史があります。台湾の今の平穏な状態が保たれますようにと、祈らずにはおれませんが、中国からの侵略戦争がいつあるかわかりませんので、軍備を増強せざるをえないでしょう。

中国共産党は、今でも文化人の抑圧や殺害を平気でしているようですし、自国内だけではなく、世界中に「海外110番」のような組織的な警察という活動をしていて、知らない間に、すでに23万人くらいの海外に暮らしていた、もしくは留学していた中国人が、国に帰されて制裁を受けているようです。

阿古智子さんという東大教授は、中国の人権弁護士や、香港の民主派を支援なさっているようです。私もかつて、香港に一年ほど住んでいましたが、あの自由の空気が満ちていた、イギリス統治時代は、夢となり、いまや恐怖政治の都になってしまったようです。

日本にしても、この平穏無事な状態がいつまで続くかわかりません。平穏無事な御蔭で、当たり前のようにいろいろなことがなされています。

焼香師のお役も、この平穏無事な御蔭で無事につとめられてよかったです。

世界の平和を、ひたすらに祈ります。

 



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