2月18日(日)午後より雨上がる【奪われる日本】
「あれこれ随想記」のぜんさんのブログで紹介されていた『奪われる日本』(関岡英之著 講談社現代新書)を読んだ。この頃私も危惧していたことがあったのだが、この本を読んでその思いを強くした。
それは日本の経済がアメリカ資本に牛耳られる恐れである。なにを今更、と言われるかもしれない。今更はじまったことではないだろうが、この頃特にそれがひどいのではなかろうか。
私は特に保険商品について危惧している。テレビで盛んに「アリコ」とか「アメリカン・ホーム・ダイレクト」とか宣伝しているが、かなりの好条件をうたい文句にしているようだ。私以上に経済に疎い母でさえ、「こんなに宣伝ばかりしているけれど大丈夫かね」と心配している。
私の生活はなんの保証もないので、私が母より先に逝くことを心配して、母が受け取りの保険に入っている。その保険の一社が倒産してしまい、払い込んだ金額よりもかなり減額されて払い戻された。倒産したその保険会社はアメリカ資本の保険会社に買収されたのだが、払い戻されたお金で、新しい保険会社のドル建ての保険商品を買った。
その商品に7年間で30%の利子がつき、さらにドル安の時に日本円に換算したのでかなりの得になった。勿論先の損失も十分に補うことができたのである。
しかしなぜこのように「うまいこと」になったのだろう。私は疑問を持った。日本人に割のよい保険商品を売り込んで、日本人から多額のお金をかき集め、円高のときにドルに換え、アメリカでそのお金を運用し、また多くの利潤を生み、さらに円安のときに少ないドルで多額の日本円に取り替えて、どんどん利潤を生んでいくのではなかろうか。そして日本でアメリカ資本の保険会社はどんどん大きくなっていく。一方日本の保険会社はどんどん力を弱めるか、もしくは倒産していく。
マスコミにとっても大口のスポンサーなので、滅多なことは言えなくなるだろう。と、このように保険会社に注目しただけでも、危うい日本の経済の一面が見えるのではなかろうか。
日本の経済の成長には、アメリカの恩恵を受けていることも否定はしないけれども、属国になることは避けなくてはならない。この地球上の一国一国が独立した均衡を保ち、共存していくことが望ましいことなのは論議するまでもないことだろう。
しかし現在のように、政治が経済に引っ張られているような国の情勢はいかがなものであろうか。政治家の方々に毅然たる態度で日本の舵取りをしていただきたい。日本人一人一人に職があり、生活の糧が得られるように、舵取りをしていただきたい。この冬の寒空に、職を失い家を失う人の辛さに目を向けて貰いたい。経済の分からない門外漢ではあるが、私も日本の将来を本当に心配しているのである。そのうちに消えて無くなる人間ではあるが。
アサヒビールも乗っ取られないように、知恵を絞って頑張って貰いたい。そのような行為ができないように水際で自国の産業を守るのが、政治家の仕事なのではなかろうか。
*日本の現状を考えたとき、アメリカの軍事的なサポートなくして、この平和は果たして保てるか分からない。東南アジアの国々が政情不安であったり、生活が厳しいことをみると日本は恵まれているほうだろう。これにもアメリカのサポートの力が大きいことを認識する必要はあるだろう。だからといってアメリカの言いなりにならないためには、経済的に日本の経済は日本主導であることが、ぎりぎりの条件だろう。(アメリカ帝国主義反対の声ははるかに懐かしいが、現状認識を誤ってはならないだろう。)
関岡氏は『奪われる日本』の中で、私のような単純なことをいっているのではないが、日本の将来、日本人の将来のために、関岡氏の著書を一人でも多くの人に読んでいただきたいと思う。全てその通りなのかは私には分からない点もあるが、賢明なご訪問者の皆様に、判定はお任せしたい。郵政民営化もアメリカの差し金であったことが論じられている。
関岡氏の専門的な説をうまくご紹介できないので、目次の一部を書き添えておきたい。
第1部 検証「平成の大獄」-郵政、そして医療
第1章 郵政ーアメリカの狙いはなんだったのか
『年次改革要望書』が示す米国の圧力・簡易保険の廃止を米国は要求し続けた・(略)・医療保険にあたる第三分野は米国独占・(略)・竹中と郵政問題の最初の接点・(略)・次の主戦場は健康保険・(略)
第2章 『年次改革要望書』はどう始まったのか
国会答弁を一変させた竹中・(略)・「日米両首脳への報告書」の焦点は郵政民営化だった・(略)
第3章 前自民党議員たちはなぜ反対したのか
(略)・竹中法案を疑問視するうねり・小泉草裏の恐怖政治・(略)
第4章 医療ー世界がうらやむ皆保険をなぜぶっ壊すのか
(略)・真の悪役はアメリカの民間医療保険・(略)・「国民皆保険は日本の宝」・アメリカの第三の標的は日本の「共済」
第2部 節度も品格も無き時代ー小泉治世の総括
第5章 M&A推進派はなぜ「日本」を売りたがるのか
「外資による日本企業乗っ取り」の解禁・(略)
第6章 悪徳業者はなぜ世に蔓延るようになったのか
一九九八年から「官から民へ」を導入・(略)
第7章 談合はいつから犯罪になったのか
(略)・談合は伝統的商習慣、日本人の知恵・マスメディアは「談合は犯罪だ」とわめくばかり
第8章 あなたはほんとうに訴訟社会を望んでいるのか
企業や国民も辟易する米国弁護士・(略)
第9章 日本政府は米国になにを「要望」しているか
(略)・「明らかな二重基準」に日本は反発・(略)
第3部 皇室の伝統をまもれ
第10章 万世一系をなぜまもるのか
(略)
第11章 こどもたちは知りたがっている
(略)
「あれこれ随想記」のぜんさんのブログで紹介されていた『奪われる日本』(関岡英之著 講談社現代新書)を読んだ。この頃私も危惧していたことがあったのだが、この本を読んでその思いを強くした。
それは日本の経済がアメリカ資本に牛耳られる恐れである。なにを今更、と言われるかもしれない。今更はじまったことではないだろうが、この頃特にそれがひどいのではなかろうか。
私は特に保険商品について危惧している。テレビで盛んに「アリコ」とか「アメリカン・ホーム・ダイレクト」とか宣伝しているが、かなりの好条件をうたい文句にしているようだ。私以上に経済に疎い母でさえ、「こんなに宣伝ばかりしているけれど大丈夫かね」と心配している。
私の生活はなんの保証もないので、私が母より先に逝くことを心配して、母が受け取りの保険に入っている。その保険の一社が倒産してしまい、払い込んだ金額よりもかなり減額されて払い戻された。倒産したその保険会社はアメリカ資本の保険会社に買収されたのだが、払い戻されたお金で、新しい保険会社のドル建ての保険商品を買った。
その商品に7年間で30%の利子がつき、さらにドル安の時に日本円に換算したのでかなりの得になった。勿論先の損失も十分に補うことができたのである。
しかしなぜこのように「うまいこと」になったのだろう。私は疑問を持った。日本人に割のよい保険商品を売り込んで、日本人から多額のお金をかき集め、円高のときにドルに換え、アメリカでそのお金を運用し、また多くの利潤を生み、さらに円安のときに少ないドルで多額の日本円に取り替えて、どんどん利潤を生んでいくのではなかろうか。そして日本でアメリカ資本の保険会社はどんどん大きくなっていく。一方日本の保険会社はどんどん力を弱めるか、もしくは倒産していく。
マスコミにとっても大口のスポンサーなので、滅多なことは言えなくなるだろう。と、このように保険会社に注目しただけでも、危うい日本の経済の一面が見えるのではなかろうか。
日本の経済の成長には、アメリカの恩恵を受けていることも否定はしないけれども、属国になることは避けなくてはならない。この地球上の一国一国が独立した均衡を保ち、共存していくことが望ましいことなのは論議するまでもないことだろう。
しかし現在のように、政治が経済に引っ張られているような国の情勢はいかがなものであろうか。政治家の方々に毅然たる態度で日本の舵取りをしていただきたい。日本人一人一人に職があり、生活の糧が得られるように、舵取りをしていただきたい。この冬の寒空に、職を失い家を失う人の辛さに目を向けて貰いたい。経済の分からない門外漢ではあるが、私も日本の将来を本当に心配しているのである。そのうちに消えて無くなる人間ではあるが。
アサヒビールも乗っ取られないように、知恵を絞って頑張って貰いたい。そのような行為ができないように水際で自国の産業を守るのが、政治家の仕事なのではなかろうか。
*日本の現状を考えたとき、アメリカの軍事的なサポートなくして、この平和は果たして保てるか分からない。東南アジアの国々が政情不安であったり、生活が厳しいことをみると日本は恵まれているほうだろう。これにもアメリカのサポートの力が大きいことを認識する必要はあるだろう。だからといってアメリカの言いなりにならないためには、経済的に日本の経済は日本主導であることが、ぎりぎりの条件だろう。(アメリカ帝国主義反対の声ははるかに懐かしいが、現状認識を誤ってはならないだろう。)
関岡氏は『奪われる日本』の中で、私のような単純なことをいっているのではないが、日本の将来、日本人の将来のために、関岡氏の著書を一人でも多くの人に読んでいただきたいと思う。全てその通りなのかは私には分からない点もあるが、賢明なご訪問者の皆様に、判定はお任せしたい。郵政民営化もアメリカの差し金であったことが論じられている。
関岡氏の専門的な説をうまくご紹介できないので、目次の一部を書き添えておきたい。
第1部 検証「平成の大獄」-郵政、そして医療
第1章 郵政ーアメリカの狙いはなんだったのか
『年次改革要望書』が示す米国の圧力・簡易保険の廃止を米国は要求し続けた・(略)・医療保険にあたる第三分野は米国独占・(略)・竹中と郵政問題の最初の接点・(略)・次の主戦場は健康保険・(略)
第2章 『年次改革要望書』はどう始まったのか
国会答弁を一変させた竹中・(略)・「日米両首脳への報告書」の焦点は郵政民営化だった・(略)
第3章 前自民党議員たちはなぜ反対したのか
(略)・竹中法案を疑問視するうねり・小泉草裏の恐怖政治・(略)
第4章 医療ー世界がうらやむ皆保険をなぜぶっ壊すのか
(略)・真の悪役はアメリカの民間医療保険・(略)・「国民皆保険は日本の宝」・アメリカの第三の標的は日本の「共済」
第2部 節度も品格も無き時代ー小泉治世の総括
第5章 M&A推進派はなぜ「日本」を売りたがるのか
「外資による日本企業乗っ取り」の解禁・(略)
第6章 悪徳業者はなぜ世に蔓延るようになったのか
一九九八年から「官から民へ」を導入・(略)
第7章 談合はいつから犯罪になったのか
(略)・談合は伝統的商習慣、日本人の知恵・マスメディアは「談合は犯罪だ」とわめくばかり
第8章 あなたはほんとうに訴訟社会を望んでいるのか
企業や国民も辟易する米国弁護士・(略)
第9章 日本政府は米国になにを「要望」しているか
(略)・「明らかな二重基準」に日本は反発・(略)
第3部 皇室の伝統をまもれ
第10章 万世一系をなぜまもるのか
(略)
第11章 こどもたちは知りたがっている
(略)
現状を無視してただ反対を叫ぶだけでは、説得力に欠けるでしょう。ある政治家はこの現状を踏まえ、やはり上手に手を組んでいこうとするでしょうし、ある政治家は完全にアメリカに尻尾を振ろうとするでしょうし、ある政治家はこれを振り払おうとするかも知れません。
またはこの現状を分析しないでただ反対を唱えるとしたら、その政治家は国を沈没させる政治家かもしれません。
しかしいくら分析ができ、現状把握ができたとしても、血の通っていない政治家や経済学者が舵取りをしたのでは、格差は益々広がり、さらにアメリカの属国になってしまうことをやむを得ないこととされてしまうかもしれませんね。
本書に書かれていることを読み、日本の行く末に心配しています。
中韓の問題もあり、アメリカに頼らなければいけない部分もありますが、そのために日本という国を売ってはならないと思います。
郵政民営化は、一番肝心なところが隠されたまま、「改革」という美名で押し切られた感じがしています。
その一番が保険だと言うことは、私でも理解できました。
ログに書かれているとおり、保険がアリコ等の外資系が伸びています。
日本人に有利さもありますが、見えない不利があるように思われてなりません。