60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

散歩(三浦海岸)

2012年01月13日 08時30分31秒 | 散歩(2)
                          三浦海岸 南方向

駅からの散歩

No.327       三浦海岸      1月8日 (日)

 年末年始と気ぜわしい日が続き、何時もの散歩が出来なかった。正月休みが終わった最初の日曜日、久々にどこかを歩いて見ようと思う。「去年はあまり海に行っていないなぁ~」、そう思うと無性に海が見たくなった。京浜急行で三浦海岸駅へ、駅を降りて6~7分も歩けば海岸に出る。海岸に出ると広い砂浜に2~3組の人しか見えない。空は薄く雲がかかり、時折り陽が射す天気である。以前来た時はここから海岸伝いに南方向に歩いた。今日は北方向へ歩いて見ようと思い歩きだす。砂浜に打ち寄せては引く波の音、海の臭い、どこまでも広い空、海辺は街ち中に暮らす私にとっては別世界である。そして海は癒しの世界のようにも感じるのである。それは生まれ育った下関と言う環境にあるのであろう。

 下関は本州最西端で九州に向って三角にとがった町である。西は響灘、東は瀬戸内海と海に挟まれている。物心付いた頃から、毎週のように父に連れられて港の岸壁に釣りに行っていた。夏は兄弟や友達と山陰線の海辺へ海水浴に行く。小学校こそ街中にあったが、中学校は響灘の見える高台にあった。毎日の通学は漁港の傍を通う。魚の臭い、空を舞うカラスやトンビ、漁船のエンジン音、製氷会社から直接船に大きなトイを使って氷を流す音、そんな空気がバックグランドであった。高校は中学とは反対の瀬戸内海側にあった。毎日路面電車で源平合戦で有名な壇ノ浦の傍を通った。対岸の九州の門司との狭い海峡は流れが速い。時々途中下車をして関門海峡を飽きずに眺めていた。流れに逆らって進む船は止まったように動けず、流れに乗った船は自動車のようなスピードで進む。大学も海の傍である。授業の中に遠泳があり、潜水があり、カッターボートや手漕ぎの和船の訓練もあった。東京に出てくるまでの20数年、私の間近には常に海があったのである。だからなのであろう、海を見るとホッとした懐かしさを感じるのである。

 昨年、東北の沿岸は大津波で甚大な災害を受けてしまった。身近に感じていた海が一転して、人々に襲いかかってきたわけである。地球規模からすると地溝のわずかなズレで海がゆれ、それが何時もより高い波となって海岸に打ち寄せただけである。しかし自然界からするとあまりにも小さな存在の我々人間にとっては、住いも生命をも飲みこんでしまうことになったのである。

 海に接するたびに思うことがある。それは圧倒的な大きさである。その水の量、その深さ、そしてそこから発せられるエネルギー量である。子供の頃海水浴に行ってわずかな波にも足を取られていた。風の強い日、岩に打ちつけられ高く波立つ様子をみて圧倒的な力を感じた。船で沖に出て陸地が遠く見えなくなると、その広さに不安を覚え、その底知れない深さに恐怖を感じたものである。船乗りの言葉に、「板子一枚下は地獄」というのがある。自分の乗っている舟と海とはたった一枚の板で仕切られているだけ、ということである。海岸線に住む人々にとっては風光明美で自然を満喫して暮らしているように思えても、海岸線の向こうは、時に地獄にもなり、人知も及ばず、抗うことも出来ない別世界なのである。だからこそ私は海岸線に立つと、大自然をダイレクトに感じて、その大きさに癒されるのである。

      
                          三浦海岸 北方向

      

      
                         三浦海岸は砂浜が広い

      
                         対岸は千葉県金谷方面

                  
                        砂には貝殻が混じっている

      
                     海岸にはズラリと大根が干してあった

      
              これは名物の「三浦大根」を使った沢庵作りの為に干している。
            大根の成育から収穫、天日干し、樽詰め、販売まで100%三浦産

                  

                  

      

                  

      

      

      

      

                  
                            タコつぼ

      
                       三浦市から横須賀市に入る
 
                  
                      海岸そばのケンタッキーで一服

      
                             津久井浜
  
      

      

      

      

      

      

      

      

      

      
                          高台にある熊野神社
              海岸から歩いて10分、津波が来ても走れば5分で避難できる

                  

      
                          市立 北下浦中学校

                  
                     学校の柵に海抜が表示されている

                     ここから京急長浜駅にでて帰る。