先日の新聞に「インフルエンザが都内で猛威、99年以降3番目の多さ」という記事があった。1月は親会社の社員が2人インフルエンザで休んでいる。その内の1人の社員は夫婦と子供4人の6人家族である。最初に3番目の息子が幼稚園で感染し、次に4番目にうつり、その次が本人、そして2番目1番上の子供と次々に感染していった。しかし不思議なことに常時家族全員と接触していた奥さんだけが罹らなかったそうである。
インフルエンザは細菌ではなくウイルスによる感染症である。ウイルスは生命体ではなく遺伝子そのものである。したがってウイルス自身では増殖することはない。空中を浮遊するウイルスが人の咽や鼻の粘膜に付着して、そこから人の細胞に入る。細胞に入るとその細胞内の遺伝子が書き換えられ増殖していくわけである。粘膜に付着して細胞内に入るのは約20分程度、そしてウイルスが1個侵入すると、8時間後には最低でも100個、16時間後には1万個以上、24時間後には100万~数千万個に増殖すと云われている。
インフルエンザの対策として「手洗い、うがい、マスク」と言われる。しかしこれは気休めで一種の「都市伝説」という話もある。手洗いの効果は付着したウイルスを洗い流すことなのだが、しかしウイルスも花粉と一緒で頭から着衣まで全身に付着する。これを手だけ洗い落としても全体の何十分の一かでほとんど対策にはならない。次がうがい、うがいをしても咽の粘膜までは届かないそうである。したがって咽の粘膜に付着したウイルスは洗い落とせない。それと呼吸は鼻でするから、咽ではなく鼻の粘膜に付着しやすい。効果があるとすれば鼻から水を通して口から出す「鼻うがい」である。それからマスク、ウイルスの大きさは1ミリの一万分の一前後の大きさで電子顕微鏡でなければ見えない。スギ花粉の約1/300の大きさである。スギ花粉をサッカーボールに例えればパチンコの玉か仁丹粒、到底サッカーネットのような花粉用マスクではとらえることはできない。市販されているN95というマスクは粒子径0.3μmの粒子の95%以上捕集でききるというものだが、しかしウイルスの大きさは約0.1μm、くしゃみなどの飛沫は捕らえてもウイルスは通してしまう。したがって感染者が他者にうつさないためには有効だが、ウイルスを防止できるものではない。あとは医療用にあるナノフィルターというマスクが0.03μm以上で有効だが、使い捨てで3枚入り1000円程度、なかなか使いきれるものではない。
学校や職場や通勤の中で大勢の人と接する以上、目に見えないウイルスを防ぐことはなかなか難しいことである。したがってウイルスは自分の中に取り込まれるという前提で考えたほうが良いように思う。最初に書いた家族のように同じ環境の中でインフルエンザに罹る人とそうでない人とがいる。これはあきらかに免疫力の差である。新聞などのニュースで病院内の集団感染で高齢者が亡くなったニュースがあるが、これは子供と高齢者は免疫力が弱いから感染しやすいわけである。しかし一般的な健康な成人であればインフルエンザを防御できるだけの免疫力は備わっているべきである。毎年のように風邪を引いたりインフルエンザに罹る人は基本的には自己免疫が弱い人で、やはり免疫力を鍛える必要があるように思うのである。
では免疫力アップはどうすれば良いのか?よく言われているのが、充分な睡眠をとる、ストレスをためない、そして食生活の改善がポイントで、特に腸の健康が重要だと言われている。腸には体内にある免疫細胞の約60%が集まっていて、人体で最大の免疫器官だそうである。食べたものから栄養を吸収し、不要なものを排出している腸は、生きていくための重要な器官であり、同時にウイルスや細菌にとっては、食物に紛れて最も侵入しやすい場所でもある。そのため腸では体内に吸収されないように、最大規模の免疫が働いている。 しかし、生活習慣で食事が偏り、腸内環境が悪くなっていれば、腸の免疫力も本来の力を発揮することができない。日ごろから腸の調子を整えておくことは、免疫力を強化しておくための重要なポイントのようである。
最近読んだ本で「脳はバカ、腸はかしこい」藤田紘一郎著というのがある。著者は東京医科歯科大学の名誉教授で、専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学の第一人者ということである。著書に「笑うカイチュウ」「清潔はビョーキだ」などあり、過去に何冊か読んだことがある。著者は自身の体内にサナダムシ(体長10m)を飼っているなど自分の主張を実践している人で、どの本を読んでも既存の常識にとらわれずユニークな学説を発表する学者である。その著者が言うにはギョウチュウ、カイチュウなど人体に寄生する寄生虫は、人と共生してる生物で害はないと言う。反対に戦後これを虫下しなどで駆除してきたから、アトピーや花粉症などのアレルギー症を引き起こす人が多くなってきたと言う。現に子供がはだしで歩き周り、汚い川で遊んで寄生虫を持っている東南アジアの人々には、アトピーや花粉症などのアレルギー症はなく、またうつ症のような気分障害も少ないと唱えている。
著者によると人間の腸には500種類以上、その数100兆個以上細菌が生息し、その重さは大腸に生息する細菌だけでも2kg近くと、驚くほどたくさんの細菌が存在していると言う。その腸内細菌がビタミンを合成し、そのビタミンがたんぱく質の分解産物によってセロトニンやドパーミンなどの脳内伝達物質を合成する。だから腸内細菌がバランスよく数多く存在しないと、セロトニンやドパーミンなどの脳内伝達物質が不足し、うつ状態になったりイライラしたりすることになる。不安や緊張によるストレスが腸内細菌のバランスを乱し、それによってさらに脳の不安と緊張を増強されるという脳と腸の相関ができているという。したがって健康な体は細菌や微生物や寄生虫などと調和した自然な生き方が必須であるという。人はそれを自己の脳の要求(好き嫌いや清潔感や稚拙な知識)のまま行動してしまい、そのバランスを壊してしまっていると書いている。
「水清ければ魚棲まず」のたとえではないが、「この世の中は雑菌だらけ」と思い、その中で生き抜いていくのだと自覚しておかなければいけないのだろう。免疫力の衰えた高齢者でもない限り、若いうちは大いに風邪やインフルエンザに罹り、それをクリアーしていくことで、自己免疫を鍛えておくべきだと思う。そしてそんな積み重ねが結果的には心身とも丈夫な体を作ることになるように思うのである。ちなみに私は洗面とトイレ意外は手は洗わないし、うがいもマスクもしない。若いときは必ず1年に2回は風邪で扁桃腺を腫らし学校や会社を休んでいたが、しかしこの25年間は風邪にもインフルエンザにも罹ったという記憶はない。
インフルエンザは細菌ではなくウイルスによる感染症である。ウイルスは生命体ではなく遺伝子そのものである。したがってウイルス自身では増殖することはない。空中を浮遊するウイルスが人の咽や鼻の粘膜に付着して、そこから人の細胞に入る。細胞に入るとその細胞内の遺伝子が書き換えられ増殖していくわけである。粘膜に付着して細胞内に入るのは約20分程度、そしてウイルスが1個侵入すると、8時間後には最低でも100個、16時間後には1万個以上、24時間後には100万~数千万個に増殖すと云われている。
インフルエンザの対策として「手洗い、うがい、マスク」と言われる。しかしこれは気休めで一種の「都市伝説」という話もある。手洗いの効果は付着したウイルスを洗い流すことなのだが、しかしウイルスも花粉と一緒で頭から着衣まで全身に付着する。これを手だけ洗い落としても全体の何十分の一かでほとんど対策にはならない。次がうがい、うがいをしても咽の粘膜までは届かないそうである。したがって咽の粘膜に付着したウイルスは洗い落とせない。それと呼吸は鼻でするから、咽ではなく鼻の粘膜に付着しやすい。効果があるとすれば鼻から水を通して口から出す「鼻うがい」である。それからマスク、ウイルスの大きさは1ミリの一万分の一前後の大きさで電子顕微鏡でなければ見えない。スギ花粉の約1/300の大きさである。スギ花粉をサッカーボールに例えればパチンコの玉か仁丹粒、到底サッカーネットのような花粉用マスクではとらえることはできない。市販されているN95というマスクは粒子径0.3μmの粒子の95%以上捕集でききるというものだが、しかしウイルスの大きさは約0.1μm、くしゃみなどの飛沫は捕らえてもウイルスは通してしまう。したがって感染者が他者にうつさないためには有効だが、ウイルスを防止できるものではない。あとは医療用にあるナノフィルターというマスクが0.03μm以上で有効だが、使い捨てで3枚入り1000円程度、なかなか使いきれるものではない。
学校や職場や通勤の中で大勢の人と接する以上、目に見えないウイルスを防ぐことはなかなか難しいことである。したがってウイルスは自分の中に取り込まれるという前提で考えたほうが良いように思う。最初に書いた家族のように同じ環境の中でインフルエンザに罹る人とそうでない人とがいる。これはあきらかに免疫力の差である。新聞などのニュースで病院内の集団感染で高齢者が亡くなったニュースがあるが、これは子供と高齢者は免疫力が弱いから感染しやすいわけである。しかし一般的な健康な成人であればインフルエンザを防御できるだけの免疫力は備わっているべきである。毎年のように風邪を引いたりインフルエンザに罹る人は基本的には自己免疫が弱い人で、やはり免疫力を鍛える必要があるように思うのである。
では免疫力アップはどうすれば良いのか?よく言われているのが、充分な睡眠をとる、ストレスをためない、そして食生活の改善がポイントで、特に腸の健康が重要だと言われている。腸には体内にある免疫細胞の約60%が集まっていて、人体で最大の免疫器官だそうである。食べたものから栄養を吸収し、不要なものを排出している腸は、生きていくための重要な器官であり、同時にウイルスや細菌にとっては、食物に紛れて最も侵入しやすい場所でもある。そのため腸では体内に吸収されないように、最大規模の免疫が働いている。 しかし、生活習慣で食事が偏り、腸内環境が悪くなっていれば、腸の免疫力も本来の力を発揮することができない。日ごろから腸の調子を整えておくことは、免疫力を強化しておくための重要なポイントのようである。
最近読んだ本で「脳はバカ、腸はかしこい」藤田紘一郎著というのがある。著者は東京医科歯科大学の名誉教授で、専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学の第一人者ということである。著書に「笑うカイチュウ」「清潔はビョーキだ」などあり、過去に何冊か読んだことがある。著者は自身の体内にサナダムシ(体長10m)を飼っているなど自分の主張を実践している人で、どの本を読んでも既存の常識にとらわれずユニークな学説を発表する学者である。その著者が言うにはギョウチュウ、カイチュウなど人体に寄生する寄生虫は、人と共生してる生物で害はないと言う。反対に戦後これを虫下しなどで駆除してきたから、アトピーや花粉症などのアレルギー症を引き起こす人が多くなってきたと言う。現に子供がはだしで歩き周り、汚い川で遊んで寄生虫を持っている東南アジアの人々には、アトピーや花粉症などのアレルギー症はなく、またうつ症のような気分障害も少ないと唱えている。
著者によると人間の腸には500種類以上、その数100兆個以上細菌が生息し、その重さは大腸に生息する細菌だけでも2kg近くと、驚くほどたくさんの細菌が存在していると言う。その腸内細菌がビタミンを合成し、そのビタミンがたんぱく質の分解産物によってセロトニンやドパーミンなどの脳内伝達物質を合成する。だから腸内細菌がバランスよく数多く存在しないと、セロトニンやドパーミンなどの脳内伝達物質が不足し、うつ状態になったりイライラしたりすることになる。不安や緊張によるストレスが腸内細菌のバランスを乱し、それによってさらに脳の不安と緊張を増強されるという脳と腸の相関ができているという。したがって健康な体は細菌や微生物や寄生虫などと調和した自然な生き方が必須であるという。人はそれを自己の脳の要求(好き嫌いや清潔感や稚拙な知識)のまま行動してしまい、そのバランスを壊してしまっていると書いている。
「水清ければ魚棲まず」のたとえではないが、「この世の中は雑菌だらけ」と思い、その中で生き抜いていくのだと自覚しておかなければいけないのだろう。免疫力の衰えた高齢者でもない限り、若いうちは大いに風邪やインフルエンザに罹り、それをクリアーしていくことで、自己免疫を鍛えておくべきだと思う。そしてそんな積み重ねが結果的には心身とも丈夫な体を作ることになるように思うのである。ちなみに私は洗面とトイレ意外は手は洗わないし、うがいもマスクもしない。若いときは必ず1年に2回は風邪で扁桃腺を腫らし学校や会社を休んでいたが、しかしこの25年間は風邪にもインフルエンザにも罹ったという記憶はない。