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一番下の娘が3月に開催される横浜マラソンのフルマラソンに参加の申し込みをしたと言う。参加条件は6時間以内に走れることだそうだが、娘はまだ42.195kmは走ったことがない。果たして走れるものか?たぶん30kmがせいぜいで、途中棄権するだろうと思っている。そんな話を思い出し、マラソン繋がりで正月に行われた箱根駅伝を思い出した。そしてそのテレビ中継の中でアナウンサーが、何度も「遊行寺の坂」と言っていたのを思い出す。確か復路の平塚から戸塚の8区にある長い坂だったと思う。・・・・「そうだ遊行寺の坂を歩いてみよう!」、連想ゲームのようにして今日の散歩コースが決まった。グーグルの地図で検索して小田急線の藤沢本町駅が一番近い駅と分かる。ではと、リュックを担いで家を出る。
自分でも思うのだが「腰は軽い」方である。「検討して」とか「よく考えて」ということを止め、今はなるべく直感で動くことを主眼にしている。「70にして心の欲するところに従って矩をこえず」、これを自分なりの解釈で実践しようと思っている。自分の心に浮かんだことを直ぐに行動に移しても誰に迷惑をかけるわけでもない。当然行動を起こせば、そこに未知の遭遇があり刺激があり勉強にもなる。しかしその反対にトラブルがあるかもしれない。そんな時の判断も躊躇せず直感で決める。今まで培ってきた70年の経験、その上での自分の判断に迷いは無い。
藤沢本町駅に降り立って、グーグルのナビに従って街を歩く。スマホのナビは最短距離を選択するから、小道を何度も折れ曲がった道順を教えてくれる。その道を正しく歩いているのか不安になることもあるが、迷っても「また元にもどれば良い」、そう思えるのである。30分程度歩いたころに「遊行寺坂」という標識があり、左に大きなお寺がある。先ずは遊行寺へ参拝することにして左に折れる。長い参道を登って境内に入ると、一遍上人の像があった。一遍上人は日本史で習った記憶はあるが何宗は分からない。そばに説明文があり時宗と分かった。大きなお寺の境内をゆっくりと散策してみる。梅の花がちたほらと咲き始めている。
私は歩いたことのないコースを歩くのが好きである。初めてのコースであれば、道に迷わないようにと神経を使い緊張感を伴う。当然始めて見る景色だから物珍しさがある。従って散歩しながら周囲に「気」が向くことになる。日常の雑事にとらわれて内に向いていた「気」が、散歩の時は外へ向くのである。たぶんそのことが散歩することで開放感を感じるのだろう。この開放感と歩くという運動とが相まって健康には良いように思うのである。
寺社内を一周して寺務所の前にくると、2人の参拝者がご朱印帳にご朱印を貰っていた。それを見て、ふと先週ブログに書いた友人が、最近ご朱印集めに神社仏閣を回っていることを思い出す。「そうだリタイアした彼を誘って、時々はご朱印集めも良いかもしれない」、そう思ってお寺の娘さんにご朱印帳とご朱印を頼んだ。私は神仏に帰依しようという目的も意識もないが、スタンプラリーのように散歩の意識付けになればと思ったのである。
遊行寺を出て再び遊行寺の坂を昇る。そんなに急坂ではないが、一定の角度でだらだらと登っていく。「この坂を箱根駅伝の各校の選手達は息せき切って登っていくのだろう」、そう思うとこの坂の印象が強くなり、来年の箱根駅伝の時は自分の歩いた情景をなぞりながら、TVを見ているだろうと思うのである。約15分程度歩くと遊行寺坂上というバス停があった。ここが坂の頂点で、先はフラットな国道30号線が続いている。「さて、ここからどうしよう?」、「同じ道を歩いて戻るのも面白くないし、バスで帰ろうか」、「来る道の藤沢方面は車が渋滞していたから、反対方向のバスが良いだろう」、バス停の時刻表を見ると7分後に戸塚駅方面行きのバスがあった。
朝10時に家を出て帰ったのは夕刻4時である。「遊行寺の坂を歩く」とだけを決めて、あとは全て行き当たりばったりである。ある友人は私のことを「徘徊老人」とあだ名している。そんな私も時と共に認知力を失えば、やがて真の徘徊老人になるかもしれない。それまでは周りに迷惑がかからない範囲で散歩は続けていきたいものである。
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国道30号線、この当たりから遊行寺の坂が始まる
左手に遊行寺がある
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遊行寺山門
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長い参道
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境内にある大きなイチョウの木
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遊行寺は一遍上人の時宗(浄土教の一宗派)の本山である
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本堂
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梅の花もちらほら咲き始めた
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鐘を突く棒(撞木)には青い苔が生えている
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寺務所
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寺務所
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ご朱印帳とご朱印をお願いする
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私のご朱印集めのスタート
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再び遊行寺の坂
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だらだらと緩やかな坂が続く
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先にある歩道橋が頂点のようである
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遊行寺坂上
ここからバスで戸塚駅へ
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