60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

孫(2)

2013年11月01日 09時29分30秒 | Weblog
 7月、長女に孫が誕生したのに続いて、10月に長男の方にも孫が生まれた。2人とも女の子である。長女の方は我が家に1ヶ月ほど里帰りしていたが、長男のお嫁さんは実家が遠いこともあって、里帰りはせずこちらで育児することになった。我が家に来れば楽なのだが嫁姑と互いに気を使うからと、結局は我々夫婦が交代で長男のアパートに行ってサポートするようにした。私の分担は火曜水曜と隔週の金曜日、会社を早退して5時には息子のアパートに行く。そしてお嫁さんから赤ん坊を受け取り、会社から息子が帰ってくる9時ごろまで面倒を見る。その間にお嫁さんは仮眠を取るという段取りである。

 赤ちゃんの寝顔を横に見て、買ってきた弁当を食べながらTVを見ている。こんな状態が続いてくれれば楽なのであるが、時間中必ず1回や2回はグズリ初め泣きだしてしまう。そうなるとオシメを点検し、濡れていれば交換しなければいけない。泣き方が激しくお腹が空いていると思えば哺乳瓶にミルクを作って授乳することになる。自分の子供、長女の孫、何回もやっているから慣れているはずだが、やはり赤ちゃんと2人だけだと心細いものである。オシメの留め方はこれで良いのか? 苦しくないだろうか? ミルクの温度はこれで良いだろうか? ミルクの量は足りたのか? ゲップはちゃんと出ただろうか?一つ一つの動作を意識するからぎこちないものになってしまう。せいぜい3~4時間のことではあるが、これが意外に長く感じるものである。息子が帰って来て赤ちゃんをバトンタッチすると、肩の荷をおろしたようにホッとするものである。

 何時もミルクを飲み終えると、私の腕の中にすっぽり収まってウトウトし始める。眉がまだそろっていないから寝姿は小さなお地蔵さんのように思える。そんな赤ちゃんの顔を見つめていると色んなことが思い浮んでくる。「いいかい!おじいちゃんの顔と臭いを忘れるんじゃないぞ!」、「大きくなってもおじいちゃんを嫌ちゃあだめだぞ!」、「頭の先が尖がっているがチャンと整うのだろうかなぁ~」、「瞼は一重だがこの子は誰に似てくるのだろう?」、「おかあさんに似て華奢で意外に美人になるのかも」、「長女の孫と比べて手が掛からず育て安いと言うが、どんな性格の子になるのだろう?」、孫だという実感は2人切りでいる今この時、腕の中の温もりと一緒に伝わってくるものである。
 生まれたばかりの時は肌はがさついていたようだが、最近は張りもあり艶も出てきたようである。1日30~40g増えていくと聞くが、抱いていてもずっしりとした手ごたえを感じるようになった。今寝ているこの時も、この小さな命は爆発的に細胞分裂を繰り返し、世の中に出て行く準備をしているのだろう。やがて首が据わり目が見えるようになり、1年を経過する頃には歩けるようになり、喋れるようになる。生まれたばかりの無垢な命、今は無限の可能性を持って成長しているのであろう。

 今読んでいる本の中に、こんなことが書いてあった。
人間は生まれてから3年間で、脳の神経細胞のシナプス形成(情報を伝えるための神経細胞間のネットワーク)を完成させます。3歳の時点で1000億個の神経細胞が互いに連結して、たった一つの神経細胞に対して1億5000個のシナプスを形成させるのです。しかし3歳以降になると不思議なことが起こります。大量かつ入念につくられた脳のシナプス回路のうち、頻繁に使っている一部のみしか使わなくなってしまうのです。こうして16歳ごろには、回路の半分は使い物にならなくなります。これをシナプスの『刈り込み』と言います。脳は入ってくる情報をフィルタリングして、多くの情報のうち一部を受け取り、一部を無視する作業をしているのです。この一連の作業でシナプス回路が強固になり、人それぞれが特有の才能を持つようになります。つまり、興味を持って楽しく繰り返している作業ほど、脳は強いつながりを形成するのです。反対に興味がなくなって、つまらないと感じる作業に関する回路は淘汰されていきます。したがって自分の持っている脳の回路をさらに強化するには、好奇心を持ち、好きなことに挑戦し続けることが必要なのでしょう。・・・・・

 「三つ子の魂百まで」と言うが、幼い頃の性格は、年をとっても変わらないと同じように、幼い頃に興味を持ったものを育んでやれば、特有の才能に恵まれた子に育つのかもしれない。この子が中学生ごろまでに、自分自身で何か興味を持ち好奇心を持てるようなものを見つけてくれれば良いと思う。さてこの子はどんな子に育っていくのだろう。この子の将来は私の手の届かないところで展開していくのだろう。そしてこの子が成人するまでは見守っているわけには行かないかもしれない。だからこそこの子に幸多く心豊かな人生であって欲しいものだと願うのである。 







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