Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

雪の丹沢山から宮ケ瀬湖へ

2014年03月11日 | 山歩き

3月9日(日)    天気=曇り時々晴れ

 

08:55大倉バス停→ 10:12~25駒止茶屋→ 11:20~25花立山荘→ 11:58~12:26塔ヶ岳→ 13:35丹沢山(みやま山荘)

 

 久しぶりに小田急、渋沢駅に降立ち、大倉行のバスに乗る。休日とあってバスは、ほぼ満員で出発する。登山口の大倉バス停前も大勢のハイカーで賑わっていた。最近は若い人の姿がだいぶ増えたようだ。

 塔ヶ岳へ詰める大倉尾根は標高差1200m、その長大さから通称「バカ尾根」と呼ばれるが私にとっては慣れ親しんだ道だ。此処をコースに毎年に6月開かれる「丹沢ボッカ駅伝」には10回位出場してるし、勘七や水無川の沢登りでも何度となくこの道を降っている。

 大倉登山口(左の道)

 先日の大雪は大倉登山口(290m)辺りでは全く見掛ず、観音茶屋を過ぎた辺りからようやく残雪が眼につき始めた。その先の駒止茶屋手前の急坂辺りから雪の量が増してきた。ここら辺でアイゼンを装着する人が多い。陽射しが当たる場所では雪が溶けて泥濘になっており、雪道よりこの方が歩き辛い。 

 駒止茶屋下の残雪

 天神尾根分岐辺りの泥濘道

 丹沢ボッカ駅伝では2区にあたる「観音茶屋手前~駒止茶屋」間と、4区になる「堀山ノ家~花立山荘」間が大倉尾根の最も急坂で頑張りどころだ。花立山荘を過ぎると完全な雪道となりアイゼンを付けた方が歩き易いが、私は面倒なので装着せぬまま登って行く。

 花立下から大倉尾根を振り返る。

 やがて鍋割山へ向かう山稜が左に見え、その奥に丹沢高峰の蛭ヶ岳や檜洞丸が姿を現した。白化粧したピークがやけに遠く感じられた。左折する鍋割山稜分岐を過ぎれば塔ヶ岳は目の前だ。此処まで人の列が絶えなかった。休日とは言え、このコースは本当に人気がある。

 西へ伸びる鍋割山稜

 鍋割分岐から塔ケ岳

 出発して約3時間で塔ヶ岳(1491m)に着いた。高曇りの空の下大勢の人が寛いでいる。今宵宿泊予定のみやま山荘は予約制なので、携帯で何度も電話するが話し中で中々通じない。結局連絡できぬままアイゼンを装着して出発する。素泊りだから予約無しでも大丈夫だろう。

 塔ケ岳山頂

 塔ケ岳から大山へ続く表尾根

 塔ヶ岳から丹沢山へ向かう尾根道は完全な雪のトレイル、締まった雪が心地よく歩く喜びが込み上げる。緩やかな竜ヶ馬場ピークを越えるとみやま山荘の建物が建つ丹沢山が目の前に見える。

 塔ケ岳から丹沢山へ続く尾根道

 丹沢山への登りから不動ノ峰

 塔ヶ岳から約1時間余で丹沢山(1567m)に着いた。周囲は疎林に囲まれあまり展望は良くない。だが少し先へ行くと不動ノ峰の奥に丹沢最高峰、蛭ヶ岳が望まれた。

 丹沢山山頂

 山頂に建つみやま山荘

 丹沢山から蛭ケ岳方面

 丹沢山からユーシン谷方面

 さっそく、みやま山荘へ行き素泊り泊を申し込む。坊主頭で如何にも山男といった風情のオーナーが「いいですよ。」と快く応対してくれた。山頂脇にこじんまりと建つ「みやま山荘」は、綺麗で清潔で暖かく従業員の対応も良くて快適な山小屋だ。休憩室には山岳関係の本が充実しており退屈しない。私はさっそく缶ビールを飲みながら読書を楽しむ。極楽極楽である。

 みやま山荘の休憩室(山岳関係本が充実)

 今宵の客は、私を含めて女3名、男6名の計9名、皆良さげな人ばかりで安心した。みやま山荘の食事の良さは有名で、今夕は焼き肉のようだ。食堂から美味そうな匂いが漂ってくる。私一人自炊なのでそれを横目にパックおでん、焼き肉缶詰、漬物の侘しい夕食を玄関脇のテーブルでとる。夜には窓から厚木市街方面の夜景がキラキラと美しかった。

 

 

3月10日(月)   天気=晴れ時々曇り

 06:40みやま山荘→ 07:01~05瀬戸沢ノ頭→ 08:06~15本間ノ頭→ 09:55~10:07青宇治橋分岐→ 10:16~21高畑山→ 11:30宮ノ平バス停

 

 冬型気圧配置が強まっているのか、未明から北風がビュービュー唸っている。寝床から出るのが億劫になる。小屋の発電機が始動する音が聞こえたので5時半に起床し、ラーメンとコーヒーだけの簡素な朝食をとる。

 食事を終えると荷物を整理し、陽が充分明るくなるのを待って出発する。風は強いものの青空が広がっている。宮ケ瀬への道は幾つものピークを越える長丁場だが、小屋の人の話では昨日降ったパーティが居るとの事、その踏み跡を頼りに進んで行く。所々強風に運ばれた雪が隠しているものの彼らのトレイルがウッスラと続いているのが心強い。

 雪尾根に続くトレイルが心強い。

 瀬戸沢ノ頭~太礼ノ頭~円山木ノ頭と幾つものピークを越えて行く。アイゼンを締め過ぎたせいか、豆が出来て右足が痛くなってきた。積もった雪が堅いので歩くのは楽である。

 瀬戸沢ノ頭を過ぎた辺りから蛭ケ岳

 

 中間点の本間ノ頭(1345m)から一気に急降下して行く。支尾根が枝分かれして行くので、この道が正しいルート時折自信が無くなるがその都度地図とコンパスで現在地を確認しつつ降りて行く。

 本間ノ頭山頂

 本間の頭から丹沢山

 標高が下がるにつれ、雪が柔らかくボコボコして歩き辛くなる。何度も足首を捻り嫌気がさしてくる。松小屋ノ頭(903m)~高畑山間には「金冷し」と呼ばれる細い岩尾根が続き進行速度がグンと落ちる。

 踏み跡が錯綜し正しいルートを歩いているのか不安になったが、送電線下に着いて自分の現在地が確認できた。その先で青宇治橋へ降る道が右に分岐しているが、踏み跡が全く無いから歩くのは困難だろう。

 分岐を過ぎると高畑山(766m)の広々としたピーク、此処まで降ると雪の量は少ない。しかし陽の当らぬ登山道はまだ残雪がびっしり付いているのでアイゼンは外せない。

 高畑山手前から宮ケ瀬湖方面

 高畑山山頂

 高畑山から先は緩やかな道となり、雪の量も減ってきたのでアイゼンを外す。足首が解放されたようで、この方がズッと歩き易い。左手に宮ケ瀬ダムの湖面がだいぶ近づいてきた。

 右下に車道が見えると登山口は近い。「宮ケ瀬まで1キロ」、「宮ケ瀬まで20分」と次々標識が現れる。最後にジグザグに降りダム湖沿いの車道に降り立った。その車道を5分程歩いて11時半に宮ノ平バス停に到着した。約5時間の降りは昨日の登りよりもシンドかった。でも歩き終えた満足感で気分は最高だ。やっぱり山歩きは楽しいなあと思う。

 宮ケ瀬の登山口

 本厚木行きのバスに乗り、終点の本厚木駅で下車して駅ビル6階の天麩羅屋でランチメニューと生ビールを注文し無事下山を一人祝う。平日の昼下がり駅中は忙しげに行き交う人で賑わい、汚いザックに不精髭の中年オヤジは完全に浮いている。食事を終えると早々に小田急電車の人となり、ラッシュアワー前に我が家へ戻り着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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