Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

北ア、燕岳登山(詳細)

2015年01月06日 | 山歩き

  1月3日(土)     天気=晴れ

 

10:00宮城ゲート→ 10:28有明山登山道分岐→ 11:26~36観音峠→ 12:14信濃坂発電所→ 13:15有明荘→ 13:30中房温泉

  今年の初登山、北ア、燕岳へ行ってきました。夏ならば登山口の中房温泉までバスやマイカーで行く事ができるが、冬期は通行止めになる為、宮城ゲートから登山口まで13キロの道程を歩かねばならない。ゲート下にある登山者用駐車場には意外に多くの車が停まっていた。

 登山者用駐車場

 ゲートの脇を抜け雪の車道歩きが始まる。時折すれ違うのは燕岳登山か中房温泉泊りの人だろう。道路沿いの所々に中房温泉までの距離標識が設置されており良い目印になる。

 宮城ゲート(タクシーが下山者を待っていた。)

 距離表示した標識

 第4発電所横の橋を渡ってジグザグの道を登り、トンネルを抜けた先が小さな祠がある観音峠、此処までで中房温泉まで4割くらいの距離、車の無い時代の湯治客が道中の安全を祈願したのだろうか。

 観音峠の祠

 道路には倒木や落石もあったが、落石は下山時取り除かれていたので、保守管理はされているようだ。中房川の対岸を見上げると1千m以上の標高差を隔てて有明山(2268m)の黒い山容が持ち上がる。又源流部には白い山波も見える。

 道に横たわる倒木と落石(下山時落石は除かれていた。)

 道沿いに見上げる有明山

 遠く東沢岳付近の稜線

 信濃坂第5発電所で中房温泉まで三分の二の距離になる。ここから信濃坂の登り降りになり、車道歩きでは一番きつい所だ。坂を越えると後は中房温泉目指して登り一方の道、今日は温泉泊りだから気分も楽である。

 信濃坂第5発電所

 ゲートから3時間半で中房温泉に着いた。この辺りは温泉の地熱で積雪が少ない。温泉宿は燕山荘と同じく年末年始だけ営業している。宿泊料金は2食付で¥9700円、飯は不味いし部屋は汚いが他に宿は無いのだから選択の余地は無い。お風呂だけは源泉掛け流し、私の入った岩風呂は実に心地よかった。

 登山口手前の有明荘(冬季休業)

 中房登山口(地熱で雪が少ない。)

 中房温泉玄関

 入浴した岩風呂

 今宵の宿泊客は10名程、殆ど明日燕岳登山をする人だ。同年輩の単独男性二人と同部屋になった。桐生市と練馬区の人でいずれも穏やかで優しい人達で、同じ趣味を持つ者として、山の話で盛り上がった。

 

 

 

 

 

 1月4日(日)     天気=曇り後雪

 

07:00中房温泉→ 07:37第1ベンチ→ 08:03~07第2ベンチ→ 08:32第3ベンチ→ 09:27~40合戦小屋→ 10:38燕山荘

 

 朝焼け空で今朝の天気は芳しく無さそうだ。登山口を出発すると最初から急登の道が始まる。黙々登って行くと口から白い息が洩れ蒸気機関車になった気分、しばらく行くと年輩の男女ペアを抜く。雪山に挑戦する勇気は偉いが、歩みの遅さに大丈夫かいなと少し気に懸る。

 1時間程着いた第2ベンチで練馬区の人に追いつく。30分程先に出発した彼は、「もう来る頃だろうと思ってたよ。」と笑った。その後登るにつれ下山者が続々と降って来る。皆さん脇に避けてくれるが、その都度に礼を言い喘ぎつつ通過せねばならぬので疲れが倍加する。

 1時間半で着いた第3ベンチは辛うじて標柱が顔を出していたが、富士見ベンチの標柱は雪に埋もれて見えなかった。約2時間半で合戦小屋に着いた。テントが2張設営されている。この先は吹き曝しの尾根なので、防寒装備を固めて出発する。

 第3ベンチ

 合戦小屋

 疎林の間を抜け合戦の頭(2488m)に達すると途端に横殴りの寒風と白い霧の世界に突入した。大晦日に女性が遭難したのもこの辺りだ。彼女を救う手立ては無かったのかと憐憫の情が湧く。

 森林限界上の合戦尾根

 視界が全く無いから黙々と登るしかない。と目の上に突然建物が現れた。10時38分燕山荘に到着した。夏場は尾根の右手から直接玄関に入るが冬場は建物の左手をグルリと半周して小屋の中に入る。小屋の人が出してくれた暖かいお茶に身体がほぐされた。

 小屋の建物が見えた。

 今日のうちに燕岳を登ろうと思っていたが、外は吹雪が止まず視界も無い。明日の好天を期待して、暖かい小屋の談話室でビールを飲みつつ読書を楽しんだ。前夜同室の人達も昼過ぎに到着した。心配した年輩のご夫婦も午後に到着したようだ。

 窓の外は身も凍る吹雪なれど、小屋の中はポカポカで正に極楽だ。燕山荘は明日が営業最終日で今宵の客はガイド登山の人達も入れて20名程、談話室で楽しい一時を過ごした。

 夕食時、オーナー赤沼氏の談話

 燕山荘は2食付で¥10500円、でも食事は昨日の温泉宿よりはるかに美味いし寝具も軽くて快適、この小屋が人気ランキングのベストワンになるのも無理は無い。夕食時、小屋のオーナーの赤沼氏から冬山の留意事項や先日の遭難の顛末等話してくれた。最後に「明日は晴れますよ。」と言ってくれたので、それを期待して床に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 1月5日(月)     天気=晴れ後曇り

 

06:47燕山荘→ 07:20~31燕岳→ 07:55~08:30燕山荘→ 09:14~6合戦小屋→ 09:37第3ベンチ→ 09:51~10:02第2ベンチ→ 10:20~40中房温泉→ 11:37信濃坂発電所→ 12:08~17観音峠→ 13:20宮城ゲート

 

 赤沼氏の言葉どおり素晴らしい快晴の朝を迎えた。日の出時刻が6時47分なので、朝食も慌ただしく済ましバッチリ防寒服装に身を固め燕岳へと出発する。西からの風が強烈で思わず身が竦む。

 雲海から日の出

 やがて白い雪稜の奥からシズシズと陽が昇った。行く手の燕岳や遠く槍穂高の峰峰が紅く染まっていく感動の一瞬、此処に来て良かったと嬉しさが込み上げる。30分程で燕岳(2763m)に到着した。四周遮るものの無い青と白の世界、冬の燕岳は30年ぶりだけど今回は格別に嬉しい。

 モルゲンロートの燕岳

 同じく槍穂高連峰

 メガネ岩

 燕岳間近

 丁度山頂に居合わせた単独の青年に写真を撮ってもらう。彼は中房温泉にテントを張り、昨日は小屋泊りで我々と楽しく語り合った。彼と喜びを分かち合う。10分程滞在し山頂を後にする。小屋に戻る雪尾根の道は、雪煙が舞い雪山の美しさと厳しさにウットリする。

 山頂から北燕岳方面

 燕岳山頂

 山頂から燕山荘、常念岳方面

 山頂から槍ヶ岳

 山頂から鷲羽岳方面

 雪煙に舞う雪尾根

 小屋に戻ると装備を整理してザッグに収納し、合戦尾根を降って行く。昨日とはうって変わり、今日は雲海の上に雪尾根が延び美しい風景だ。途中でガイド登山のグループに追いつくがトレイルが1本しかないので追い抜く事ができない。最後尾の女性が「スミマセン。」と申し訳無さそうだった。

 山荘から大天井岳方面

 雲海に降る合戦尾根

 合戦尾根から燕山荘を振り返る。

 合戦小屋でグループを抜くと、後はマイペースで降って行く。雪の合戦尾根は夏より楽だ。半ば滑るようにして一気に降った。殆ど休まなかったので燕山荘から中房温泉登山口まで1時間50分程で降り立った。

 樹間から見える有明山

 しかし、此処まででエネルギーを遣い過ぎたのか、この後の13キロの車道歩きが堪えた。昨日の雪で道には10㎝程新雪が積もっており油断すると脚が滑るのだ。ホームセンターで買った¥950円也のチェーンスパイクを靴に装着したが、このグッズ、凍結路面には効果があるが積もった雪には気休め程しか効かなかった。

 登山口から2時間40分程で宮城ゲートの駐車場に戻った。近くの日帰り温泉で山の疲れを癒し、夕刻我が家に戻った。疲れが限界を超えたのか、このブログを書いている今、風邪の症状が出て鼻水と震えが止まらない。これをやり終えたら、即刻病院へ向かいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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