7月27日(月)
数か月前、街の図書館でこのサーカス団公演のポスターを見た妻が、「そう言えば私実際のサーカスを観た事が無い。」と言った。私も子供の頃に木下大サーカスを一度観た記憶があるだけだ。値段も手頃だし(大人3千円)、ロシアのサーカス団というのも面白そうなのでチケットを2枚予約した。
そして一昨日、公演会場の志木市民会館パルシティへ出掛けた。猛暑の中、会場は多くのチビッ子達とその親御さんで賑わっている。黄色い歓声が飛び交う中で、我々老夫婦は場違いな所へ来てしまったかとチョッピリ後悔した。
普通サーカスと言えば、大テントの中で哀愁漂うメロディーが流れ、滑稽な仕草で笑いをとるピエロ、空中ブランコや玉乗り等アクロバチックな曲芸師、愛嬌ある動物達の演技等をイメージするが、レニングラード国立サーカス団は一寸違った雰囲気だった。
このサーカス団は屋内の狭い舞台を専門に演技する。だから出演者も十数名と少数だが、パンフレットによれば彼(女)等の実力は世界トップレベル、ロシアを代表するサーカス団だという事だ。
1時間40分の公演で、「美女二人による長いカーテンを使ったアクロバット」、「高度なジャグリング」、「絶妙なバランス芸」、「シーソーとマットを使った団体曲技」そして「熊さんの曲芸」等が演じられた。
演者は皆スラリとしたロシア人の美男美女、曲芸師というよりトップアスリートという感じで、ピエロでさへもイケ面だ。次々繰り広げる高度な演技はいずれも人間離れしており大いに楽しめたが、私が子供時代に感じた異次元のワンダーランドを彷徨うような不思議な感覚は味わえなかった。人間老いると心の感受性も鈍くなってしまうようだ。