Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

カラパタールトレッキング10日目(カラパタール登頂)

2018年12月08日 | ヒマラヤ・カラパタール紀行

 11月1日(木)     天気=晴れ後曇り

 

ロブチェ06:35→ 09:50~10:45ゴラクシェプ→ 13:10~25カラパタール峰→ 14:35ゴラクシェプ(歩行7時間00分)

 

 今日はいよいよカラパタール峰を登る日だ。今朝は4時半起きで6時半にはロブチェの宿を出発する。標高4930mの朝は半端無く寒く、たっぷり着込んで歩き始める。

 中央奥のプモリ峰へ向かって出発する。

 ロブチェからゴラクシェプへの道は、氷河跡地(モレーン)の岩屑の中に続く。登山道の右側には長大なクンブ氷河が横たわっている。紺碧の空と雪山の雄大な景色の中をジワジワと進んで行く。3時間程の歩きで前方にゴラクシェプのロッジが小さく姿を現し、左奥にカラパタールの黒い山容が初めて見えた。

 岩屑の道を進む。

 クンブ氷河沿いを進む。

 ゴラクシェプのロッジが見えてきた。(左奥の黒い山がカラパタール)

 10時前、エベレスト街道最奥の集落ゴラクシェプ(標高5170m)のヒマラヤロッジへ到着した。ロッジ内の食堂では多くのトレッカーが憩っており、我々もその一隅でプラディさんが作ってくれた暖かいラーメンを食べる。1時間程の休憩後、いよいよカラパタールへ向け出発する。

 ゴラクシェプへ到着

 ヒマラヤロッジ

 暖かいラーメンで英気を養う。

 此処まで頑張って歩いて来たKさんが「これ以上は無理」と自分で判断し、ロッジへ留まる事になった。結局参加者のうち、Yさんと我々夫婦の3名だけ山頂を目指す事となった。

 ゴラクシェプからエベレスト(左から2番目8848m)とヌプチェ(右7855m)

 野球ができそうな広い空地を横切って、いよいよカラパタールへの登りが始まる。砂礫と岩の道がジグザグに刻まれ富士山の登山道を思わせるが、標高5千mを超える薄い空気の高地なので、歩いているだけで息が切れてくる。

 広い空地を抜けてカラパタールへ

 カラパタールの登り口

 最初は緩やかな道

 眼下のゴラクシェプ集落

 牛歩の歩みでジワジワ登って行くと、ヌプチェ峰(7855m)の奥に小さく見えた世界最高峰のエベレスト(8848m)が、少しづつ高くなっていく。前方に望む黒いピークが山頂かと思ったが、近づくとそれは前衛の山で、カラパタールの山頂は更にそのズーッと奥に在った。

 登山道から望むエベレスト(左)とヌプチェ(右)

 一際高いエベレスト

 砂礫の道は岩がゴロゴロした道へと変わり、傾斜も増して歩き難くなってくる。旗で飾られた山頂が見えてはいるのだが、歩いても歩いても中々近づかない。私の前を歩く妻も苦しげな様子だが、脚を止める事は無く黙々と登り続けている。我身内を褒めるのも何だが、その体力と気力は凄いものだなと認識を新たにする。

 山頂は見えているが、中々近づかない。

 黙々と登る。

 絶景の中で一休み

 山頂直下で最後の休憩

 山頂直下からクンブ氷河を見下ろす。

 ゴラクシェプを出発してから約2時間半、厳しい登りを終え念願のカラパタール峰(5545m)へ到達した。ヒマラヤは午後になると決まって雲が湧き山を隠してしまうのでその前に登れるか不安だったが何とか間に合った。此処からエベレストの山頂を眺めるのが、私の長年の夢のであったが、それが実現して感無量の心境だ。

 カラパタール山頂(左よりYさん、我々夫婦、シェルパのニマさん、ダワさん)

 我々をサポートしてくれた左より、ダワさん、ニマさん、添乗員のCさん

 山頂の最高地点に登る私

 最高地点に在った山頂標識(標高5643mと記されている。)

 実際に見るカラパタールの山頂は、プモリ峰(7161m)の小さな支稜ピークに過ぎず、その先にもノコギリ歯のような岩尾根がプモリへと続いている。しかし此処から先へは、ザイル等の登攀具を装備した熟練の登山者しか登れない。つまりカラパタール峰が、トレッキングコースの最終ゲートなのだ。

山頂から望むエベレスト(左)とヌプチェ(右)(左端の氷河屈曲部がエベレストベースキャンプ地)

 山頂からヌプチェ峰

 山頂からエベレスト峰

 エベレストやヌプチェ等の山々が、雲に隠れ始めた。15分の短い滞在で山頂を後にする。下山の道も長かったが重力に引かれるように降り、山頂から約1時間余でゴラクシェプのロッジへ戻って来た。

 午後6時からの夕食は、ボリュウムたっぷりネパール伝統食のダルバートであった。登頂の祝杯をしたい気分だったが、何せここは標高5千mを越える高地、具合が悪くなってはまずいので今日もアルコールの類は自重した。

 食堂の壁に寄せ書きが書かれた紙が張られていた。それは「神々の山嶺」という映画を製作した日本の撮影隊のもので、「阿部寛」や「岡田准一」など出演者のサインもあり、台湾から来た女性トレッカー達が大騒ぎしていた。

 日本の映画撮影隊の寄せ書き

 カラパタール登頂を終え、明日からルクラへ向けて下山の道に入る。標高が下がれば空気が濃くなり寒さも和らぐので快適なトレッキングを楽しむ事ができるだろう。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする