monologue
夜明けに向けて
 



 このところアメリカで新人発掘番組として超人気の「アメリカンアイドル」のオーディション場面を見ていてなつかしくなった。

 わたしはロサンジェルスの英語学校に通っている頃、そのころの新人芸能人の登竜門番組「ザ・ゴング・ショー」に応募したことがある。サンセット通りのオーディション会場に夥しい応募者がやってくる。ごった返した控え室では殺気だった雰囲気の出場者が真剣に踊りの稽古していたりした。順番にパフォーマンスしてゆき、わたしはギターを抱えて「ジョージア・オン・マイ・マインド」を歌った。数日後、第2次選考に喚ばれて行くと今度は人が少なく、歌ってみせるとキーボード奏者が音合わせしてどういうふうにギターを弾くかとかオーケストラのキーの打ち合わせなどをしてOKが出て誓約書を渡された。本番の時、オーディションと同じ服装をして出ることなど、こまごまとあってあまり羽目を外し過ぎてショーをぶちこわさないように誓約させるらしかった。
 
 放送には7秒ルールというのがあってライヴ放送でも7秒間遅らせて放送するのだと学校の先生が言っていた。それで突然の放送禁止用語にも対処できるし電波ジャックにもその7秒で対処するということだった。放送業界は表面上楽しそうでいて、いつも神経をとがらせているのだなあと感心したものだった。
fumio

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