昨夜の「SONG TO SOUL」はアニマルズ(The Animals)の「朝日のあたる家( The House of the Rising Sun)」を採り上げていた。わたしは1964年のイギリス音楽映画「ポップ・ギア」でこの曲を演奏するアニマルズを観て心を奪われた。以来、レパートリーにした。イントロの印象的な3連アルペジオはギターのヒルトン・ヴァレンタインがポール・アンカの「ダイアナ」のバックのアルペジオにヒントを得たというのが面白かった。まさか「ダイアナ」が下敷きになっているとは。オルガンのアラン・プライスがダサイと文句を言って、結局自分もオルガンで3連アルペジオを弾いたという。あのアレンジなしではアニマルズ版の「朝日のあたる家」は成立しなかったように思う。わたしはこの歌を歌う時、3番から4番にかけて胸が迫る。吠えるように歌ってしまうのだ。涙がこみ上げる。わたしだけではなく多くの歌手が同じ経験をするのだろう。普通歌手は歌にそんなに感情移入しない。メロデイに合わせて淡々と歌詞を伝えなければいけないのに歌っているうちに勝手に主人公の世界に入ってしまうのだ。名曲の域を超えたなにかを包含した歌、「朝日のあたる家」。
fumio