monologue
夜明けに向けて
 




わたしが曲を作り始めたのはエレキギターバンド、ヴェンチャーズの曲が日本でつぎからつぎへとヒットしてエレキブームが起こってわたしもねだってエレキギターを買ってもらってからだった。それはヤマハが急きょ作ったような新製品でいっぱいスイッチやボタンがついていてどう弾いたらいいのかよくわからなかった。それでも一応エレキギターと呼ばれるものの形をしていたので満足だった。アンプもなくただソリッドギターをかき鳴らした。それでも無茶苦茶に弾いているうちにその無茶苦茶がまとまってきた。曲と呼んでもいいのではないかという気がして友達のところへ行っては聴かせた。迷惑だっただろうけれどみんな忍耐強く曲が終わるまで聞いてくれてそれほど心が折れるほどの悪評も口にしなかった。それでインストばかりではなく歌づくりに進んでいったのである。作曲家といってもみんな初めから名曲が作れるわけではなく数えきれない無茶苦茶が下地になっているのだろう。
fumio

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