*赤い月の形としての物語*
〔プロローグ〕
銀色の舟の娘は、葦の夢の中に分け入る。
ゴーマは、星の形を散りばめた布の国から。
暗い日々の夜明けは、黒い羊の葬られた所へ。
「見よ」と声がする。
叫びは鳥の鳴き声と共に、夜明けの町にこだまする。
人は赤い月の表面に、メイオウの影を読み取る。
その時、隠されていた嘆きは壺の中から出てくる。
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子供の柔らかい肌に、悲しみの黒い雨。
その染みは、大人になっても残るだろう。
この染みは岩屋の向こうから狙っている獣の標的となるだろう。
多くの人が口にする言葉はもはや何の力も持たない。
バビロンの夢は、シバの思い。
イカヅチと共に、鷲の巣を砕く。
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「赤い月の形としての物語」は2011年3月11日の東日本大震災による津波による原子力発電所事故災害とその影響に関しての預言詩であった。「赤い月」は爆発炎上した原発。海岸線に並び立つ原子力発電プラントを切り立った崖に鷲が巣を作っている様子にたとえ、「鷲の巣」と呼んでいる。「メイオウ」とは冥府の王「プルトー」の名前にちなんだ原料「プルトニウム」。「星の形を散りばめた布の国」 の「布の国」は合衆国の最後に散らばった星、布哇(ハワイ)で轟魔(ゴーマ)とはキラウエア火山の地球の血液、マグマ(ゴーマ)。キラウエア(Kilauea)はハワイ島南東部の活火山で標高1222m。山頂に大カルデラがあり、その中央のハレマウマウ火口では溶岩湖がよく出現する。キラウエア火山には霊的あるいは物質的な改革をもたらし封印を解くための地球の血液、マグマ(ゴーマ)がたぎっている。地球の血液(マグマ)も人の血液もともに四十数億年前に分かれた兄妹で、銀色の舟、月の引力の作用を常に受けている。
「火を吹く6頭立ての戦車は、日本の国の頭の部分に攻撃を加える。」 福島第一原発は6号機まであり「6頭立ての戦車」とたとえられ日本の頭である東京を攻めた。「火を吹く楕円」が示唆するものは福島第1原発事故で3号機のタービン建屋の屋根に開いた長径14メートルの楕円状の穴など。壺の中から出てくる隠されていた嘆き、とは核のゴミ(燃料デブリ)。その処理方法のないことへの嘆きは隠され続けてきた。シバ神がこのような直接的な方法でバベルの塔を砕いてもまだ原子力に依拠して絶滅を早めようとするのはなぜなのだろうか。
fumio
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