深田久弥さんの
日本百名山より
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ついに私は久恋の頂に立った。
しかも天は隈なく晴れて秋の午後3時の太陽は
見渡す山々の上に静かな光をおいていた。
すべての頂には憩いがある梢にはそよとの風もなく
小鳥は森に黙した。風化し磨耗した石の祠と
数体の小さな石仏の傍らに私たちは身を横たえて
ただ静寂な時の過ぎるのに任せた。
古い石仏は越後の方へ向いていた。その行く手には
日本海を越えて能登半島の長い腕が見えた。
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深田久弥さんが最初に登ろうとした頃は
はっきりした道もなく
3度目にようやく頂を得たそうで
その喜びが
文章の間からあふれてくるようです。
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雨飾山という名前が
いつ誰によって名付けられたのか
はっきりしていません。
ずいぶんロマンチックな名前ですが
訪れるには不便で
急登の山道が続く
不思議な山です。
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8月上旬
新潟県側の雨飾温泉からだと
かなりしんどい登りになるようなので
糸魚川経由で長野県小谷村の登山口
雨飾高原キャンプ場から登りました。
雨飾山
標高1963m
コースの高低差832m
コースの道のり9.2km

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登山口の駐車場で
京都ナンバーの車に出会った話は
ブログを始めた頃の記事に
書きました。
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登山開始は9:00過ぎ
林道から木道となり
(大きな葉になった水芭蕉)

湿原の中や木の橋を渡り
やがて急な登りになります。
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登山口から1時間で
山頂方向の見通しがきき
白い岩肌の岩壁の上に
3つのピークがありました。

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ここから少し下ってから登り返すのですが
山頂の右に続く登山道は
どう見てもこの先は急登です。

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20分ほど下って
荒菅沢といわれる水場に到着。

深い谷のため
雪渓からドライアイスのような
冷い蒸気が漂っています。

夏ですから涼しいのはありがたいけど
急登で温まった体は
あまり涼しさを感じません。
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さて一番きつそうな登りは
1時間以上かかり
途中には様々な花が
咲き乱れて
疲れを癒してくれました。
コキンレイカ

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笹平から県境の稜線へ
割りと平坦な道が続きます。
荒菅沢が見える鞍部を過ぎると
最後の登り道がはっきりと見えます。


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雨飾山の頂上は2つのコブがあり
南峰より北峰を望む

南峰の標柱

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北峰の祠・石仏・地蔵
(奥に見える南峰の標柱)

雲がかかって
遠くまでは見通せませんでしたが

火打山方向に焼山の頂上が
不思議な色に染まって見えました。

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山頂から見える笹原の道が
女性の横顔に見えます。
ちょうど口のところに
ご夫婦の登山者が通りかかり
あわてて写真を撮りました。

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登り3:00
下り2:20
当日の歩数:18,512歩
今なら
花の写真でいっぱいでしょうが
この頃はまだ
登ること自体を楽しんでいました。
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日本百名山№16からは
既に記事にしたので
日本百名山ブレイバックは
この山で終わりにします。
次回はどこに行くのでしょうか?
end