小仙丈岳からの仙丈岳は
小仙丈カールを抱いた優美な姿です。
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深田久弥さんの
日本百名山より
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その厖大な山容が少しも鈍重に見えないのは、
みごとなアクセントがついているからだろう。
アクセントとはその山頂部にある三つのカールである。
その顕著な刻みが山容を引緊めている。
三つのカールは、藪沢、小仙丈沢、大仙丈沢、
それぞれの源頭に大きく口を開いている。
甲斐駒から望むと、藪沢と小仙丈沢のカールが、
北岳からは小仙丈沢と大仙丈沢のカールが、はっきり見える。
この三つの窪みには一番おそくまで雪が残るので、
特に鮮明な印象を与えられる。
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素晴らしい風景を30分ほど堪能して
仙丈岳に続く小さなアップダウンを
先に進みます。足元には
ミネズオウやコケモモなどの
小さな花が見え始めました。
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小仙丈カールが
視界いっぱいに広がった後
鎖のついた岩場を少し下ると
八合目の標柱がありました。
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振り返ると小仙丈岳が
きれいな山の形に見えます。
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お昼を過ぎて
ガスで霞んできましたが
左手には、北岳と富士山が
並んで立っています。
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小仙丈岳から40分で
仙丈岳山頂と仙丈小屋の分岐に
着きました。
山頂まであと20分・小屋まで10分。
振り返ると5合目から登ってきた道が
全部見渡せます。
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ここから、お花畑になります。
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ミヤマキンバイ
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イワウメ
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イワツメクサ
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ミヤマシオガマ
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オヤマノエンドウ
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ツガザクラ
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山頂まであと少しというところで
雨がポツリと降ってきました。
天気予報は当たりです。
小仙丈岳から1:10は
ちょっとだけタイムオーバーでした。
お花畑で写真を撮るのに
時間がかかったので
しかたがありません。
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西側は雲に覆われて
何も見えません。
本降りにならないうちに
仙丈小屋に下りることにしました。
西側の近道を
急いで下りて15分です。
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仙丈小屋は
藪沢カールの底にあり
標高2886mです。
この高さの山小屋で寝るのは
富士山以来で、今回もやはり
軽い高山病の気配がありました。
もっとゆっくり登ればよかったのですが
午後の天気予報が悪かったので
しかたがありません。
後から小屋に入った方たちは
しっかり雨に降られていました。
夕方まで雨は降りやまず
食事の後に雨が止んで、外に出ても
ガスで何も見えませんでした。
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食事の時、管理人さんが
味噌汁に使っている味噌は
いくつかの山小屋でまとまって作った
自家製ですと紹介があり
お代わり自由だったので
2杯いただきました。
昔の懐かしい味がしたのは
山小屋という場所のせいでしょうか?
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翌日につづく