「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「あなたになら言える秘密のこと」

2007年03月07日 11時33分14秒 | 映画
 
 「死ぬまでにしたい10のこと」 のイサベル・コイシェ監督と

 サラ・ポーリーのコンビが、再び 命や人生の重さを 描いた作品です。

 工場で日々 黙々と働く ハンナ(サラ・ポーリー)は、

 誰にも心を開かず 毎日同じ質素な弁当を食べて 過ごしています。

 何か重い陰を 背負っているようで、時々ハンナの耳に聞こえる 少女の声,

 ハンナがある女性に架ける 無言の電話……、

 いくつもの謎を秘めながら 話は始まっていきます。

 ハンナは元看護士で ひょんなことから、

 油田掘削所で大怪我を負った エディー(ティム・ロビンス)の

 看護をすることになります。

 エディーは2週間 寝たきりで 目も見えませんでした。

 体の痛みがありながら おしゃべりな男で、

 一日中 世話をしてくれるハンナに 色々なことを話しかけます。

 しかしハンナは 自分の本当の名前さえ言わず、義務的に看護をするだけです。

 でもユーモアを交えた エディーの会話に、薄皮を剥がすように

 気持ちがほぐれていきます。

 そして やがて、ハンナの壮絶な過去が 語られるのです……。

 あまりにも凄惨な体験のため、完全に心を閉ざして 生きてきたハンナでしたが、

 エディーの存在によって 生き返っていく物語です。

(その体験について 色々感じ考えさせられますが、

 ネタバレになるので 書けないのが辛いところです。)

 ハンナの心のプロセスを サラ・ポーリーが丁寧に演じています。

 そのラストシーンは 秀逸です。

 生きることの重さと 希望を感じた作品でした。
 
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