「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

弁証法的行動療法の成り立ち (1)

2011年11月09日 21時04分37秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 弁証法的行動療法は、 ワシントン大学のマーシャ・ リネハンによって、

 自殺願望のある女性に 効果がある治療法として、

 1970年代~80年代前半に 開発されたものです。

 生きていたいと思えるような 人生を築く、 手助けをする治療です。

 自殺願望を抱えている状態は、 真っ暗な部屋の中で 出口が見えないようなものです。

 ただ、 ひとつのドアだけが うっすらと見えています。

 これが  「自殺のドア」です。

 自殺のドアの前にいると、 他のドアが見えなくなってしまうのです。

 問題は、 自殺のドアの向こうに 何があるか分からないということです。

 今よりも酷い世界が あるかもしれず、 これはかなり危険な賭けです。

 弁証法的行動療法は このドア以外のドアを探し、

 生きる価値のある人生を 見つけていくことです。
 

 弁証法的行動療法は  「生物社会的理論」 に基づいています。

 BPDは 生物的な要因 (生まれつきの感情の脆弱性) と、

 社会的・ 環境的な要因によって 引き起こされるという理論です。

 感情の脆弱性には、 次の3つがあります。

・ 感情が敏感

 他の人が感じないような 出来事にも反応してしまう。

 人がわずかに 不快な表情を見せただけで、

 自分が批判されていると感じ、 傷ついてしまう。

・ 感情が激しい

 物事に対して 非常に強く反応する。

・ 感情が元に戻るのに 時間がかかる

 感情的に反応すると なかなか落ち着かない

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする