「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

弁証法的行動療法における 受け入れ、 変化

2011年11月11日 20時44分33秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
(前の記事からの続き)

○ 承認

 弁証法的行動療法では、 患者が治療者から 理解されていると感じられるように、

 「承認」 をします。

 患者がこう思ったと言ったら、 本当にそう思っているのだと 治療者は認め、

 心から関心を持って 理解していることを、 患者に伝えるのです。

○ 受け入れ

 患者が、 自分自身, 世の中, 自分の感情, 他の人を 受け入れられるために、

 治療者は  「マインドフルネス (気付き)」 などの スキルを教えます。

 受け入れるということは、

 賛同したり好きになることではなく、 服従することでもありません。

 何かを変えようと もがくのをやめて、 それを今の状態のままに しておくことです。

 過去を変えられないように、 どんなに頑張っても 気持ちを変えられないことがあり、

 それを変えようとすれば 余計苦しくなるだけです。

 それを無理に変えることをやめ、

 少なくとも今のところは、 あるがままの状態に しておくことなのです。

 もちろん、 実際に変えられることを 変えてはいけないということではありません。

 動揺したときに 自分を落ち着かせる方法や、

 対人関係や色々な問題を 解決する方法を見つけることはできます。

○ 変化

 弁証法的行動療法は 問題を解決する治療法でもあります。

 自殺願望のあるBPDの人は、 当然何か 変えなければいけないことがあるはずです。

 変化を伴わない受け入れも、 受け入れを伴わない変化も、 助けにはなりません。

 弁証法とは、 受け入れと変化の バランスを取ることです。

 正反対の事柄を ひとつにまとめて、 解決に導くものを求めていくことです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 
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