脳出血で倒れたB子さんは 胃ろうを作り、 特養に入所しました。
当時は寝たきりで、 栄養は全て胃ろうからでした。
この特養では 「胃ろう外しプロジェクト」 を行なっています。
日中は ベッドから車椅子に移り、 胃ろうからの水分量も増やして、
意識や体の状態の 改善を図ります。
口からの食事は バナナから始めました。
経口摂取は3年半ぶりのB子さんは、
もぐもぐと噛んで飲み込み、 誤嚥もありませんでした。
食べる量を増やし、 今では昼食と夕食は 口から取っています。
意識がはっきりし、 言葉も出るようになりました。
他の入所者も 普通の食事を食べられるようになったり、
胃ろうを外せる見通しが ついたりしました。
胃ろうを外せるようになるのは、 せいぜい10%とされます。
でも プロジェクトに取り組んだ 9人全員が、 胃ろうを外せた施設もあります。
それらの人は、 元々不要な胃ろうだったと 考えられます。
急病で入院し、 回復に時間がかかりそうだったり、
認知症があって 食が細かったりという理由で、 作られたケースです。
前者は 退院時には外せるし、 後者は 元々必要がない場合が 多いといいます。
胃ろうにすると 重症に見えるため、 外す努力もされないのだということです。
〔 読売新聞 「医療ルネッサンス」 より 〕