「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

口から食事の実践 -- 胃ろうを考える (5)

2011年12月03日 22時11分29秒 | 介護帳
 
 脳出血で倒れたB子さんは 胃ろうを作り、 特養に入所しました。

 当時は寝たきりで、 栄養は全て胃ろうからでした。

 この特養では  「胃ろう外しプロジェクト」 を行なっています。

 日中は ベッドから車椅子に移り、 胃ろうからの水分量も増やして、

 意識や体の状態の 改善を図ります。

 口からの食事は バナナから始めました。

 経口摂取は3年半ぶりのB子さんは、

 もぐもぐと噛んで飲み込み、 誤嚥もありませんでした。

 食べる量を増やし、 今では昼食と夕食は 口から取っています。

 意識がはっきりし、 言葉も出るようになりました。

 他の入所者も 普通の食事を食べられるようになったり、

 胃ろうを外せる見通しが ついたりしました。

 胃ろうを外せるようになるのは、 せいぜい10%とされます。

 でも プロジェクトに取り組んだ 9人全員が、 胃ろうを外せた施設もあります。

 それらの人は、 元々不要な胃ろうだったと 考えられます。

 急病で入院し、 回復に時間がかかりそうだったり、

 認知症があって 食が細かったりという理由で、 作られたケースです。

 前者は 退院時には外せるし、 後者は 元々必要がない場合が 多いといいます。

 胃ろうにすると 重症に見えるため、 外す努力もされないのだということです。

〔 読売新聞 「医療ルネッサンス」 より 〕
 
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