「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

抗うつ薬 (1) -- BPDの薬物療法

2011年12月14日 20時30分09秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 心理的な問題は、

 脳の機能と 化学物質(神経伝達物質) によって 生じるとされます。

 脳内の神経細胞 (ニューロン) から 隣のニューロンへ、

 神経伝達物質が伝わることによって、 心理的・ 身体的活動が司られています。

 (ニューロン同士の間にある 隙間をシナプスという。)

 もしニューロンが あまり活発でないとすると、 次の原因が考えられます。

・ 神経伝達物質が少ない

・ 神経伝達物質が ほかのニューロンに結合しない

・ 神経伝達物質が ほかのニューロンへ伝わる前に、 放出された所へ戻ってしまう

 (この過程を 「再取り込み」 という)

 薬物療法は これらの過程に作用するものです。
 

 BPDの人に処方される薬には、

 抗うつ薬, 気分安定剤, 抗精神病薬などがあります。

 まず抗うつ薬は、

 神経伝達物質のセロトニンとノルアドレナリンを 活性化するものです。

 セロトニンは

 気分, 空腹, 体温, 性的行為, 睡眠, 攻撃性をコントロールし、

 ノルアドレナリンは

 敏捷性, 集中力, 攻撃性, 意欲, 自律神経に関わりのあるものです。

 抗うつ薬には、 三環系抗うつ薬, 選択的セロトニン再取り込み阻害薬,

 モノアミン酸化酵素阻害薬, 新規抗うつ薬の 4種類があります。

・ 三環系抗うつ薬 (TCA)

 三環系抗うつ薬は、

 セロトニンとノルアドレナリンの 再取り込みを阻害する働きがあります。

 シナプスのセロトニンとノルアドレナリンが増え、

 他のニューロンを 活発にする作用があるのです。

 アナフラニール, トフラニール, トリプタノール, ノリトレンなどがあります。

 副作用は、

 口の渇き, 疲労感, 尿が出にくい, めまい, 手の震え, 便秘, 吐き気

 などです。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 
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