「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

脱おむつ

2011年12月06日 18時12分47秒 | 介護帳
 
 多くの介護施設で、 おむつを外す取り組みが 進んでいるそうです。

 負担の大きい排泄介護に 正面から向き合うと、

 介護の質全体が変わってくるといいます。

 A子さん (80) は病院で おむつを付けた 生活を続けるうち、

 尿意や便意が薄れていきました。

 ある特養に入所すると、  「おむつを外しましょう」 と言われ、

 不安を感じましたが、 施設の取り組みによって、

 排尿や排便の感覚が戻り、 1週間でおむつが外れました。

 排泄のパターンを調べたり、 そわそわする仕草などから、

 尿意や便意を読み取ったりし、 トイレでの排泄を繰り返すうちに、

 おむつが不要な人が 出てきます。

 これに加えて 同施設では、 ハイテク機器の活用しました。

 「ノム・ ダス・ ハカル調査」 と呼ぶ 3日間の調査です。

 食事や水分量の他、

 おむつの中や トイレで出した 尿の量や、便の重さを 細かく記録します。

 さらに超音波測定器で、 排尿前と後に 膀胱内の尿量を 48時間連続して記録。

 データを元に、 その人に応じた トイレへの案内時間を決めていきます。

 おむつを外す過程で、 高齢者がベッドから離れることが リハビリになり、

 自尊心も回復します。

 そのことが 職員のやる気にもつながるのです。

 排泄を見直すことで、 高齢者の食事の様子や 表情,仕草に 目が向くようになり、

 利用者との会話も増えました。

 加えて、 年間600百万かかった おむつ代や廃棄費用も 200万に減りました。

 快適性を追求することで 高齢者の意欲が高まり、 感染予防にも繋がります。

 排泄は 尊厳に関わる問題なのです。

〔 読売新聞 「医療ルネッサンス」 より 〕
 
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