多くの人々は 毎日の大半を、 過去に失敗したことや 明日の心配を考えて過ごし、
過去や未来に生きていることになります。
現在の瞬間という、 唯一本物の瞬間を 生きられなくなってしまっています。
例えば、 これを読んでいるたった今、
過去に起きたことや 今後起きることを考えていますか?
私たちは多くの時間、 現在自分に起きていることに 注意を払っていないのです。
さらに、 運転や食事, 電話など、
同時にひとつ以上のことを しようとすることが多いのです。
その結果、 人生がもたらしてくれるものを 見逃してしまいます。
現在の瞬間を生きないことが、 人生を苦痛なものに してしまうかもしれません。
過去のでき事を考えたり、 将来を心配することが、
あなたを身体的, 感情的に 不調にさせてしまうかもしれません。
その瞬間に生き、 辛いでき事に耐えられるよう、 以下の練習をしてみましょう。
※ 練習 2-5 「今、 あなたはどこにいますか?」
辛い状況になったとき、 自分自身に次の質問をしましょう。
・ 今、 私はどこにいるのだろうか?
・ 起こるかもしれないことを 心配しているだろうか?
・ 過ちを再体験したり、 別の人生がどうなっていたか 考えているだろうか?
・ 自分の考えや感じに 真に注意を払い、 現在に存在しているだろうか?
もし現在の瞬間にいない場合、 次のステップを用いて、
現在起きていることに 注意を向けましょう。
・ 自分が考えていることに注意し、 現在の瞬間に焦点を戻しましょう。
・ 現在に焦点を当て直すため、 自分の呼吸に注意しましょう。
・ 自分の身体が どう感じるかに注意し、
自分の思考が 感じ方に影響を与えるかもしれないことを 認識してください。
・ 当座の苦痛を緩和するために、 苦悩耐性スキルを用いましょう。
(次の記事に続く)
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
[星和書店の許可のうえ掲載]