苦痛な状況で、 徹底的受容が用いられていたら、
自殺すると脅す代わりに、 苦悩耐性スキルを使えたかもしれません。
注意をそらし、 リラックスし、 対処することです。
そして少し冷静になってから、 自分に次のことを問いかけ、
徹底的受容を用いて 状況を再検討してみましょう。
・ どんなでき事が 苦痛な状況に繋がったのだろう?
ex. これは今に始まったことではなかった。
私は 仕事で怒りを抱えて帰宅し、 パートナーに怒りだした。
・ この状況が引き起こされる上で、 自分が担った一因は何だろう?
ex. 怒りに健康的に対処する代わりに、 自分自身とパートナーに怒りをぶつけた。
・ この状況が引き起こされる上で、 パートナーが担った一因は何だろう?
ex. パートナーは私の行動について、 私と話し合わなかった。
それが私をさらに怒らせた。
・ 私がコントロールできたことは何だろう?
ex. 異なるやり方で対処することができた。
・ コントロールできないことは何だろう?
ex. パートナーの振る舞いを コントロールすることはできない。
・ 私の反応は何だっただろう?
ex. 自殺しようとし、 ガラスを叩き割った。
・ 私の反応は、 私の思考や感情に いかに影響を与えただろう?
ex. 気持ちをさらに酷いものにした。
・ 私の反応は、 パートナーの思考や感情に いかに影響を与えただろう?
ex. さらに酷い気分になった。
・ 苦痛を引き起こさないために、 反応をどう変えることができたか?
ex. 苦悩耐性スキルを用いることができた。
徹底的受容を用いて 状況を再検討し、 異なる形で反応することもできた。
一時的にでも パートナーと離れることができた。
・ 状況を徹底的に受け入れていたら、 状況は違っていた可能性はあるか?
ex. 苦悩耐性スキルを用いていたら、 自分がいかに怒りを感じていたか、
パートナーに話すのを 翌朝まで待てたかもしれない。
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
[星和書店の許可のうえ掲載]