「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

徹底的受容 (2)

2016年05月12日 22時02分49秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 苦痛な状況で、 徹底的受容が用いられていたら、
 
 自殺すると脅す代わりに、 苦悩耐性スキルを使えたかもしれません。
 
 注意をそらし、 リラックスし、 対処することです。
 
 そして少し冷静になってから、 自分に次のことを問いかけ、
 
 徹底的受容を用いて 状況を再検討してみましょう。
 
・ どんなでき事が 苦痛な状況に繋がったのだろう? 
 
  ex. これは今に始まったことではなかった。
 
    私は 仕事で怒りを抱えて帰宅し、 パートナーに怒りだした。
 
・ この状況が引き起こされる上で、 自分が担った一因は何だろう? 
 
  ex. 怒りに健康的に対処する代わりに、 自分自身とパートナーに怒りをぶつけた。
 
・ この状況が引き起こされる上で、 パートナーが担った一因は何だろう? 
 
  ex. パートナーは私の行動について、 私と話し合わなかった。
 
   それが私をさらに怒らせた。
 
・ 私がコントロールできたことは何だろう? 
 
  ex. 異なるやり方で対処することができた。
 
・ コントロールできないことは何だろう? 
 
  ex. パートナーの振る舞いを コントロールすることはできない。
 
・ 私の反応は何だっただろう? 
 
  ex. 自殺しようとし、 ガラスを叩き割った。
 
・ 私の反応は、 私の思考や感情に いかに影響を与えただろう? 
 
  ex. 気持ちをさらに酷いものにした。
 
・ 私の反応は、 パートナーの思考や感情に いかに影響を与えただろう? 
 
  ex. さらに酷い気分になった。
 
・ 苦痛を引き起こさないために、 反応をどう変えることができたか? 
 
  ex. 苦悩耐性スキルを用いることができた。
 
    徹底的受容を用いて 状況を再検討し、 異なる形で反応することもできた。
 
    一時的にでも パートナーと離れることができた。
 
・ 状況を徹底的に受け入れていたら、 状況は違っていた可能性はあるか? 
 
  ex. 苦悩耐性スキルを用いていたら、 自分がいかに怒りを感じていたか、 
 
    パートナーに話すのを 翌朝まで待てたかもしれない。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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