「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

異なった気分状態に対しての 異なった対応

2015年08月03日 19時55分48秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 色々な状況に対する、 適切な対応と不適切な対応を記します。
 
(1)
状況
 BPが落ち込んでいるが、 本人はそう言っていない。
 
弱い対応
 元気を出して。 映画でも観たい?  何が問題なの? 
 
賢い対応
 間違ってるかもしれないけど、 落ち込んでるように見える。 気分はどう? 
 
(2)
状況
 BPが不安, 悲しみ, 苛立ちなどを感じていると 言う。
 
弱い対応
 今度は何?  悲しまないで。 私に当たらないで。 心配しないで。
 
賢い対応
 そのことを話したい?  何かできることはある?  話してくれれば理解できる。
 
(3)
状況
 BPが、 泣く, 声を上げる, 暴力を振るうなどの 行動化を示す。
 
弱い対応
 やめて。 大人らしくして。 怒ってるの?  話をして。
 私の言うことを聞いて。 失せて。
 
賢い対応
 落ち着いたら話し合いたい。
 
 愛してるから、 あなたの中で何が起きてるのか 聞きたい。
 でも 落ち着いて話してくれるまでは 助けられない。 あとで話を聞くと約束する。
 
 今あなたの心が静まるのに 役立つのは何? 
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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「私」 を主語に用いること

2015年08月02日 20時08分36秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 前の記事の言い回しは、 2つの共通点があります。
 
1. 全て 「私」 が主語になっています。
 
 自分の感情は、 自分でなら変えることができても、
 
 人が取り除くことや、 善し悪しを決めることはできません。
 
 BPに  「そう感じるべきではない」 と言われたら、
 
 「でも感じるのです。
 
 あなたの感情を尊重するので、 私の感情も尊重してほしい」  と言いましょう。
 
2. BPがどう感じているか、 分かったふりはしません。
 
 BPは 自分の怒りを否認するか、 意識していないかもしれません。
 
 BPの感情の中心に何があるのか、
 
 無条件に関心を寄せることが、 よりよいコミュニケーションにつながります。
 
○ 覚えておくべきこと

・ ひとつの言い回しは、
 
 あるときはうまくいっても、 いつも効果があるとは限りません。
 
 これは 失敗したということではないのです。
 
・ コミュニケーション・テクニックは、 BPDを治癒するものではありません。
 
 適当な状況で適性に用いれば、 プラスになりうる道具なのです。
 
・ 異なる状況に向けて、 多様な対応を用意しておくことは、
 
 あなた方双方を よりよいほうへ導いてくれるでしょう。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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