臨床家として、 BPの求めに応じる一方で、
個人的境界を設定し、 BPが変化するように促しながら、
自分を愛せるように助け、 依存させ過ぎずに 関係を深めることは、
熟練した人物でなければできません。
セラピストが 境界の違反行為に気付いて、 突然ルールを変えると、
非常に破壊的な結果になります。
○ 臨床家を見つけるのが 難しい理由
・ 臨床家は一般に、 パーソナリティ障害治療の 充分な訓練を受けていない
・ 臨床家は一般に、 パーソナリティ障害患者を避ける
・ BPD患者を診ている臨床家の 国際的なデータはない
・ BPは治療することが最も難しい。
(治療は長く困難だが、 治療の成功は それより一層深い満足感をもたらす)
・ 大学では パーソナリティ障害の教育をあまり受けていない
・ BPDの原因がまだ分からず、 セラピーの定説はない。
(現時点では、 「DBT(弁証法的行動療法)」 が 最も効果的とされる。
DBTは 患者にスキルを与え、 自己受容と変化のバランスを取る)
○ 精神科医に尋ねるべき質問
・ BPDの治療をしていますか?
どのくらいの人数を治療しましたか?
・ BPDをどのように定義しますか?
(ほとんどの臨床家は、 高機能BPの問題をよく知らない)
・ BPDの原因は何だと思いますか?
(多くの臨床家は、 BPDは親の虐待によると信じている)
・ 治療計画はどうなっていますか?
・ BPDは改善すると信じていますか?
治療して改善したことがありますか?
・ BPDと共に暮らすストレスを どの程度知っていますか?
(家族と共に治療に取り組んでいる 臨床家を探しましょう)
・ 高機能BPを治療したことがありますか?
自分の限界を認めない臨床家がいます。
直感を信じてください。
じわじわ続く違和感を覚えたら、 何かがおかしいのです。
そのような不安を、 あなたに問題があるかのように 扱う臨床家なら、
それ以上 時間を無駄にすることはありません。
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
(星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
[星和書店の許可の上掲載]