「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

専門家のヘルプを見つけること

2015年08月30日 19時52分44秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 臨床家として、 BPの求めに応じる一方で、
 
 個人的境界を設定し、 BPが変化するように促しながら、
 
 自分を愛せるように助け、 依存させ過ぎずに 関係を深めることは、
 
 熟練した人物でなければできません。
 
 セラピストが 境界の違反行為に気付いて、 突然ルールを変えると、
 
 非常に破壊的な結果になります。
 
○ 臨床家を見つけるのが 難しい理由
 
・ 臨床家は一般に、 パーソナリティ障害治療の 充分な訓練を受けていない
 
・ 臨床家は一般に、 パーソナリティ障害患者を避ける
 
・ BPD患者を診ている臨床家の 国際的なデータはない
 
・ BPは治療することが最も難しい。
 
  (治療は長く困難だが、 治療の成功は それより一層深い満足感をもたらす)
 
・ 大学では パーソナリティ障害の教育をあまり受けていない
 
・ BPDの原因がまだ分からず、 セラピーの定説はない。
 
  (現時点では、 「DBT(弁証法的行動療法)」 が 最も効果的とされる。
 
  DBTは 患者にスキルを与え、 自己受容と変化のバランスを取る)  
 
○ 精神科医に尋ねるべき質問
 
・ BPDの治療をしていますか? 

  どのくらいの人数を治療しましたか? 

・ BPDをどのように定義しますか? 

  (ほとんどの臨床家は、 高機能BPの問題をよく知らない)

・ BPDの原因は何だと思いますか? 

  (多くの臨床家は、 BPDは親の虐待によると信じている)

・ 治療計画はどうなっていますか? 

・ BPDは改善すると信じていますか? 

  治療して改善したことがありますか? 

・ BPDと共に暮らすストレスを どの程度知っていますか? 

  (家族と共に治療に取り組んでいる 臨床家を探しましょう)

・ 高機能BPを治療したことがありますか? 
 
 
 自分の限界を認めない臨床家がいます。

 直感を信じてください。

 じわじわ続く違和感を覚えたら、 何かがおかしいのです。

 そのような不安を、 あなたに問題があるかのように 扱う臨床家なら、

 それ以上 時間を無駄にすることはありません。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]