前の記事の言い回しは、 2つの共通点があります。
1. 全て 「私」 が主語になっています。
自分の感情は、 自分でなら変えることができても、
人が取り除くことや、 善し悪しを決めることはできません。
BPに 「そう感じるべきではない」 と言われたら、
「でも感じるのです。
あなたの感情を尊重するので、 私の感情も尊重してほしい」 と言いましょう。
2. BPがどう感じているか、 分かったふりはしません。
BPは 自分の怒りを否認するか、 意識していないかもしれません。
BPの感情の中心に何があるのか、
無条件に関心を寄せることが、 よりよいコミュニケーションにつながります。
○ 覚えておくべきこと
・ ひとつの言い回しは、
あるときはうまくいっても、 いつも効果があるとは限りません。
これは 失敗したということではないのです。
・ コミュニケーション・テクニックは、 BPDを治癒するものではありません。
適当な状況で適性に用いれば、 プラスになりうる道具なのです。
・ 異なる状況に向けて、 多様な対応を用意しておくことは、
あなた方双方を よりよいほうへ導いてくれるでしょう。
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
(星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕