ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

ゲンダイ・金子勝の記事から

2005-08-12 13:08:50 | 時事
 基本的にゲンダイは嫌いだが、これは署名つきでもあるし、最後のパラグラフに同感したので貼り付けておく。

「失われた5年だった」小泉政権

 しかも、小泉首相は、スローガンを叫び感情に訴えるだけで、具体的な政策については説明責任を放棄してきた。いわゆる「ワンフレーズ・ポリティクス」だ。その結果、国民は思考停止に陥り、議論の場である国会を空洞化させてしまった。その意味で、小泉政治の最大の罪は、人々から思考力を奪ってしまったことにある。もし小泉のワンフレーズを口にしている自分を発見したら気をつけろ! それはバカが着実に進行している症状だからだ。


……バカが伝染る《うつる》、と子供の冗談口でよく言ったものだが、実際に伝染るのだな。

立花隆・アメリカの関心は郵貯の金だけ

2005-08-12 12:31:14 | 時事
立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」
第38回 海外メディアが伝えた小泉・郵政解散劇の評判


3日前から、NHKの取材のつづきで、米ロサンゼルスに来ている。小泉首相が解散総選挙の決定を下した日だ。

日本ではもちろんトップニュースになったにちがいないが、アメリカでは、ほとんど無視された。

CNNのニュースの一項目にはなったが、1分はなかった。40秒程度の扱いだった(半日くらいしたら2分30秒くらいの扱いになった)。「USA TODAY」は、完全に無視して、1行も報じなかった。ロスの現地紙「Los Angeles Times」紙は、1面ではなくて、8面でニ段組の記事で報じたが、これはロスに日本人が多く住んでおり、日本人の関心が高いからだろう。しかし、その辺の一般のアメリカ人にとっては、日本の政治など全く関心がないのである。


 日本が憲法の解釈を枉げてイラクに自衛隊を派遣しても扱いはその程度、というのは、アメリカに生活していた時の経験でわかる。

 当時のワールドニュースのトップはイラク(湾岸戦争中だった)でありパレスチナであり、その後でヨーロッパ。東海岸に住んでいたせいもあるのか、南米やアフリカやアジア太平洋への関心の低さには愕然としたものだ。
 日本は経済ニュースでは出てくるが、政治ニュースでは出てこない。そういう国と見られているのだ。

 しかし、アメリカ人にバランス感覚や国際センスを期待すること自体をすでに諦めてしまっている私は、もはや怒ることもできない。立花さんの記事に戻る。

「Los Angeles Times」の記事にしても、あるいは、CNNの長めのニュースにしても郵政民営化の説明で強調されるのはただ一点、郵貯が世界最大の貯蓄銀行で、それが民営化されたら、350兆円におよぶ郵政マネー(簡保も含めて)を持つ世界最大の銀行が生まれるということである。アメリカの関心は(政府も民間も)郵政民営化の問題で関心があるのは、この一点だけなのである。

郵政民営化の問題で、日本のメディアで、あるいは日本の議会で展開されているようなあれこれの諸問題には誰一人関心がない。

そんなことはどうでもいいことだと思っているのだ。郵政公社が(ひいては政府が)かかえこんでいた、そのとてつもない量の資金を、早くグローバルな金融資本市場に放り出させ、一刻も早く国際金融資本家たちが互いにキバをむき出しあってその取り合いをするにまかせよということなのだ。


 ウォールストリートジャーナルは、それしか関心がないだろう。アメリカ政府もそれしか関心がないだろう。

 六カ国協議でも、日本はすっかりハブにされていたっけな。国連の常任理事国入り運動でも、日本は影響力のなさを露呈したっけな。

郵政マネーの回転で動かしてきた日本経済の相当部分を小泉首相は郵政システムぶちこわしのあとどうしようというのか。

資金量350兆円の世界最大の銀行をつぶし、その回転力に頼っていた日本経済の一定部分から突っかえ棒を引き抜くからには、そのあとどのようなシステムに改変し、その過渡期をどのように混乱なしに切り抜けていくのか。

少なくもそのためのベーシックなアイデアが出されていなければならないはずなのに、何もない。

それなしでは、小泉首相はただ、破壊のための破壊に狂奔する日本国史上最大の国家システム破壊者といわれても仕方ないだろう。


 ここ数日、ちょこちょこと書いていた雑感が立花さんの論調に近くなっているなぁ(汗)。

 国内のメディアが小泉パフォーマンスばかりを取り上げ、国民の多くはバラエティ番組を見る感覚そのままで政治ショウに見入っている。

 目先のことで一喜一憂しているうちに、民間銀行は潰れても郵貯は潰れまいという信仰のもとに貯めてきた老後のための資金を、外資にいいようにされてしまうかも知れない……そして、外資銀行の預金は、1000万円の元本保証がないのだ(滝汗)。