朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

狂言と平家物語 の夕べ

2016-10-01 | 国内各地の風物
東京から来訪の友人のお誘いで奈良に行ってきました。



猿沢の池の畔りで鹿が遊んでました。



子鹿のバンビの季節です。



興福寺の五重塔と、普段は公開しいていない三重塔を拝観しました。



これが三重塔。南円堂の下、目立たない場所にあります。
内部の仏像と格子天井が美しく修復されています。



南円堂 前に戻って五重塔に参拝し ます。



雨空でしたが、まだ降ってはいません。



塔の中にはいくつもの仏像が祀られています。



この夜の目的は、野村万作の語、野村萬斎と若村麻由美の平家物語でした。



東金堂前庭にしつらえた舞台。開演の時は降って なかったのですが、中盤でポツポツ。ビニールの雨カッパを入場口で配布されました。



管長の挨拶で、この演目平家物語の主人公、平重衡(清盛の 息子)は奈良の多くの寺を戦いで焼いた仏敵なのに、そんな人物の物語をここで演じていいのかという疑問に答えていました。

最初に野村萬斎が、二つの番組のあらすじと見どころ、聞きどころを分かりやすく解説したのです。とても音程の低い、よく通る声でした。同席した友人は合唱演奏の経験が長いので、彼の声を盛んに褒めていました。

万作さんの語りは、古い言葉でしたが、一人何役もの熱演で身振りも加わります。

萬斎さんの演目には、女性が現れます。一の谷の合戦で捕らえられた重衡が鎌倉にいる源頼朝の裁きを受けます。斬首のため奈良に護送されるのですが、その前に伊豆の武家に預けられます。そこで慈悲深い女性「千手」(せんじゅ)の世話を受けることになります。



重衡は出家することを望みますが、かなえられ ません。菅原道真の漢詩で舞いますが、満たされません。「十悪といえども引摂す」阿弥陀仏は救ってくれる、「極楽願はん人はみな 弥陀の名号唱ふべし」と今様を謡う。〜〜 重衡が奈良坂で処刑されたことを知らされた千手は墨染めの姿に変え信濃善光寺で菩提を弔います。舞台では十二単から一瞬で墨染め衣に変化しました。

夜の大寺境内で観劇すると一段と感動が深まりました。誘っていただいてありがとうございました。😊



コメント
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