行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

本来は規制緩和が望ましいのですが・・・

2007-11-12 01:28:07 | 社会・経済

 昨日、年1回しか行われない行政書士試験が全国で行われました。ここのところ試験は難しいようで、3~5%弱の合格率のようです。受験者7万人としても、合格される方々は、僅か3,000人程度のようです。最近はそのうちの半数くらいの1,500人程の方々が登録開業されているようです。

 日本行政書士会連合会に登録して開業すれば、官公署に提出する書類の作成や申請の代理・代行を行える国家資格です。但し、同じ官公署でも、裁判所、特許庁、税務署、法務局の一部、社会保険庁や労働基準監督署の一部などの手続は除外されています。しかし、逆に言えば、除外された全部が行政書士業務でもあるわけで、とてつもなく広範囲な独占業務である事だけは事実なのです。

 ですから、いまだに政府内部には行政書士だけがあのように広く独占業務を扱えるのは、規制緩和に反しているという意見も根強くあります。しかし、一方で、こういった規制を外した場合、怪しい業者や危険極まりない人物が行政手続に介在し始めて、国民が混乱するという意見も根強くあります。

 実務家として言わせて頂くならば、確かに建設業許可申請やら、産業廃棄物許可申請、風俗営業許可申請、そして外国人の在留資格申請といった分野に於いては、間違いなく怪しい業者や人物がはびこり、国民や行政側のみならず社会全体が相当に混乱する事態となることは間違いはないと思います。つまり、こういった分野での詐欺、偽造やその他の派生的な事件が急増することがあっても、決して減ることは無いと断言できます。

 たとえば、産業廃棄物不法処理業者と知りながら、何とか許可を得ようとする業者やコンサルがおそらく沢山現れる事でしょう。また、認められていない外国人や危険な外国人を不法に入国させようとする、怪しい業者やコンサルも山のように出没する事でしょう。

 一部のヨーロッパ諸国のように成熟した法令遵守が徹底した国家であれば、こういった反社会的な業者や人物が出て来ることは社会全体が許さないでしょうから、行政書士のような国家資格者は全く必要は無いのでしょう。しかし、昨今の雪印乳業、三菱自動車、不二家、姉歯建築士、ミートホープ、赤福などの事件では、法令遵守どころか、詐欺事件さえも平気で起こすような企業がいまだに多々ある今の社会構造では、規制緩和をしたら、本当にとんでもない無法地帯のような社会になってしまいそうな気がします。本当に残念な現状ではあるのですが・・・。

コメント (12)
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