行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

行政書士開業講座(第5回)

2009-02-07 10:36:06 | 資格・転職・就職

 前回、どこかの事務所で勤務しながら、実務を習得する事は難しいと書きました。しかし、実務研修会が昨今は沢山あるので、以前と比べ実務知識の習得は差程難しくないとも書きました。ところが、県によってはこういった県行政書士会等の研修会・講習会が極端に少ないところもあるかもしれないのです。いや、きっとあると思います。このような場合には、やはり東京を初めとする大都市圏の単位会の研修会・講習会に積極的に参加すべきでしょう。都・支部単位の研修会のみならず任意団体や専門グループなどの研修会などもありますから、とにかく参加してみることをお勧めします。

 皆さんにとって、その参加される研修会の雰囲気が良い団体やグループであればどんどんと融け込んで見ては如何でしょうか。一人で考え、一人でもがき悩むよりも新たな発見や情報の更新、或いは何らかの解決方法に巡り会えるかもしれません。

 私のような10年選手でも、こういった研修会や交流会には今でも参加しています。それは、官庁担当者からの最新情報やこぼれ話といった貴重な情報が入手できたり、更新された情報や最新の情報に関する同業との意見交換が出来るなど、専門家と名乗る以上は、それを維持するためには絶対に不可欠なルーチン作業だからです。ですから、こういった場で、最新情報を得て、参加者同士の最新の実務情報を出し合うなどして、実務知識の研鑽をして行けば、その業務知識の厚みは更に数段増すことになる筈です。また、この様な会合での同業達と顔見知りになっておけば、申請先の官公署での挨拶や立ち話から、諸先輩或いは同期の者、更には後輩などから大事な最新情報を得ることもあるのです。

 新人の方々は特にこの様な研修会や交流会の場では、えてしてテイク・アンド・テイクとなりがちな傾向があります。ですから、先ずは聞き上手、そして話し上手になるように心がけることが重要です。それは、結果として諸先輩方からのより多くの指導や実務上のサジェッション、或いは、最新の情報提供を受けることに繋がるからです。また、諸先輩からさりげなく話を聞き出せるようになれば、クライアントとの会話術や、或いは交渉術にも役立つヒアリングテクニックとしても通じるものがあると思います。

 聞き上手になりましょうということは、先輩諸氏からあわよくば貴重な情報を聞き出してやろうなとどいう策謀を巡らせたりしない事が肝要だと言うことです。素直に教えを乞う正攻法、これが私は良い方法だと思うのです。それは、ひとたび下心を持って自分に近付いて来たと曲解されてしまえば、もうその後は一切の重要な情報や本音、或いは重要な経験といった教えを乞う事ができなくなってしまうからです。尤も、こういった正攻法が通じない、たちの悪い諸先輩も居ないとは言えません。具体的には色々な方々がいますから例示はしませんが、それはご自分の感性でご判断して頂くしかないと思います。

 こうして、いつの間にやら専門家に変身されていらっしゃる先生方を、私は何人も知っています。

 それと、専門家になるには、他士業とのコンタクトは絶対に必要です。税理士、公証人、弁護士、司法書士、社労士等々の友人・知人は不可欠です。会社を設立したら、クライアントはほとんど必ず税理士を紹介して欲しいと言って来ます。遺言や定款を作るには馴染みの公証役場があった方が便利でしょう。遺産分割協議がまとまったら、土地家屋の登記を司法書士さんに依頼する必要があるでしょう。また、クライアントやそのご家族が刑事事件や民事訴訟事件に巻き込まれたら弁護士さんを素早くご紹介できればありがたいと思われるでしょうし、私のような外国人在留案件が絡むと接見段階から弁護士さんとの共同作業になるケースも多々あるのです。

 このような他士業の先生方との交流は、ワンストップサービスの窓口役という意味でも、とても重要な事だと思います。そして、私の場合ですと、こういった他士業の先生方からのご紹介による仕事は、実は可成りの数にのぼるのです。ですから、日頃から他士業の先生方との交流も親密にされることをお勧め致します。

 次回は、いよいよクライアントからの実際の問い合わせがあった時の事について書いてみようと思います。

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