行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

行政書士開業講座(第6回)

2009-02-12 01:39:48 | 資格・転職・就職

 ほんの数年前までは、行政書士の宣伝広告の主流は電話帳(タウンページ)や冊子(タウン冊子やフリーペーパー、或いは外国語新聞や業界誌)での広告が主流でした。しかし、今現在はどちらかといえば、インターネット上のホームページが主流となって来ているようです。

 かといって、パソコンを扱えない年配の方々相手の遺言・相続手続や老人福祉関係手続を業務したいとお考えであれば、従来通りのタウンページのような広告の方が今現在でも圧倒的に効果は高いと思われます。但し、タウンページのような媒体では、広告できる業務内容が限られていますし、広告費も決して安くはありません。

 こういった紙媒体広告の場合、その効果が現れるのは、一般的には掲載されてからには数ヶ月後と言われています。HPも同様で、やはり掲載後数ヶ月後にその効果が現れると言われていますが、昨今のブログという検索ランクが反映し易いツールの登場により、場合によっては、以前よりかなり早い時期に効果が現れるようになった模様です。

 ところで、実は私自身がホームページを開設したのが、2006年の5月でしたので、ホームページをご覧頂いてご依頼して下さったクライアントさんの数は、全体としてはまだ僅かしかおりません。ですので、私自身の経験よりも、他の同業者の方々、それも開業して間もない新人の方々のケースで、見たり聞いたしたケースを交えてお話しした方が良いかと思います。

 確かに、ホームページ広告はそれなりの効果があります。私自身のホームページや知人の司法書士さんや友人の税理士さんのホームページなど、それなりのベテラン士業のあいだでも、最近は顧客獲得の重要なツールになっています。

 特に、新人の開業して間もない方々の中で、ブログとリンクされている方々は、かなりの効果を上げているようです。ところで、ブログ&ホームページから集客を出来ている新人の方々には、ある共通点があります。それは;

 1.ブログの内容が面白く、かつ頻繁に更新し、作者ご自身の姿勢や性格などがその記事から伺えるような内容である事

 2.ホームページの内容が分かり易く、手続き内容を勉強し、かつ研究した様子が見られる事

 3.ホームページが見やすく構成されている事

 4.最初のメール相談を無料にしている事

 5.仮にホームページを見て電話やメールで問い合わせや相談をした場合、或いは、実際に依頼をした場合、誠意を持って対応してくれそうなイメージがある事

 一般的には、ブログ記事に対する検索エンジンの反応は早いようです。それはヤフーやグーグルでは確かにその傾向があります。特に、グーグルの検索エンジンは、おそらくブログに対する反応が一番早いようです。

 しかし、ブログの内容が面白くもなく、そして何よりもその作者の顔といいますか、姿勢や性格などが見え難いような内容のブログの場合には、その効果はかなり限定的になっているようです。

 ある方は、ありとあらゆるテーマでブログを書き綴る事によって、裾野を広げてクライアントと接触する機会をどんどんと広げています。また、ある方は、仕事に関わる関連テーマに絞って、業務に関わるテーマの悩みを持っている人達と、インターネット検索によるブログ記事を通じて接触することで、依頼人の輪を広げているようです。

 一方、私のように、業務ネタから経済ネタ、はたまた行政書士業務と幅広い内容で書いていても、意見や主張の強い書き方をしているブログは、ある意味では悪い例といえるかもしれません。それは、私のような書き方では、場合によってはクライアントさんの腰が引けてしまうことがあるからです。

 ブログを飽くまでも皆さんのホームページを見て貰うための呼び込みツールと考えれば、最も大事なのがホームページです。これは、ある意味ではその方がプロとして提供できるうる業務メニューですから、その内容が稚拙で貧弱であれば、却ってプロとしての信用や威信を傷つけてしまう結果になってしまうこともあり得ます。一方、書き過ぎてしまえば、逆に読みづらくなって、依頼人から遠ざける結果となることもあります。そして、実際に面談したときに、ホームページの内容の割には、経験の未熟さが目立ってしまうというリスクもあります。ですからホームページ作成には細心の注意を払う必要があるのです。

 また、法令や手続内容が大幅に変更しているのにも関わらず、更新もせずにそのままに放置しているホームページ(例えば、今はもう無い有限会社の設立が書かれっぱなしになっているHPや、法令が変わってしまって、今現在と全く異なっている内容のHP)は、その方の専門家としての資質そのものを疑われてしまい、却って逆効果になっている場合もあります。

 ホームページを見ていて気が付く事なのですが、やたら専門用語を並び立てているようなホームページを見かけることが時としてあります。つまり、一般の法律知識に疎い方々がこのような内容で理解できるのだろうか?と私は思うのです。また、本当にこの内容を分かって書いているのだろうかといった、内容そのものに疑問があるようなホームページも時として見かけることがあります。

 ところが、それなりに依頼を受けていそうな方々(ベテランも含む)のホームページでは、概ね平易な文章で書かれてあることが多く、あまり専門用語を長々と羅列はしていません。仮に、専門用語が使われていても、平易な文章での解説が付け加えられているケースが多いようです。

 一般的には、ホームページを読まれる方々には、概ね以下の三通りのグループがいます。一つは、知人或いは他社さんから紹介を受けたので、これから訪ねる事務所の概要を事前に知っておきたい方々や、訪問後のパフレット的なつもりでHPを見る方々。もう一つは、住所又は勤務先の近くで、比較的安く手続きを代行してくれそうな専門家を捜している方々。そして最後は、そのホームページから、ご自身の抱えた問題を解決して貰えそうな専門家のうちで、親身になって対応してくれそうな専門家を探している方々に分類されます。

 最初のパンフレット型ですが、実績がない新人の方々にとっては中々難しい問題点です。かといって嘘は書けませんから、自信のない方はご自身個人の売りといいますか、良いと思う点を手短に書くしかありません。何も書かないと、逆に邪推されるおそれもありますから中々難しい問題です。

 新人の方々で、成功しつつある方々のホームページは、分かり易い内容と見やすい内容構成であり、それが最も重要だと書きました。それは、ごちゃごちゃと細かい字で専門用語ばかり並べて書いていても、中小企業経営者や個人依頼者にとっては、それを読み切った上で、相談に行ってみようという行動に移らせる動機に中々至らない傾向があるからなのです。尤も、大手企業関係者や他士業関係者のうち、どちらかと言えば理屈っぽい方や理論派の担当者であれば、こういった専門用語ばかりを並べたホームページを逆に好む方々もいるようです。但し、新人の方々の場合、実際に面談したときに、化けの皮を剥がされるおそれもありますので、十分な注意が必要です。

 たまたまご近所にある、始めてお問い合わせを頂いたクライアント企業さんに実際に言われて気が付いた話なのですが、「私のところのような小さな会社でも、ご相談に乗って頂けますでしょうか?」などと言われた時は、ちょっとショックでした。「これでは私の趣旨に反するし、丸の内や大手町のファームじゃあるまいし、こりゃぁたいへんだぁ!」とばかりに、急遽ホームページの内容を吟味変更して、内容の一部を書き換えた程でした。

 さて、皆さんのホームページができあがって、実際にメールが送られて来たり、或いは、電話が掛かって来た場合ですが、これからが本当の意味での本番です。ここからの対応一つで依頼になるのか、或いは、単なる問い合わせで終わってしまうのかが決まってしまうからです。このメール及び電話での対応については、次回でお話ししたいと思います。

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